世紀末・わんど覚え帳/5月下半期


熊野古道・野中の清水(1999/05/12)和歌山県中辺路町

5月31日(月)/世界禁煙デー

 なぜか比較的覚えやすい5月31日は世界禁煙デーである。

 かつて、未成年のころから喫煙し、粋がっていわゆる「ピー缶」つまり缶入りショートピースを持ち歩いたり、パソコンのプログラムに熱中していたころには一日5箱も吸っていた私が禁煙してから10年を越えている。

 私がタバコをやめた1989年といえば、バブルの前でみんながイケイケドンドンだったころ。そのころの空気からすればどちらかというと消極的ともいえる禁煙を、周囲の人たちはやはり冷ややかに見てくださっていたものだ。

 喫煙者にとって住みにくい世の中が近いうちにきっとくるという私の予想は当たっていると思う。

 ここのところ官公庁が(やむをえずかもしれないが)分煙禁煙を達成しつつあるという。神戸中央市民病院は近く全面禁煙になるらしい。

 昨日、泉佐野で昼食をとる店が見つからずにひさしぶりに喫茶店などというものに入ったら、うーん、店そのものがコーヒーの香りよりタバコの臭いが強くてまいってしまったのであった。

go top go end

5月30日(日)/関空

 午後から大阪の泉佐野市に用があったので、昼前から出かけて阪急→地下鉄→南海と乗り継いででかけた。

 泉佐野は20年ほど前に市立病院の週一回の診察に通っていてなつかしいところ。20年たって、しかも関空が目の前にできたので、おそらくかなり変っているだろうと思っていたのだが、その市立病院は一昨年だかに新しくなったものの、駅前の様子はほとんど変っていなかった。好天の日曜日の午後だというのに、ほとんど人出がないのが寂しい。

 用件がすんでから航空券の購入を兼ねて関空へ。ぶらぶらと関空のターミナルビルを見て歩き、あらためてその規模に驚いてきた。対岸の泉佐野の町とのあまりの違い。

 帰路はJRの関空快速でひさしぶりに阪和線沿線を見ながら梅田まで直通。ちょっとした旅行気分を味わった一日だった。

go top go end

5月29日(土)/目薬

 私の職場である老人保健施設に入所なさっている高齢者のかたがたが、しばしば目薬の処方をご希望になる。

 白内障や緑内障の治療/予防のために必要な目薬ならば、使用しなくてはならないことは理解できるのだが、そういうものでないもののリクエストがけっこう多くて、ちょっと辟易していたところがある。なんでそんなに目薬が好きやねんな、と。

 ところが、今年のはじめごろ、たまたま家族といっしょに入った薬店で、眼精疲労の目薬というものに気がついた。50才になった私、俗に「歯、目、××」などと言うが、××はともかく、歯はもう壊滅状態、目のほうは遠近両用の眼鏡をかけていてもけっこうつらい状況、40才からの目薬などと書かれているのをついフラフラと買ってしまったのである。

 で、この目薬を一日2回朝晩に使っているうちに、その刺激というか快感というか、それにすっかりのめりこんでしまった。

 そういうわけで、最近は入所なさっている高齢者のかたの目薬好きにちょっと理解を示すようになっているのだった。

go top go end

5月28日(金)/健診

 年に一度の職場健診。

 近づいてくると、飲み助連中はちょっと酒をセーブしてγ-GTPの上がりを防ごうとするし(私や)、女性たちは体重を気にしだすし、血圧が高い目のおぢさんは降圧剤を忘れないように服用して、血圧測定で132/70でほっとする(これも私や)。

 視力検査でやはり昨年よりも遠方視力も低下しているのが私にはつらい。また眼鏡を作りかえなくてはならないと思う。そして心電図が正常で今年も大丈夫だと安心。

 半世紀も使いつづけて、そのうえけっして節制などしていることのない身体であるから、せめて年に一度の健診だけはまじめに受けようとは思っているのだが…(謎)。

go top go end

5月27日(木)/メイストーム

 ニッポン列島を嵐が駆け抜けたようだ。メイストームというらしい。

 今朝は駅のホームで「大雨警報」が解除されたかされないかで、高校生たちの右往左往する姿が見られた。携帯電話でおそらくお母さんに「ガッコ休みやねん、なんとかちゃんと梅田へ行ってくるわ」としゃべっている女子高生がいた。高校が警報で自動的に休校するのはちょっと考えなおしたほうがいいのではないかと思ったのだった。

 自宅では閉めわすれていた裏ベランダ側の窓から雨が降り込んで水びたしになっていたのだが、職場では中庭に面した窓が開いていて、気がつくと水びたしだけでなく、その水のなかでミミズさんやナメクジくんがたくさん遊んでいらっしゃったのだそうだ。

 あー、まもなくイヤな梅雨だ。

go top go end

5月26日(水)/オバツタ

 ブルーチーズで思い出したのだが、ときどき行くビヤホールに「オバツタ」というメニューがある。

 チーズをホイップしたようなもので、プレーンクラッカーに乗せて食べる。ビアホールの濃いビールのアテとして私はけっこう好きなもので、その店では必ず注文する。しかし、その正体がいまだに分からないのである。店の人に尋ねればいいのだろうが、居酒屋でカウンターの向こうの亭主としゃべるようなわけにはいかない状況の店なので、確かめる機会がないのである。

 おそらくドイツかアメリカのビール本場ではポピュラーなものなのかもしれない。大きな百貨店のチーズ売場などで探してみるのだが、製品として売られているようなものではないのかもしれない。

 そういえば、その店で出てくる「コルン」という、口から火の出そうな強いアルコール飲料もなんだかよく分からない。分からないままぐいぐいやってしまう私もどうかと思うのではあるが…。

 知ってるかたがあればぜひ教えてくださいね。

go top go end

5月25日(火)/ブルーチーズ

 チーズを食べる人でもこれだけはなんだかぜったいだめだという人が多いように思うのがブルーチーズ。因果なことに、私はこれがたいへん好きなのである。先日も近くのコープで見つけていそいそと買って帰った。

 ちょっと口にしたパートナーは、ほとんど嘔吐状態になったのであるが、なんでこんな旨いもんが、と思うのである。赤ワインを左手に、右手のバターナイフに乗せたあの青かびの部分を口にしたときのなんともいえぬ刺激と香り。

 ただ、おそらく質のいいブルーチーズは塩分がかなり多いのではないかと思うので、血圧が高い目の私はあまり大量に食べないほうがよいのかもしれない。

 ひひひ。

go top go end

5月24日(月)/ツバメの巣

 阪急石橋駅の東口改札を入ったところ、箕面線の乗り換えなどでたいへん混雑する階段の近くにいつからかパイロン(道路工事現場などでよく見る赤い三角錐のあれ)が置かれていて、そこに「巣だちまでしばらくご辛抱」なるはり紙が…。

 上を見上げると、ホームの上屋の梁にツバメの巣。ツバメのウンチが落ちてくるので、人が通らないようにパイロンを置いてあるのだった。

 それでなくとも宝塚線のなかでは乗降客が多いわりには昔のままの構内で混雑しがちなのだが、おそらくこのパイロンに文句をいう人はいないに違いない。

 宝塚市の介助犬「シンシア」といい、北摂方面では最近ほのぼのとした話題が多くていいなあと思ったのであった。

go top go end

5月23日(日)/一見(いちげん)のお店

 ここのところ飲み食いに出向くお店は、いわゆる「行きつけ」のところばかり、誰かに連れていってもらって気に入って行きだすという状況はあったものの、自分から一見で飛び込むことが少なくなっていた。なにごとによらず、年をとるとコンサーバティブ(保守的)になってしまうのかと自己分析していたのだが、先月からなぜか初めてのお店の開拓にせっせと励むようになった。

 今夜も豊中のロマンチック街道沿いの和食創作料理店に飛び込んでみた。このお店の真向かいは、すこし以前の元気なころにしばしば飲みに通っていたおしゃれなバーなので、今夜行ったお店はきっとこの一、二年にオープンしたのだと思っていたが、板前さん(これが若い)に聞くともう6年だという。ということは、お向かいのバーにもそれ以上きていないことになるということだ。

 お店の窓からお向かいのバーの駐車場が見えて、そのバーの伝統だがかっこいい黒人男性スタッフが車の誘導をしているのが見えた。ひさしぶりにあの店にも行かねば…。

go top go end

5月22日(土)/スーツ

 午後から法事らしき行事があったので、ひさしぶりにスーツを着用した。季節がら、以前から持っている麻混紡のスーツ。いつもスラックスのウエストが合うかヒヤヒヤしながらである。ものによっては大きすぎるのがあるのだ。なにしろ、私の歴代最大体重は95kgである。いまは75kg前後。

 ネクタイについてはなにも問題はない。普段の私のコスチュームはジーンズにネクタイとジャケットである。一部には(多くは、か)ジーンズにネクタイが変だという声もあるが、いやなに、慣れればこれはなかなか便利なのである。

 しかし、上下が同じ生地のスーツ姿というのは、自分ではなんだかパジャマのような感じで心地がよくないのであった。

go top go end



5月21日(金)/タヌキ横断注意

 いつも乗るバス停から二つめのバス停までの途中にいつからか「タヌキ横断注意」という立て札が出現した。

 ほんとの住宅街のまっただなかである。もっとも、そのあたりはごく狭い範囲でバス通りの両側が空き地になっている。タヌキさんはその両側の空き地を行き来するために道路を横断するのだろうか。残念ながら私はまだ横断するタヌキさんは見ていない。

 でも、なんとなく嬉しい立て札だ。

 「シカ横断注意」とか「イノシシ用足し注意」などと立て札が増えてきたら楽しいと思うのだった。

go top go end

5月20日(木)/蚊取り線香

 これだけ暑い一日が続きだすと、帰宅途中でビールは飲みたくなるわ、身体から異様な汗の臭いが自分でもするわ、いつまでも明るいので午後7時に職場を出たのになんとなく早引けしているような後ろめたさに襲われるわ、食べたいものがますます淡泊なものになってくるわ、ともかく暑さに弱い私はつらい。

 期限のある仕事が重なってストレスになり、ますます早朝覚醒してしまうのもつらい。

 パートナーが夜勤でひとりの宵、木酢水を入れたぬるめの風呂にゆったりとはいって、引き絞った我慢のあとの湯上がりのビールを一本、しかるのちにキンキンに冷やした純米吟醸をちびちびとやる。アテはらっきょ。蚊取り線香の煙をたゆらせて、私の回りはもう夏である。

go top go end

5月19日(水)/近ごろの軽四

 午後から訪問診療に出ようと車を探したら、施設の小型車はすべて使う予定がはいっていた。訪問診療にデイケア用の9人乗りのフルサイズのワンボックス車や車イスを乗せる装備のついたリフトカーを使うのはなんぼなんでもカサ高すぎる。それに「駐車禁止除外指定」を受けている車両でないと具合が悪い訪問先もいくつかある。

 それで訪問看護ステーションを覗いて「車、空いてなぁい? 」と聞くと、つい先月、私の訪問診療のためのセダンが毎年車検になるのを機会に売って買った軽四が二台とも空いているという。それらはボディ色から「シロ」「アカ」と名づけられている。ステーションにはあと二台の車があって、うち一台の軽四の名前は「トッポ」(車名のままだ)、もう一台はM社の2000ccセダンで、こいつは在宅支援にはちょっと使いにくいのである。それはそうとして…。

 シロを指名してその新車軽四に始めて乗った。ひと回り大きくなったボディや、いわゆるコラムシフトで足元がすっきりしたことなどで、ほんまにこれが軽四かという室内が広い立派な車。市内北部の7軒のお宅を回って約3時間。タウンユースにはもうこれでじゅうぶんすぎるほどの車と実感したのだった。

go top go end

5月18日(火)/バリコ

 先日白浜温泉に行ったおり、夕食に入った地元の寿司屋さんで不思議なメニューをみつけた。「バリコ」とある。知ったかぶりは恥をかくだけ、さっそく私は板さんに「バリコってなんですか」と尋ねてみると、白浜田辺あたりで上がる魚で、ヒモノにしてあるとのこと。大きいものはアイと呼ぶのだそうだ。

 ちょっと匂いにクセがあるので好ききらいがあるようですが、と板さんがいう。いやなにヒモノとくれば食わずばなるまい、4月に札幌ではキンキの開きの旨いのを経験したし。どんな匂いかと問うと「磯くさい」のだという。それはだいじょうぶだということで、それを注文、たしかに磯の香りがたいへん強いものであったが、なかなか旨いものであった。

 そして帰りに立ち寄った市場でアイのヒモノを発見。店員さんに「これはバリコと同じもんやね」と確認すると「そやなあこの大きさはアイとちごうてバリコやな」とのこと。これを買って帰った。

 そして今夜これを焼いて食べた。うん、家で食ってもたしかに旨いもんであったが、じつはそのあとずっと匂いが漂って困っているのである。おそらく朝まで臭いのであろう。

go top go end

5月17日(月)/ペット可

 とくたてて急いで引っ越しするつもりもないのだが、娘が北海道の学校に行って家族数が減ったので、もうすこし狭い家でもいいかなあなどと思いつつ、賃貸住宅の広告などにいままでより気がいっている(私はずっとライフスタイルに合わせて簡単に住居を替えられるのがいいので「賃貸派」である)。

 で、最近とくに目立つのが「ペット可」という注釈部分。「外イヌ可」などという具体的なものもある。さすがに「屋内イヌ可」はまだ少ないようだ。それだけペットが社会的に認められてきたのか、事実が先をいっているだけなのか…。

 「もし『ペット可』の家に引っ越したらまたイヌさんと暮らしますか」と食事をしながらパートナーに質問されて、私はそれをそっくりそのまま返したのであるが、うーん、ひっじょーに魅力的ではある。

go top go end

5月16日(日)/散財

 午後からなんとなく車で出かけて、衣料のディスカウントショップや古道具屋さん、インテリアショップ、雑貨屋さん、デパートなどをなにげなく回ってきた。

 「ユニクロ」でTシャツや3本 990円のソックスなどを買っているうちはよかったのだが、デパートでつい夏物のカバーール風のジャケットが気に入ってしまいカードで買ってしまったり(ま、ジャケットとしてはかなり安いのではあったが)、思わぬ散財をしてしまった。

 予定があっていろいろと走り回っているときはいいが、今日のように無目的に歩いているとほんとに危険である。震災で潰れたのをみて、食器類をずっとセーブしているだけまだマシなのだが、これとていつキレるかわからぬ。

 金使いの荒いのは困ったもんである。

go top





ページの先頭へ
「世紀末・わんど覚え帳」の目次へ
湾処屋摂霞亭へ
湾処屋のホームページへ