世紀末・わんど覚え帳/10月上半期




函館/夜景/絵葉書仕立/陳腐(1999/10/10)

10月15日(金)/水田

 伊丹から離陸した新千歳行きの飛行機は、左へぐるっと回って伊丹空港の真上を通り、琵琶湖の南端から富山市をめざすか、伊賀盆地から名古屋上空を通るかして、いずれにしても新潟と佐渡の間を抜けて秋田、青森から室蘭の地球岬をかすめ、新千歳にいたる。

 このルートでは、右側の窓際の席だと中部から東北の景色がずっと楽しめる。左側では日本海だけだ。もっとも、地球岬前後では噴火湾周辺が眺められる。

 今回はまさに右側に座れていて、富士山をずっと眺めることができたし、アルプスの墨絵も鑑賞できた。そしてなにより驚いたのは、越後平野から庄内、秋田あたりの水田の景色であった。平野部はもうずっと水びたしのように太陽を反射する水田が一面に広がっていたのである。水田が保水に大きな働きをしているということは聞いたことがあるが、こうして水面の広さを眺めていると、これだけの水面があるとなしとでは、おそらく気候にも影響するだろうと思ったのだった。


 今月になって大阪では真夏日(最高気温が30度以上の日)が4日もあったという。もうほとんど熱帯雨林気候帯であるが、こういうヒートアイランドのような現象、水の面積が減ったこととも関係しているんじゃないかぁ。

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10月14日(木)/徹底した宣伝

 連休の北海道行きに、1年前から就航している伊丹・新千歳間のスカイマーク・エアラインズのボーイング767-200 に乗った。

 最近、旅客機にいろいろなペインティングをするのがはやりで、ポケモンジェットやグレイのボディが話題になっている。そしてスカイマークの機体には、スカイパーフェクTVとマイクロソフトの広告が激しく描かれている。

 いやまあ「飛ぶ広告塔」もいいかと思っていたのだが、乗ってびっくり。シートの枕カバーにすべてMSのロゴ。うーむ、やるもんだ。ところが、離陸してひといきついたころ、他の航空会社だと旅ものビデオなどが始まるのだが、こちらではなんとMSのプロモーションビデオ。しかもそれを客室乗務員が「まいくろそふとのぷろもおしょんびでおを放映いたします」と紹介したのだった。

 まことに徹底した宣伝。ここまでくれば立派というほかない。

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10月13日(水)/振子気動車

 「HEAT」というらしい。Hokkaido Express Advanced Train。先頭車の側面に誇らしげにロゴがある。

 鉄道雑誌などで北海道のJR特急が熱いというのは知っていた。10日に新千歳に着いて、南千歳(ちょっと前まで「千歳空港駅」として栄華を誇っていたがいまや駅員さんがひとりだけ勤務する乗り換えだけの駅になっているのか)から「スーパー北斗」で函館までハイパワーのディーゼルエンジンを載せた振子気動車の特急に乗った。

 それはHEATという愛称にふさわしい走りであった。ガンガン走るビュンビュン曲がる。鉄ちゃん歴40年を誇る私にとっても、初めて体験する気動車の走りであった。同行のパートナーはエンジンの音がうるさいといい(興味のない人にとっては電車と気動車の違いは分からないだろう)、東京都の知事さんががディーゼルを目の敵にしそうということがあっても、やはり単純に感激してしまったのだった。

 乗り物に弱い人は、高速運転のための振子車両は酔うらしいが、私はとても快適に乗った3時間であった。

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10月12日(火)/温度差

 つかの間の北海道から戻った。

 昨日の道東・道南は荒れ模様の天候だったが、今日は朝からいわゆる秋晴れ。娘の部屋で薄い毛布だけで寝ていると明け方には寒さで目覚めたほどであったけれども、昼間は青空と乾いたさわやかな空気でほんとに幸せだった。

 午後遅い飛行機を待っていると、空港のアナウンスで「ただいまの大阪の天候は晴れ(ここまではよい―わんど注)、気温は28度」という。ゲッ、28度ぉ。

 厚めの長袖シャツにベスト姿ですごしてきたのだが、思わずシャツを脱いでTシャツにベストにしたのだった。そして大阪に着いて乗ったバス、なんだか涼しいと思ったら、しっかりと冷房が入っていたのである。

 やはり日本は広い。

 今日のキーワードは、行列好き、行儀の悪い喫煙者。

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10月11日(月)/370キロ

 連休の最終日だということと、函館は札幌からみても遊びにいく場所だということについ気づかずにいた。午後から函館を出て札幌に車で向かうのは、連休ラッシュのまっただなかにつっこむのだという認識がなかったのである。

 そういうわけで、今日のレンタカー 370キロはたいへん疲れてしまった。夕食を、4月にも行って感激した薄野の割烹「半蔵」で食べようと画策していたのでよけいにあせったのである。そのうえ、午後から低気圧と寒冷前線の接近で激しい雨風。

 なんとか薄野での飲み食いも満足(いつものことだが、3人でたらふく旨いものを食べて酒を飲んで、10,400円というのは安いよねえ)。

 今日のキーワードは、集客装置、大沼公園、朝食バイキング。

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10月10日(日)/非日常

 いかに毎日毎日おなじことのくり返しの生活をしているかが、今日のように非日常な行動をすると痛感する。そもそも、この日記は、一日一日がマンネリにならないようにという気持ちで始めたものなのに、5年以上になると日記を書くことそのものが目的化してしまったようである。

 ということで、今日は伊丹から新千歳までスカイマーク・エアラインズのホーイング767-300 で飛び、千歳から函館まで特急「スーパー北斗10号」の振子気動車にさんざん揺すられ、トラピスチヌ修道院でクッキーの製造は大分の修道院に移りましたという話を聞いたあと、宿にした湯の川温泉の「これぞ旅館料理」という夕食を早めにとって、定期観光バスで函館山からの夜景見物をしてきた。宿に帰ってもう一風呂と思ったら、風呂はラッシュ状態ということで部屋でビールを飲んでいる(やはり安く旅館に泊まろうと思ったらこれくらいは我慢しなければ)。

 で、けっこうネタが拾えたので、しばらくは書くことがありそうである。今日思いついたキーワードは、水田、マイクロソフト、振子気動車、陸繋島、混雑時の段取り、駅の栄枯盛衰。

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10月9日(土)/ちょっと一息

 北摂でもやっと秋らしい涼しさになって、訪問診療の車で冷房を入れる必要がようやくなくなった。しかし、今日の午後の訪問では、連休の週末のせいか、とっても満ちが混んでいたのだった。

 世間なみに連休をとれそうなので、明日からまた北のほうに出かけることになっている。そういうわけで今夜は早く寝る。

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10月8日(金)/ファミレス

 じつにじつに久しぶりにファミリーレストランで夕食をとった。

 私もパートナーも介護保険残業で遅くなり、居酒屋などに行くと酒方面をみっちりやってしまいそうなので、帰り道にある典型的な店に入ったのである。

 最近はファミレスでも和食っぽいメニューも出ているのが分かったのだが、せっかくだからめったに食しない料理を食べることにした。といっても、カキフライなどという中途半端なものも含まれていたわけだ。

 で、味はなかなか旨いと思った。昔々のファミレスの味とはかなり違っている。ま、いまの時代、そこそこあいしいものを出さないと客は招致しないだろう。だが、価格もそれなりのもの。生ビールも飲んだので、ふたりでそこそこの支払いになっていた。

 いやまあしかし、やはりファミレスのメニューではふたりでカキフライとおろしハンバーグとジャンバラヤそれぞれ1ケづつをようやく食べきってもういらんという状態。やはり私たちには向かないのだった。

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10月7日(木)/介護保険づくし

 いつものようにみなさんより早い目に出勤したら机の上に「主治医意見書」作成依頼が数通。

 始業すると受付に要介護認定の代行申請の申し込み。電話で介護保険についての質問。フロアに行くと施設入所のかたの基本調査。母体病院に外来診察にいくと、またまた診察机に主治医意見書「至急」とある。

 仕事を終えてぼつぼつ帰ろうとしたら、訪問看護ステーションではまだ電気が明々とついていて、訪問調査の整理のための残業をしているという。

 市役所では介護保険室の職員が数週間前からほとんど休日なしで準備中。

 見直しをすべきだなんて、政治家さんたちはノーテンキでいいねえ。

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10月6日(水)/新しモン喰い

 じつは、私はとても「新しモン喰い」で、野次馬で、衝動買い人間である(だれだ、そんなこといまさら、なんて思ってるのは…)。ただ、それをまっとうするには、とてもたくさんの資金が必要なわけで、その資金が潤沢ではないのである程度で抑えられているのである。

 先日、知り合いのかたから相談を受けた。なんだかいろいろな電気製品がつぎつぎと寿命になったようで、テレビやビデオやミニコンポがダメになったついては新しいのを買いたいのだが…、というのである。

 自分が使うのではないのだが、こういう話には人ごとながらワクワクしてしまって、テレビはいまや液晶がいい、コンポはおおげさなものではなくすてきなデザインのCD/MDのがいい、などと勝手なことを言って楽しんでいた。

 私が言ったとおりの買い物をしてとても気分がいいという報告を今日うけて、うむうむそれはよかったと安心もしうらやましくもあり満足もしたのだが、詳しく聞いてみると、テレビは私が想定していた15インチ程度のものではなく、なんと20インチほどの液晶テレビだという。コンポも私が欲しいものと言って紹介した、北欧地方のメーカーのと〜ってもすばらしいデザインのヤツだという。私と同年輩のキャリアウーマンで独身という彼女だからこその買い物であると、私はなんとか自分を納得させるしかないのだった。

 ううう ^^;

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10月5日(火)/夏を乗り切って

 訪問診療をしている高齢者のかたにとって、冬の寒さとともに夏の暑さを乗り切るというのはなかなか大変なのである。

 今年は、9月になっても気温が高い日が多くて、いつもなら食欲が回復して元気がでてくる時期であるお彼岸ごろにもまだまだ食思不振、なんとなく衰弱というかたが少なくなく、主治医としてはかなり気をもんでいた。

 それが、この数日の涼しさの回復で、ほんとに信じられないくらいに復活したかたが多い。いまの世の中だから、真夏といえどもエアコンなどでの環境調整がよく効いているのに、それでもやはり季節季節での波がある。おそらく、気候を感じるセンサーのようなものが、人間にも残っているに違いないなどと、つい考えてしまうのである。

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10月4日(月)/急に涼しく

 まったく気まぐれな気候というかなんというか。

 急に秋になったので、朝方などの冷え込みがきつい。こうなると心配なのは、職場である老人保健施設に入所されているお年よりがカゼをひいたりすることで、実際もう微熱が出ているかたがおられる。

 私も今朝は4ヶ月くらいぶりに掛け布団を着てしまった。もっとも、寝巻きにしているのは真夏と同じものである。いま窓を開けていると夜の冷気が入り込んでくるが、これがきわめて快適である。

 ようやく落ち着ける季節になったようだ(が忙しいなあ)。

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10月3日(日)/じわじわした恐怖

 いうまでもなく東海村の事件(事故ではなく事件だと思うぞ)。こんなじわじわとした恐怖は、私はぜったいに味わいたくない。

 たまたま自分の生活圏にはそういう施設はない(と信じている)が、この事件が最初に報じられたときから、遠く離れた茨城県のことではあるものの、ちょっと足が震えるような恐怖を感じつづけている。内閣が吹っ飛ぶんじゃないかというくらい、インパクトが強かった。

 人間がからむことには必ずミスがあるというのが私の考えで、だからこそ飛行機が嫌い新幹線が恐い医者は信用でけん、というスタンスをとりつづけているわけだが、その並びでずっと持っていた原発が危ないなあということ、しばしば「おまえは電気がなくてもええのか」という非難にさらされてきたけれど、電気がなくてもじわじわとした恐怖よりはマシやなと、今回の事件をみていてあらためて実感したのだった。

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10月2日(土)/夏か

 ついさきほど、突然どっと雨が降ってきて、そのうち稲光と雷鳴。裏のベランダ側は、窓を開けていたのであっという間に雨が降りこんでビチャビチャ。もうまるで真夏の夕立である。

 大阪で集まりがあり、そのあとみんなで一杯やっていたのだが、早い目に帰ってよかった。1時間も遅ければずぶ濡れになるところであった。

 それにしても、10月だというのに冷房をやめられない暑さとこの夕立。いま京都府南部に大雨洪水警報が出た。いったい今年の秋はどうなっているのか。

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10月1日(金)/祝「スルッとKansai」

 JR以外の関西のほとんどの民鉄やバスに共通して使えるプリペイド・カードがあって「スルッとKansai」という。それぞれの会社でカードの名前がついていて、たとえば大阪市交通局では「レインボーカード」、能勢電鉄は「パストラルカード」、そして、私がいつも使っているのは阪急の「ラガールカード」という。

 今日から、駅まで乗る阪急バスでもこのカードが使えるようになった。つまり、通勤や大阪に出るのには、このカードさえあれば小銭はいらなくなったのである。しかし、JRは「Jスルー」という別のカードが必要なので、ま、その2枚が必要ではある。

 もっとも、回数券やハイウエイカードのように、割引というのがないのはちょっと残念ではある。

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