世紀末・わんど覚え帳/10月下半期




絵葉書仕立/函館レンガ倉庫群/19991011

10月31日(日)/熟年?

 天気がいいので、パートナーは夜勤明けであったけれど、昼ごろから出かけて大阪府北部から京都府亀岡方面の山道のドライブにでかけた。

 家に秋らしさを飾りたいということで、道すがらにススキやミズヒキなど、秋の野草をつみながらゆっくりと車を走らせた。

 大阪府茨木市から豊能町へ向かう道をとろうとしたら、工事中で通行止めとのことで、思いがけなく迂回のために亀岡市まで足を伸ばしたのだが、その初めて走る迂回路の途中にこじんまりとした地元の農事法人経営の売店があり、横に小さな食堂があって、地元でとれた蕎麦がつつましく供されいてた。もちろんいままで大阪方面でも紹介されたことがなさそうなところだったが、ちょうど空腹の極でもあって「かけそば」をいただいた。蕎麦そのものはとくに特徴もないが、素朴な味が心地よいものであった。

 そして、そこで蕎麦をいただいているあいだ、三々五々立ち寄ってくる車から降り立ってくるのは、私らと同年輩のカップルばかり。それに気づいたのはパートナーもいっしょだったらしく、ま、若いカップルはこんな鄙びたところにうろうろとこんわな、という点で意見が一致したのだった。

 京都府亀岡市犬甘野(いぬかんの)。静かな山里であった。

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10月30日(土)/マツタケの凋落

 秋はマツタケであるというのは、ここのところのニッポンの定番であるようだ。丹波産のそれがとても高価で庶民の口に入らない時期が続いていたと思ったら、世界のあちこちからマツタケが輸入されてきて、いつのまにか「ほか弁」にまでマツタケが進出してきているのだった。

 もともと、私は嫌いではないが、あえて食べたいと思うほどマツタケに思い入れもなく、なんで世間かそんなに騒ぐのだという点、カニと同じような「商売人の煽り立て」を感じてならない。

 キノコでいうなら、「香りマツタケ味シメジ」なることわざを待つまでもなく、いろいろとおいしいキノコがいっぱいある。

 自分の舌で味わいましょう。

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10月29日(金)/深酒3

 しつこく深酒の話である。

 けっきょく昨日は朝に麺を少し食べ、夕に数口のチャンコ鍋の具を口にしただけであった。ちょっと寝つきは悪かったものの、今日の目覚めは悪くなく、もちろん消化器系の調子も上々、朝食も昼食もはいつもどおりの量をとった。

 帰宅していつものように風呂上りに体重と体脂肪率を計ると、体脂肪率はだいたい平均のまま、体重はいつもより1kgすこし減っていた。

 まる一日ほとんど絶食状態だと、やはりそのくらいの体重減少がおこることに変に感心したりしつつ、またぞろ今夜はビールに白ワインなどをやってしまったのだった。明日はまた体重は元に戻るのだろうな。

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10月28日(木)/深酒2

 午後遅くなっても倦怠感と胃腸が動いていない感はもどらず、けっきょく今日の飲み会ではちょっとビールに口をつけただけだった。ちゃんこ鍋を囲んだのだが、すこしの野菜と豆腐、ツミレ一個ていどに最後のおじやを食べ、お茶ばかり飲んでいた。

 はからずも、飲み会でひさしぶりの休肝日になったのだった。

 そして、いまごろの時刻になって調子が戻ってきているのである。

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10月27日(水)/深酒

 たいへん久しぶりに遅くまで飲み歩いて、午前様で帰宅した。飲んだ量もけっこう多いし、ビール、日本酒、洋酒とチャンポンもいいところ。日記は昨日は書けなかった。

 前後不覚になるほどの酔いではなかったが、なにしろ寝たのが遅かったのに朝はいつものように起きて仕事をしているので、かなりボーッとしている。今日は仕事にならんかもしれん ^^;

 一昨日も飲み会、昨夜はこれ、今夜も飲む予定、一日おいて土曜日も旧友と…というわけで、さすがにちょっとしんどいかもしれない。

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10月26日(火)/モデルルーム

 駅から職場に向かう道の途中の県道沿いに、バブルの遺産のような大きな空地がある。国政選挙などのときに、候補者の選挙事務所が作られたりしていた土地である。

 半年ほどまえ、この空地になんだか巨大なプレハブ建物が立て続けに2棟作られた。ちょうど県会議員選挙の時期だったので、その選挙事務所かなと思ったのだが、それにしては大きすぎる。そのうち、表側はプレハブとは思えない装飾がほどこされ、しゃれた看板が立てられるようになって、これが近くの超高級住宅地にできるマンションのモデルルーム兼販売事務所だということが分かった。高級マンションだけあって、モデルルームも贅沢な作りだ。

 そのうちの1棟が、数日前から分解されていた。マンションがめでたくも完売したのか、それとも売り切れないうちにマンション本体が完成してしまって、「現地モデルルーム」に移転したのか、私には知るよしもない。

 分解しているモデルルームを見ていると、建物のパーツで再利用しようという感じで分解整理している部分もあるにはあるが、かなりの部分は「壊されて」おそらく産廃として捨てられるような扱いである。この国の企業は、まだこんなことをし続けているのかと、ちょっと暗澹たる気持ちになったのだった。

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10月25日(月)/アクション映画

 スティーブン・セガールの「沈黙の断崖」と、ブルース・ウイリスの「マーキュリー・ライジング」をビデオで見た。

 どちらも社会的な要素の入った、ちょっと進歩的な米国人に歓迎されそうな、新しいアクション映画かと思った。シュワルツェネッガーやスタローンたちのマッチョでパワフルなアクションは、それはそれで何も考えずに楽しめるのではあるが、なんだか火薬の量を競うような作りにしょうしょう辟易しているときに、ちょっと見たら単なるフツーのおじさんのようなヒーローの映画が目新しいと思うのである。

 しかし、疲れるのである(それでなくとも疲れてるのになあ)。

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10月24日(日)/秋晴れ

 北摂では、ようやく「秋晴れ」といえるような一日であった。

 朝からほとんど雲なく高い青空が広がり、日差しは強くても風がさわやかで、空気は乾いていた。ここのところ何となくイライラしかけることが多かったのだが、何も予定がないこともあってとてもリラックスすることができた。

 午後からちょっと職場に顔をだしたあと、夕刻から行きつけの池田の居酒屋さんに向かって歩いていると、市役所の横で民家の屋根の上に明るい大きな満月が見えた。

 秋の虫の声がまだあまり聞こえていないのがちょっと気がかりではある。

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10月23日(土)/複合カード

 複合カードといってもクレジットカード機能のついたニフティカードなどという話ではない。ノートパソコンに使うPCMCIAカードのことである。

 カードそのものの値段が以前に比べるととても安くなってきて、14400bpsのT社のモデムカードを「えいやっ」と買ったのがウソのようである。そのうえ最近はたいていのノートパソコンにはモデムが内蔵されているから、モデム以外の用途のカードがどんどん開発され、そして、流行の薄型ノートではカードスロットが1つしかないものが多いので、一枚のカードで複数の機能を持つものがいろいろと出ているのである。

 モデムとLANというのはけっこう以前からあった。最近は携帯電話モデムとLANとか、PHSとLANなどが目立つ。そして、今日、梅田の某パソコンショップをぶらついていたら、携帯電話モデムとPHSというカードを見つけてしまった。しかもPHSは32Kと64Kの両用である。価格もそれほど高くない。モバイル命のような私は、もちろん携帯電話モデムカードもPHSカードも持っているのだが、どちらもごく初期のモデルで電気喰いで困っていたので、つい手にしてしまったのだった。NTTの製品で、もともとドッチーモのために開発されたようである。

 Win98/95専用ということなのだが、帰宅してさっそく梱包をとき、ダメモトで手元にある WinCE機(Casio A-60)に入れてみると、なんとこれが何の苦労もなくすぐに作動した。マニュアルにはCEに関する記述はまったくないのに、である。これはタナボタであった。ただ、なぜかケーブルが必要以上に長いのが残念。

 ドッチーモが欲しくならぬよう自戒せねば ^^;

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10月22日(金)/行列好き

 よく「行列のできる店」というのがある。食べるものが旨いので、お客が殺到し、よって行列ができるということで、それほど旨いということらしいのだが、私はがんらいのイラチであって、ものを食うのに並ぶなんてまっぴらである。すぐに食べられるのも旨さの要素だと思うから、客に行列させてあたりまえというような店は願い下げなのである。

 それにしても行列が好きな人っているもんだとつくづく思ったのは、今年になってしばしば乗るようになった飛行機を待つときの様子。

 とうぜんのことながら、飛行機は全席座席指定である。そして、タクシーと違って、早く乗れば早く着くというものでもない。なのに、搭乗ゲートには早々と乗客が行列を作っているのがいつもの景色である。これはどういうことなのだろうかと、私はほんとに悩むのだ。

 私たちはというと、ひとしきりみなさんが搭乗しおえて、ゲートが空いてから、おもむろに乗りにいくわけである。

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10月21日(木)/朝食バイキング

 団体さんの多い大旅館では夕食もバイキング形式のところが多いが、個人的に泊まっていてのこれはちょっと悲しい。部屋出しの手間のないぶん値段が安いのではあるが、せっかくの旅館泊まり、部屋でゆっくりと食いたいものである。もっとも、部屋出しの夕食ではあっても、油断すると地域の特色も適温もない、見た目の一見豪華だけ味は二の次というようなところがあるので油断はできない。

 しかし、バイキングではあっても、朝食に関しては私は好きである。もともと朝からけっこう食うほうであるし、味噌汁はとても好物。だから、和食のおかずをいろいろ選べ、納豆や干物という定番を確保し、ごはんと味噌汁を好きなだけおかわりできて、食後に余裕があれば牛乳か野菜ジュースを飲める、そういう「パワー・ブレックファースト」(ってちょっと意味が違うか)は大歓迎なのである。

 難点は、どうしても食べ過ぎて、朝から動きが鈍くなることである。でも、10年ほど前のように、旅館の朝食に必ずビールを飲まざるをえないのに比べれば、とっても健康的だと自賛するのである。

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10月20日(水)/錯綜(錯走)

 午後からの訪問診療がすこし遅くなって午後4時半ごろに町を走っていると、あちこちのデイサービスやデイケアの送迎車(うーむ、圧倒的にハイエースの車椅子リフト仕様が多いな)が走り回っている。前の送迎車が右に曲がって視界から消えたと思ったら、つぎのつぎの信号から別の送迎車がでてくるというあんばいである。

 いまでもこの状況、介護保険になったらもっと激しい錯走になるのだろうか。

 そうなれば、もし金の余裕があるのなら、ライトバンを改造した乗り心地の悪い(けど値段だけは高い)車ではなく、もっと快適で安全な車で送迎をするような差別化をしたいものだと思ったりして…。

 シルバービジネスなんていうのなら、そういう車を出血大サービスで作ってくださいませんかねぇ>最高執行責任者(COO)に大リストラをされるナンバー2を尻目に独走しそうなメーカーさん :-)

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10月19日(火)/大沼公園

 今回、パートナーが函館に行きたいというので、私は、それではぜったい大沼公園にも行くとに決めた。30年ほど前に貧乏旅行をしていたときに、この公園の美しさがとても印象的だったので、改めて年配者の目で見直してみたいと思ったのである。

 ところが、往路に乗った特急「スーパー北斗」が停車した大沼公園駅の前は、連休の中日でいい天気だったこともあるのだが、車と人があふれ返っていた。私の思い出のなかにある大沼公園とはかなり違う景色だった。正直、ちょっとがっかりであった。

 翌日、残念なことにかなりの雨になった午後、レンタカーで公園に着いた。駒ケ岳は曇ってほとんど見えないのが残念ではあったが、雨のために人が少なく、しっとりとした雰囲気はなかなかのものであった。もっとも、公園に隣接した街の俗っぽさにはちょっと辟易してしまったのである。もうすこしセンスのある街にはできないものだろうかとは、部外者の勝手な思いなんだろうか。

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10月18日(月)/集客装置

 函館に「レンガ倉庫街」という一角があった。小樽にもレンガ倉庫が並んだ運河があって、どちらも観光スポットとして有名なところである。

 外観は、レトロで美しいレンガ建築、そして内部はとくに若い人たちが喜びそうな店になっていて、街として客を集め店として金を落とさせるような仕掛けになっていると、私には思えた(私らのように金を落とさない客を集めてもしゃあないのだろうが、これもまあ「枯れ木も山の賑わい」ということか)。

 こういうことをとくに函館で感じたのは、倉庫街の内部の店には客がいっぱいいるのに、せっかくレトロな美しさのある街そのものを楽しんでいるふうの人がきわめて少なかったことが原因である。この街、なかなかしっとりとしていいところなのにもったいないことである。

 集客装置も度を過ごすと手段が目的になってしまうのであろう。

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10月17日(日)/駅の栄枯盛衰

 いぇーい。10年ほどまえ、南千歳駅は千歳空港駅だった。駅から延びた通路の先にある「NEWS」とある建物は、千歳空港のターミナルビルだった。

 わっかるかなぁ、わっかんないだろーなぁ。

 いぇーい。ずーっとまえ、函館駅は連絡船の乗り換えで賑わっていた。やけに細長い団体待合室は、連絡船に向かう通路だった。

 わっかるかなぁ、わっかんないだろーなぁ。

 いぇーい。めっちゃくちゃまえ、手宮は北海道の玄関駅だった。小樽の町の中に草に埋もれている単線線路は、北海道開拓のとっかかりの生命線だった。

 わっかるかなぁ、わっかんないだろーなぁ。

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10月16日(土)/陸繋島

 函館山の夜景はぜひいちど見ておきたかった。あまりにも有名なスポットなので、ちょっと反発したい気がなきにしもあらずなのだが、それはまあ見てからということで、なんともシステム化されていると感心した「函館山夜景ツアー」を申し込んだ。これは函館湯の川温泉の主要旅館にバスが迎えにきてくれるというもの。コースがふたつあって、頂上までバスで往復するのと、ロープウエイに乗るもの。ロープウエイのほうが 1.5倍くらい高い料金であるが、昼間に見たあのロープウエイにぜひ乗りたいということでこちらのコースを選ぶ。

 連休のまっただなかということもあって、125 人乗りという巨大ゴンドラがなんと5分ヘッドで運転中。定期観光の団体が次々と乗りつけるのに、みごとなさばき具合でほとんど待つことなくゴンドラに送り込まれる。阪神タイガースの試合や高校野球のときの阪神電鉄甲子園駅の客さばきの見事さは定評があって、西武鉄道が所沢のために見学にきたとかいうが、この市営函館山ロープウエイもたいしたものである。

 そして、頂上からの夜景は、これはもうとても美しいものであった。夜景といえば神戸も有名だが、函館の場合は扇形の光の面が視界に快い。もっとも、後日、北海道に住む娘に聞くと、「裏夜景」というのがいま評判らしい。函館山は函館の町を南から見下ろすのだが、北側の山から見るのが「裏夜景」なのだそうだ。人も少なくて、視界がよければ下北半島の町の灯や津軽海峡のイカ漁のいさり火もいっしょに見えて美しいのだそうだ。

 いずれにしても、島であった函館山と北海道との間の砂洲にできた函館の街の形が、神戸などと違った独特の景色になっているようだ。陸繋島(りくけいとう)という地形、上から見ると教科書的でさえある。

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