駄理雑言 '97/4月上旬



4月1日/モノレール

 大阪モノレールの柴原〜大阪空港間が開通しました(この書斎なレポートは「写真とともに閑話休題」ページの「モノレール蛍池駅」に…)。偶然というか、とってつけたようにというか、この新線区間を利用して行かなければならないことがありまし ト、夕刻に初乗りしてきました。
 このモノレールの下を走る道は、それこそしょっちゅうクルマで走ってきましたが、高さが違うとこれほど景色が変わるのかというほどの違いがありました。この路線の開通で、大阪北部の、放射状の鉄道を連絡する経路が整備され、大阪空港に鉄路(モノレールだから正確にはコ ンクリート路ですな)でアクセスできることになりました。
 首都圏と違ってなかなか資本が投下されにくい大阪ですが、それでもすこしづつ公共交通が整備されていくのはありがたいことです。

4月2日/ざるソバのダブル

 しょーもない用件が午後から大阪で発生しまして、午前中に仕事をなんとかかたづけて阪急電車で梅田に向かいました。当初の予定では梅田でカレーライスでも食おうかと思ってたのですが、時間がなくなってきて、では立ち食いソバでも…と方針変更。しかし梅田に着いたらそれ さえも無理になりまして、しかたなく昼抜きで用件をすませました。
 午後3時すぎに解放され、ま、ゆっくりと食事をしてもいいのでしょうけど、ともかく何か食いたい。あー腹へったというこういう午後、立ち食いソバ屋さんの小麦粉くさい安物のざるソバがなぜかやたらに恋しくなったのでした。
 のれんをくぐって入った立ち食い屋さんで、なんとW(ダブル)をワシワシとかきこんでしまったのでした。旨いもんです、こういうときには。

4月3日/新人

 新年度になって職場におおぜいの新人が入職してきました。私がいまの職場にきたころは、新人の数も少なく、そもそも組織自体が小さかったので、ま、なんとなく「きたなあ」という感じでした。しかし、いまや、法人全体では一千名を越える職員数になる組織になって、なあな あではやっていけなくなりました。だから最近はちゃんとした新人教育のカリキュラムができてます。
 今夜は、そういうカリキュラムの中休みの懇親会、主だったスタッフが出席すべしということで出てまいりました。
 毎年こういう会に出ていまして、若い人たちのことをある程度は理解しておるつもりではありますが、やはりなかなか困ったもんやという状況もあり。しかしまあ、私は秋には別の施設の責任者に命ぜられていますから、人ごととは考えられないのであります。
 うーん、世代ギャップなんでしょうかねぇ。

4月4日/うるさい街やねん

 職場の最寄り駅で電車を降りて、職場まで歩いていく道は、ほぼ完成して片側3車線という広い県道です。朝、この道を出勤に急ぐクルマが疾走します。雨が降ると水しぶきでベタベタになるのは以前にも書いたとおりですし、こんなに大きな道なのに、それでも渋滞するという、 とんでもない道です。
 自宅を出てからずっとヘッドホンラジオでFMを聞いていますと、まずバスの騒音に合わせてボリウムを調節し、つぎに電車の音がさらに大きくて音量をあげます。しかし、駅を降りて県道を歩くとき、それまでとは比較にならないほどボリウムをあげなければ音楽が聞こえなくなり ます。
 基準になるものがなければあまり感じないのでしょうが、FM放送というスケールがあると、なんとうるさい町やねんとあらためて感じてしまいます。こんなところで健康にいられるわけがないなあ。

4月5日/新路線

 ここところ大阪で新しい鉄道の開通が続きました。大阪モノレールについては1日にレポートしたのですが、先月にはもっと幹線であるJR東西線ができました。今日、森之宮に用があってこの東西線を利用してきましたが、いや、たいへん早くなりました。
 途中から乗ってきた、淀川河畔の桜を見に行くというおばさん軍団(いやあ、すごいわ)が、この線についてまったくオリエンテーションがついていなくて、車内で桜ノ宮までの行き方をレクチャーしているうちに電車は京橋駅に着いていました。
 けっきょく乗り換え時間の短縮効果もあって、川西池田から森之宮まで約40分。ちょっと信じられないくらいしかかかりません。うーん、そーか、川西ってそれほど田舎ではなかったのだった :-)

4月6日/雨や雨や

 いやーほんとに珍しい長雨ですね。
 私の記憶では選抜野球がこれほど順延した記憶はありません(もっとも私はかなり野球には興味がないのでたしかなものではありませんが)。これほど花見ができなかった記憶がありません(これは、私は花好き酒好きですから、おそらく間違いありません)。
 それでも今日裏山方面へ桜見物にでかけてきました。あ、私が最近嫌ってる車でですが、お客を案内したのでしかたがありません。
 途中、箕面滝のところを通りましたが、滝の前後の川の水量はかなり多く、自動車道からチラと見えた滝もかなり増水していました。
 このまま雨が降りやまないのではないかと、ふと思ったりする弥生の一日。

4月7日/げっ、晴れたやんか

 お花見に絶好の週末と狙っていたときはたいへんな雨でなにもかもおじゃん。んで、イヤな週明けになったとたんにお日さまが出てくるって、いったいなんやねん、といいたい。
 帰宅途中のバスから見る五月山公園の夜桜は美しかった。しかし、雨があがったら気温がさがった。今夜はかなり寒いようです。
 夕刊の「桜だより」によれば、平野部はもうほとんど見頃。来週末までは持たないでしょう。京都の御室や高雄、大阪生駒山頂、そうして奈良県の吉野山あたりがこれからだという感じです。
 うーむ。こんどの土曜日は当直なんだけどな〜。

4月8日/おばはん

 用事があっていつもはこないターミナルでバスを待っていたときのことです。
 私の前に2人、あとに1人の人がバスを待っていました。列のための柵沿いに私を含め4人が並んでいると、柵と反対側に一人の女性がツツツッとやってきて、なんとなく中途半端にお並びになりました。うーん、ちょっとイヤや気配。もちろん、この女性と順序が入れ代わっても 座ることはできます。ま、吸われるかどうかはどうでもいいのですが、なんとなくイヤな空気を感じていました。
 んで、バスがきて、いやー案の定この女性、当然のような顔をして先頭で乗り込もうとしたのですな。ま、べつにどーでもええといえばええのですが、しかしまあなんとなく許しガタイとブチ切れたんです、私。
 でも、おおぜいの目の前で恥をかかせるのも悪いかなと思って(顔に似合わず優しいんです、私)、小さな声で「みなさん並んでいらしたのですから順番を守ってくださいませんか」と申し上げたんですわ。す、するとその女性「なによっ私が一番だったのよっ。最初に並んだのは 私なのよっ」と驚くほどの大声でお喚きになりました :-) 私までの3人は前のバスが違う行先だったので見送ったので、この女性が一番に並んだのではないのはメイハクだったんですが…。
 ま、要するにこの女性は自分の視野の中に私たち4名が入っていなかったのか、あるいは確信犯で横入りしたのを指摘されて逆上なさったのか…。いずれにしても見苦しく恥ずかしい反応でありました。
 大阪には「おばはん」という一大勢力がありますが、いやはやまさにそのおばはんのなかでも一番レベルの低い種を見させていただいた春の夕でした。
 あんたのことだっせ、豊中から千里中央行きの阪急バス、桜井谷停留所で降りたおばはん。

4月9日/夜更かし

 年のせいか、あるいは寝ている部屋が朝早くから明るくなるためか、ともかく目覚めが早くてかなわんのです。毎朝眠いなあと思いながら起きてきて、うむ今夜は早く寝ようと決意するのですが、しかし夜になりますとズルズルと起きています。
 ネットがらみの作業を落ち着いてするためには、テレホーダイ(*1)の時間帯がけっこう重要ですし、夕食からケジメなく続けているアルコール摂取が夜間のテンションを上げているのかもしれません。
 もともと夜更かしのクセはハイティーンのころからのものですから、いまさらこのリズムを変えることは無理でしょう。願わくば朝寝できるときにはゆっくり寝ていたいということであります。

(*1)指定した2ヶ所への電話については、午後11時から午前8時までなら何度かけても何時間かけても定額という NTTの制度。

4月10日/ピンクの地面

 残念なことに今年の桜は雨でだいなしになりました。雨があがって、雨で散った花びらが地面にびっしりと落ちていて、しかも雨に流されてピンクに光っていました。
 咲いているときはほとんど白く見える染井吉野の花は、散って地面に積もるとすこし赤みがかかります。駅前で降りたバスから駅まで歩く途中にある公園の地面も、桜の木の下はピンクに色づいていました。そして、いつものようにその横で早起きのお年よりたちが元気にゲートボ ールをしていました。
 ことしの桜もすんでしまいましたかねえ。

4月11日/生命力

 なんだかすごいなあと思います。
 二日ぶりにベランダの植物たちをじっくりと見に懐中電灯を持って出たのです。正月に花を楽しませてくれた梅は、あっというまに葉っぱでくるまれていますし、そのときにいっしょに植えられていたけど、春先に分けた福寿草からズズーィと芽が出たりもしています。
 もうだめかなと八割あきらめていたローズマリーがなぜか青くなってくるし、寄せ植えの鉢は一回り大きくなってしまいました。
 この季節、植物の生命力には毎年感激してしまうわけで、それを見るたびに元気が注入されるような気がします。転居して庭がなくなってすこし悲しかったのですが、ベランダのガーデニングはそれなりに私たちに活力を与えてくれるような気が、春になってしてきました。

4月12日/不思議な偶然

 診察をしていますと、しばしば不思議な偶然を経験します。
 頭痛の患者さんがおいでになるときは頭痛ばかりが続き、眩暈のときは眩暈、というような調子です。ご同業はおそらく同じようなことを感じておられるのかもしれません。
 今夜は当直をしていますが、午後8時すぎから事故や自転車の転倒などで、重症ではないが念のためレントゲンが必要という程度の外傷患者さんがずっと続きました。いまの時期、また風邪がはやっているようなので、おそらく風風邪の患者さんが多いだろうと思っていたのですが、風邪はいまのところ一件もありません。
 べつにどうということはありませんが、不思議なことです。

4月13日/Yesterday Once More

 土曜日の当直というのはそれほど嫌いではありません。それ以外の当直では、「明け」というのがありませんから、夕方まで仕事を続けなければなりませんが、土曜当直は翌日適当に帰ることができて、いわゆる「直明け」気分を味わえるからです。
 今日がちょうどそういう日でした。もっとも、帰宅したらもう正午前ではありましたが…。しかし、風呂に入って風呂ラジオをタッキーエフエム(箕面市のコミュニティFM局)に合わせたら、なつかしい音楽がかかっていました。
 湯船に浸かりながら聞く「イエスタデイ・ワンス・モア」(カーペンターズ)、続いてかかったのが「マサチューセッツ」(ビー・ジーズ)。いやはやほんとに yesterday once moreちゅう気分の春の休日。

4月14日/Mission Impossible

 ずっと「貸し出し中」で借りることができなかった「ミッション・インポッシブル」をようやく見ることができました。「スパイ大作戦」のあのなつかしいテーマ曲が流れてきただけで興奮してしまいました。
 この映画の、ひねりにひねったワルもんエエもん構造のややこしさに目を白黒させつつ、しかし楽しませてもらいました。ただ、あー、大俳優ではありますが、、トム・クルーズって人、なんとなくイメージがぴったりきません。それほどすごい二枚目というわけでもないし。
 しかしまあ、こうやって見たい映画を夕食をとりつつ楽しめるというのは、それはそれで嬉しいことではあります。もっとも、こんなんでいいのかという疑問もないわけではなかったりしますね、なんとなく。

4月15日/今年の桜は楽しめなかった

 満を持して有給休暇をとっていたのですね、今日は。いろいろと情報を総合して、自分とパートナーの仕事の都合なども考慮して、一ヶ月以上前から決めていたのです。それだけ入れこんでいたのですわ。
 別に指定席でなくてもいいのですが、舞台装置のつもりで特急券も前売りで確保していました、往復とも。
 桜といえば吉野、20年近く前に吉野の近くで勤務していたころ以来の、花どきの吉野行きだったのですが、うーんと、今年の桜は、私にとって最後までペケになってしまいました。花曇りといえば聞こえはいいが、ボーーッとした曇り空、そして吉野に着いてワシワシと上千本まで歩いていったのに(新聞では満開マークだったのに)すでに盛りを過ぎて葉桜になりかけた木ばかり。けっきょくは「新緑」の山を歩いたという気分だけでした。
 そのうえ、これは予想もしていたし、しかたのないことではありますが、ともかく人が多い。中千本から下千本の間の道はほとんど心斎橋筋状態でありました。
 今年の桜は楽しめなかったなあ。




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