続・介護保険が始まりますよ

 この原稿は9月中旬に書いていますが、一九九九年春号に書きましたように介護保険の手続きはもう始まっています。市町村によって多少違っているでしょうが、すでに申し込みのための書類が送られてきたかたもおられるかもしれません。

 介護保険では、いままで「措置(そち)」としてお役所が決めていたサービス(ホームヘルパー派遣やデイサービスなど)が、それぞれの実施事業者との「契約」という形になります。お仕着せではなく「選ぶ」ことができるようになるわけで、利用側にはいちおう喜ばしいことだといえるでしょう。しかし、これまで「よい医療機関」を選ぶのがなかなか難しかったように、「よい介護事業者」を探すのも難しいかもしれません。

 介護保険を受けるための入口である「要介護認定の申し込み」は市町村の窓口で受け付けられますが、それぞれの介護サービス提供業者で代行申請することもできます。つまり利用者としては、役所まで出向かなくとも、介護施設や一部の病院、デイサービス施設、社会福祉協議会などで申し込むことができます。事業者としては、受け付けた申請を毎日一括して役所に提出する面倒があるものの、ある意味では「お客さまを確保する手段」になるわけで、ふつうは喜んで代行申請をさせていただく姿勢をとることになるはずです。

 ですから、利用側としては、もし代行申請の受付窓口の対応がいまひとつというようなところであれば、そこでサービスを受けるのは避けたいところです。あるいは、あまりにも「いんぎん無礼」的、または「マニュアル型ていねい」的な窓口もなんとなくうさん臭い気がします。そのあたりが業者を選ぶひとつの目安になるのではないでしょうか。

 認定の手続きは始まっているとはいえ、実際の介護サービスは来年の四月から始まりますので、まだすこし時間の余裕があります。いまのうちにいろいろな情報を集めておかれてはいかがでしょうか。

 私にとってはいままでの仕事に加えて、主治医意見書の作成や介護認定審査会の審査、介護保険についての相談などがどっと増えます。また肩の重みがずっしりと…。


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