駄理雑言 '97/10月下旬



10月31日/朝飯のような夕飯

 仕事が忙しくて給食当番ができない私にも責任はあるのですが、今夜の夕食は用意したパートナー自らが言ったように「朝ご飯のような」献立でした。いやまあ「粗末」ではなく、それなりに食材の種類の多いヘルシーかつ豊かなものだったのです(パートナーの名誉のために注釈しておく)が、サンマの塩焼き、ミブナと厚揚げの炊き合わせ、ミツバのおひたし、粕汁、チクワ刺身 :-)というようなもんで、たしかにちょっと豪華な朝飯のような感じでした。

 それでもサンマはものすごく脂の乗った太ったヤツ、粕汁も薄味で酒粕の風味が嬉しくて、やはりどんどん酒が進んだのでした。

 考えてみれば、朝飯のような夕飯というのは、体にはたいへんいいのかもしれません。

10月30日/フジバカマ

 職場の自分の部屋の窓際にフジバカマの鉢植えがふたつあります。往診途中で寄り道する植木屋さんで見つけた、一鉢 700円のものですが、なかなか珍しいもののようです。

 ひじょうに地味でさりげない花をつけています。

 ある文献をみますと、絶滅が心配されている多年草、などとありまして、えっ、レッドデータブックの植物なの、と驚きましたが、それほどのものでもないようです。でも、この控え目さがなかなか気に入ってしまいまして、来年もなんとか育てたいと思っています。いますが、手元にはあまりにも育てかたの資料がないのが不安です。

 庭さえあれば、迷うことなく露地植えするのですが…。

10月29日/能楽資料館

 ようやく余裕ができまして、事務長からもせっつかれていましたので、ほんとにひさしぶりに有給休暇をとりました。といっても午前中は仕事をして午後からだけ休んだのですが(なにしろ医者は私ひとりなんで、最小限の指示はしておかなくてはなりません ^^;)

 先日混んでいて行けなかった篠山町に行ってきました。秋も深まって静かな町はそれなりに風情がありましたし、能楽資料館に展示してある能面がよかったですね。私の家の玄関に知人からいただいた(自作の)能面が二枚飾ってあるのですが、いままで不勉強で面についての知識がほとんどありませんでしたので、たいへん役立ったのです。

 で、平日のマイナーな観光地のわりには客が多いなあと思っていたら、ここはいま放送中のNHK朝ドラの舞台のひとつだったんですねえ。その種のテレビを見ないのでぜんぜん知りませんでした。

10月28日/交通事故

 月に一度の遠距離往診のさなか、山の中の国道の交差点に近づきましたら何やら異様な雰囲気。ともかく見通しのいい交差点なので、遠くから見えるのですが、パトカーと警官、バリケードのように見える板。

 近づいてみますと、信号のあるこの交差点での出会い頭の事故だとわかりました。軽自動車同士の側面衝突。バリケードのように見えたのは、横から当てられて横転した車の屋根でした。

 それにしても、こんな交差点で、どうしたら「出会い頭」になるんでしょう。どう考えても疑問です。どちらの車もお互いを見ながらあっちが止まるだろうと思ったのでしょうか。でも信号があるし…。

 いやー、不思議な景色でした。

10月27日/寒波

 天気予報のとおり、今日の大阪は急に寒くなりました。職場も食堂を中心に暖房をあわてて入れる始末。入所のゲストに風邪が目立ちます。

 宵から娘が修学旅行でいないのをいいことに、パートナーとふたりで「豆腐と湯葉のフルコース」を食べてきました。ほこほことした「湯葉のつまみ揚げ」は寒波の宵に絶好でありました。

 これでようやく季節相応になったのでしょうか。

10月26日/国民体育大会

 今日から大阪で国体が始まっています。

 池田の五月山体育館で卓球、箕面のスカイアリーナで柔道が行なわれていますので、ヒマつぶしに自転車で回ってきました。まだ一回戦レベルだからか、なかなか和気あいあいとした雰囲気でありました。それにしても、卓球と柔道、選手も応援客も、非常に極端な違いがありますね。続けて観戦しますとなかなかすごいものです。

 途中の道では、この変な陽気に迷ったようで、桜が狂い咲きしているのを見つけたり、思わぬところに旨いソバ屋さんがあるのを発見したり、時間のわりに有意義な休日でありました。そのうえ使った金はソバ代だけ。国体競技の観戦は無料でしたから。

10月25日/修学旅行

 高校生の娘が明日から修学旅行に出かけます。

 さきほど夕食をとりながら話していたのですが、高校の修学旅行は、要するに人生最後の修学旅行なんですな。大学にはそれはありません。きわめて希なケース以外では、そういうことになります。

 しかも、これは私の経験から言うのですが、おそらくこれまでの小学校、中学校の修学旅行よりもずっと思い出の多いものになるはず。大人に近づいてある程度は個々人の自由な行動が許される旅行ですから、いわば、社会へのアプローチの第一歩であるわけです、って私らが高校のころはそうだったんですが、ま、いまの高校生には当てはまらんやろなあ。

 無事に沖縄を楽しんできてくれることを期待しておくことにします。

10月24日/日が短くなったなあ

 ここのところ忙しくて帰宅が遅いので気づかなかったのですが、日が短くなっています。今日は午後からすこし時間がとれましたので、自室で来月のレクチャーの OHP原稿を作成していて、窓の外をみますと午後5時だというのに暗くなってきていました。それでなくとも遅くまで仕事をしている気分が強いのに、よけいに残業を感じてしまいます。

 考えてみれば秋分からすでに一ヶ月以上たっています。なんだかほんとうに日にちのたつのが早い。

10月23日/蒸し暑いのは地震の予兆?!

 10月も末だというのにここ数日の蒸し暑さはなんなんでしょう。

 今日、外来診察に見えた長いお付き合いの女性(数年前に蜘蛛膜下出血の手術をさせていただいたかた)が、

 せんせ、暑うおますなあ、また地震でもくんのんとちがいますやろか

とおっしゃる。私は、こどものころからの記憶がふと戻りまして、それと同じセリフをよく母が言っていたのを思い出しました。おそらく根拠はないものの、でもなんらかの昔からの言い伝えで、変に蒸し暑いのは地震の前兆だというのではないかと思います。

 診察についていた若い看護婦さんは、そういうことを聞いたことはないと言っていました。でも、今日の私たちの話で、なんとなく不安やなあとも言いだしたりしました。

 そう言えば、1995年1月17日の朝は、1月中旬にしてはそれほど寒くなかったような気がします。うーむ。

10月22日/会議や会議や

 今週になってからずっと会議が続いています。午後遅くから始まるものですが、一昨日は定例の連絡会議、昨日は入退所判定会議、今日は臨時でありますが、ある部署とのトラブル収束のための会議。

 私はもともと会議っちゅうもんがたいへんイヤでした。今の立場になる前だと、会議に出てほんの30分もすると眠くなって暴れたくなって ^^;落ち着かなくなるのが普通でした。

 今日はつくづく思ったのですが、状況が変ったとはいえ、なんと辛抱強くなったのだろか。会議がイヤで、電子会議室や電子メールの効用を主張してきたのですから、いまの私は自分でも不思議です。

 しかし、まあ、会議するならその時間分の値打ちのあるようにしたいもんだと思いますし、ま、いまのところそのようになっているので我慢もしておられるのでありましょうね。

10月21日/試験勉強または付け刃

 今週は高校生の娘が中間試験のさいちゅうです。

 宵に帰宅したら、彼女は自室で布団に入って寝ていて、食事の準備ができたら起きてきました。昨夜も深夜ずっと起きていたようで、要するに生活時間がわれわれとは全く違っています。んー、で、私にはかなり違和感がありまして、おい適当に寝なさいよ、とつい言いたくなるのですが、しかし約30年あまり前の自分もそういう生活をしていたなあと思い出して、ま、若いのはエエわな、などとため息をつきつつ眠りにつく午前2時だったりします(寝るのが午前2時で7時前には起きているという私もかなり変かもしれませんけどね)。

 しかしまあそれにしても、自分の娘だからしかたがないとはいえ、試験が近いときだけ唐突に頑張る(ぎりぎりまでなにもしない)っていうの、ほんまに難儀な性格であります ^^;

10月20日/あ〜あまたまた日常や…

 老人保健施設の医師という仕事になって1ヶ月半。病院での勤務のときほどいろいろな出来事があるわけではなく、朝からの動きがほぼ固定してきました。

 始業は午前9時ですが、私はだいたい8時過ぎに出勤し、いくつかの鉢植えに水をやり、ニフティに第1回目のアクセスをし、今日の入退所のゲストの紹介医師への報告などの書簡を作成、そのうちに9時5分前の朝礼の時刻になります。そのあと一休みして、フロアの申し送りがすんだころを見計らって各フロアを順番に回り、スキをみて途中か昼前にニフティのコメントなどを書き込みます。正午をだいぶ回ってから昼食。

 午後は曜日によっていろいろありますが、しかし、基本的にはなんたる「日常」。かろうじて日曜には非日常を求めていますが、ま、今日のような月曜日になればその気分も霧消。

 あ〜あ、また一週間の日常の始まりです。

10月19日/宇治

 天気もいいし、毎週遊びに出るのも気がひけるなあと思いつつ、日曜くらいは日常から逃避してやろうと、今日は京都の宇治にでかけてきました。

 近畿地方の名所にはかなり行っている私ですが、近いのに宇治は初めてです。もちろん宇治の象徴である平等院にも初めて参拝しました。遺跡調査のために池の水の一部が抜かれていて景観に影響しているのがすこし残念でしたが、いわゆる鳳凰堂の外観もさることながら、堂内の阿弥陀仏も室内の細工も、予想していた以上にたいしたものでした。ま、なにより、有名観光地のわりに人出がそれほどではなかったのが幸いでした。

 たまたま覗いた骨董屋さんというか藍染屋さんというか、なにやら得体の知れないお店の経営者ご夫婦と思しきかたがたとのしゃべりがオモロかった。

10月18日/秋、そろそろ深し

 きのう今日と昼間はなんとなく蒸し暑くて、ようやくジャケットを着るようになったとたんのこの暑さでまいっています。

 世間では風邪をひいたかたがめだちます。朝晩は冷えるので、どこに生活の基準を置くかが難しいのかもしれませんが、この程度の気候のブレで簡単に風邪をひいていてはいかんのだ :-)

 しかしまあ秋そろそろ深し、明日はまたゆっくりとどこかへ行こうか。

10月17日/ホームページ

 ヨソのホームページのことを気にしたり、自分のホームページをいじったりしているのに、ふと気がつくと、9月から開設している自分の職場のページを作っていませんでした。効果のほどはどうかと思うものの、やはり自分が責任者をしている組織のページをとりあえず作っておかなくてはなりませぬ。

 そういうわけで、デジカメを振り回してなんとか形だけは3日ほどで作ったのであります。で、今日は、検索ウエブである Yahoo Japanに登録の申し込みをしておきました。世はインターネットの時代なんですからねっ :-) で、

    http://www.asahi-net.or.jp/~wu5t-kmnu/wel_kawa.htm

が私の勤務先です。

10月16日/臓器移植法

 十年ちかく前から批判的に考えていた臓器移植法が、とうとう今日施行されました。シビアな意見は日記にそぐわないと思いますので避けますが、個人的にはかなり感慨深いものがあります。

 いまや脳外科の現場から離れたので、ドナーになりうるかたと深いおつきあいをすることは今後もないと思いますが、ある意味では私のライフワークのような「医と社会」に密接に関連したものでありますから、生来の意地悪な性格でじっとりとワッチし続けていきたいと思っています。





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