駄理雑言 '97/1月上旬



伊吹のラーメン/1月1日

 まあ元旦からなんともセコい話題で恐れ入ります。
 名神高速で東に走るとき、ほぼ決まって伊吹サービスエリアでラーメンを食べます。ここのは「伊吹のラーメン」といって一部ではなかなか有名なのです。味がとんでもなく旨い、ということもないのですが、まず値段が\380と安い。そして、トッピングテーブルというのがあって、モヤシ、ホウレンソウ、メンマ、おろしニンニク、トウバンジャン、ワカメ、その他数種類が入れ放題なんです。私のような貧乏症の者は、あれもこれもといろいろ入れてしまって、もちろん元もとの具もありますから、これを食べますともう腹いっぱいになってしまいます。
 おにぎり買ってトッピングをおかずにできそうですが、さすがにそれを実行する勇気のある人は見たことはありません。
 あー、下り線側のラーメンにはそういうサービスはありませんので為念。

高速道路/1月2日

 元旦と今日とで高速道路を含めて約 500kmほど車を運転しました。ほぼ車なしの生活を始めてから2年を越え、ひさしぶりの長距離です。昨年秋にパートナーの車を新しくして、その車にとっても初の遠出になりました。まだ距離を乗っていませんので、馴らしの意味もあって経済速度維持、もっとも私は最近、とんと飛ばさなくなっています。
 高速道路はそれほど混んでおらず快適に走ってきましたが、そこで感じたのは、空いていれば空いているでみなさんの運転の激しいこと。昔の標語ではないが「そんなに急いでどこへ行くの」と思えます。空いているので、ずっと80〜90kmくらいの速度で走っていても充分早く目的地に着きました。あのような激しい運転をしていると疲れるだろうになあと人ごとながら心配してあげたことです。
 正月でトラックが少ないぶん、後ろから煽られる恐怖は減っていますが、しかしその代わりにいかつい図体のRV車の乱暴な運転には何度かヒヤリとさせられました。
 ま、私も以前はけっこう乱暴だったのかもしれませんが…。

性癖/1月3日

 自宅のパソコンのハードディスクが完全にクラッシュしてしまい、復旧不可能になったため、家にいても残り仕事もできなくなってしまいました。パートナーはもう今日から勤務に行ってしまいましたし、ぼーっとしているのも落ち着きません。難儀な性癖です。せっかく寝正月ができるのに…。
 このごろは正月も3日くらいになりますと、ほとんどの大きな店が営業しています。それで用もないのにバスに乗って近くの大型スーパーや家電量販店をうろついてきました。幸か不幸か衝動買いしたくなるようなものはなかったのでしたが、それでも細かいものをなんとなく買って帰りました。
 ほんとに困った性癖です。

御用始め/1月4日

 私の職場は毎年1月4日が御用始めです。
 朝、まだ休日ダイヤで走っているバスに乗りましたら、乗客は私ひとり。途中の停留所でかろうじて乗ってくる人があって、駅前に着いたら私以外に3人でした。電車もガラガラ、店舗などの一部は開いているとはいえ、役所や会社が本格的に始まらないうちは通勤もこの程度なのですね。
 今年は今日が土曜日なのでちょっと得をした気分です。でも正月の間にたまった用件を午前中だけで片付けるのはなかなかたいへんでした。人に聞くところでは、一般企業では御用始めというのは出てきて挨拶を交わしてシャンシャンで終わり、というの多いようです。そういう御用始めも味わってみたいもんですが…。

氷雨/1月5日

 両親と私の日程が合わなかったので、今日になってようやく両親宅に年始に行きました。
 途中、梅田にあるパソコンショップへ立ち寄って、家の端末の復旧のための必要物件を購入、今回のクラッシュの痛い経験から、安くなっている ZIPドライブを思わず買いそうになりましたが、それよりも復旧が先決ということで辛うじて思いとどまりました。その迷いのために店でかなり時間を浪費 ^^;
 両親宅の最寄り駅に着いたら、みぞれのような氷雨が本降りになってしまっていました。もちろん傘は持っておらず。
 正月早々にパソコンは壊れるわ、雨に濡れるわ、うーんちょっとイヤな感じです。

1月6日/酒は飲むべし飲まれるべからず

 今年最初の当直勤務です。同時に、昨年末からずっと続けて酒気を帯びてきたものの一休みになります。当直が休肝日というのもなんだか人頼りで情けない話ではありますが、ま、休む日がないよりはマシでしょう。
 ほんとうならば週に二日は休肝日としたいところですが、禁煙に成功し、減量も達成したという、ある程度は自己管理意思が強いはずの私、どうもアルコールに関してだけは調子がよくありません。もっとも「明るいうちは原則として飲まない」というルールは守っていけていますから、依存症とまではいっていないはずだと、本人は思っております。
 旨いもんなぁ、お酒。

1月7日/七草粥は健康のためのものですよね

 ネタ切れのテレビニュースのような工夫のなんもないタイトルである ^^;
 七草粥の朝は当直明けだったので、毎年いちおう食している粥、今年は順延ということになりました。8日もパートナーが夜勤明けなので揃わず、9日の朝食がそれになる予定です。
 子どものころ、そして若いころは、この非常に淡白な粥は苦痛でした。しかし今になって考えてみますと、塩分がほとんどなく、生に近い野菜が入っている七草粥はかなりヘルシーなものだということを実感します。と同時に、いまの私の嗜好からいいますとたいへん旨い、週に何度かは食べたいくらいです。
 最近はこの時期「七草セット」がスーパーで売られていたりして、美しい緑の七草を簡単に手に入れることができます。で、しかし、あまりに美しい七草を見ていますと、商品として出荷するためにまた何か細工された野菜、草なのではないかなどと疑ってしまいます。往診先の農家で自家用に作った作物の見栄えを見る機会が多いだけによけいに感じるのでした。
 健康のために食する七草粥に対する悲しい感想であります。

1月8日/新年そうそう酔っ払ってしもうた

 医と社会のフォーラムのオフライン・ミーティングを梅田のビアホールでやりました。
 すごくお強いかたが約二名おられまして、話も盛り上がったためにグイグイとビールを消費してしまいまして、いったいどれだけ飲んだのやら不明 ^^;
 ある時点からすっかり酔っ払ってしまって、記憶が断片になっています。たまたま家の近くのかたもごいっしょだったのでちゃんと帰宅していましたが、ひとりだと前のマンションに帰っていたかもしれません。
 こういう酔いかた、しばらくなかったのですが気をつけねば… ^^; ^^;

1月9日/ホームページ

 ネットで旧知、しかし先方がニフティから離れておられるためにちょっと疎遠になっているかたからE-mailが届き、私のホームページに偶然たどりついたのだとのこと。これまで何度かホームページを見たというかたからの反応をいただいていたものの、今回はほんとにあんな安物の(笑)ホームページでも置いていてよかったと思いました。
 そうしてそのかたにもホームページがあるとのことで、さっそくお邪魔しにいったら、そこでまたまた旧知のかたの消息を発見。みなさん東京のかたですから東京ではそれなりに連絡がついていたようなのですが、やはり地理的条件は普通だったら障害になるところ。
 インターネットはこういう個人の繋がりにもいいもんです。

1月10日/鯖と蕁麻疹、煙草と命がけ

 帰りに駅前の百貨店に立ち寄りましたら旨そうな松前鮨を売っていました。いかにも脂の乗っていそうなぶ厚い身の鯖がおいでおいでしています。お安くはないのですが、つい買ってしまいました。すぐ横に「関鯖」の松前もありまして、これにはもっと食指が動きそうになりましたけれども、さすがに一本2500円にはびびってしまったのでした。
 私は鯖をはじめとする、いわゆる「背の青い魚」が大の好物です。ところが、体調によったり物によってはアレルギーを起こして激しい蕁麻疹(じんましん)になることがあります。それも、喉の粘膜まで腫れるほどの、ちょっと危険な蕁麻疹。
 大阪のお正月料理には鯖のキズシ(酢で締めた鯖)がつきもので、もちろん私は好きですからいくらでも欲しいのですが、じつはキズシや松前鮨などのボリウムのある鯖を食べるときには、そういうわけでちょっと警戒しながらになるのです。「いまここで激しい蕁麻疹が出てもすぐに治療にかかれるか」と、つい考えて行動してしまうわけです。なんだか命がけなんですな :-)
 しかし、最近は蕁麻疹の頻度がきわだって減って、というよりほとんど出ることがなくなりました。相変わらず鯖に手を出すときの警戒は、これはもう身についてしまった癖のようなものでどうしようもないのですが、じっさいにはここ数年はあわてて病院に走ったことはありません。んーでなんで最近あまり出ないのかなーとよくよく思い返してみますと、それはおそらく喫煙をやめたからではないかと…。

1月11日/石切さん

 大阪ではご存じのかたが多いと思いますが、石切さん(石切劔箭神社)にお参りしてきました。だいたい年に一度はお参りしています。病を癒す霊験があるとされている神様です。
 というとなんだか「神頼み」のようですけれど、石切さんに参る理由はもうひとつあります。それは、参道沿いのいろいろなお店を覗く愉しみなんです。食べ物や雑貨や骨董などのお店が雑然と並んでいて、その雰囲気がすごくいい。間にいろいろな神様や占いが軒を連ねているのも独特の雰囲気です。そういえば、この石切さんのある生駒山麓には、じつにさまざまな神様や修験者やご神体が密集していて、知る人ぞ知る霊感ゾーン :-)でもあります。
 石切さんは「お百度」のメッカでもありまして、今日もおおぜいの人たちがお百度を踏んでおられました。私は不遜にも信仰心はいまいちでありますから、ふと本殿に向かって二拍手一礼をしただけでソソクサと退散したことでありました。
 本当は、酒気をなるべく少なくしますと願をかけるつもりだったのですが…(と毎年考えながらすでに数十年か)。

1月12日/衣類乾燥機と原発

 こんどのマンションではいろいろの条件や制約があって、洗濯物を干すのに苦労しています。せっかく英国調で統一しようとしているリビングに、ハンガーで干し物が吊られていては、なんぼなんでもちょっと興醒めです。
 で、とうとう究極のズボラツールのような衣類乾燥機を買ってしまいました。今夜初めて使いましたが、これはたいへん便利なものです。私の家のように日中にほとんど無人の家では必需品といえるかもしれません。
 鳴呼、それにしても今度のマンションに来てからというもの、寒さがきつくてエアコンつけるわ、ガスは作り付けしかとれないので電磁調理器を買うわ、やさしい光は白熱灯だとばかりにほとんど蛍光灯を排除するわ、作り付けの食器乾燥機があるわ、そのうえ衣類乾燥機まで買ってしまったので、うーん、電気を使い過ぎてるようにも思いました。
 電気を使うだけ使っていて、うーん、原発には反対する、と言ってもなんだか説得力がないでしょうかね。

1月13日/静かな町

 この町に引っ越してきてからまもなく一ヶ月になります。前の町には十年以上住んでいて、もうほとんど町に同化してましたから、こちらではまだなかなか馴染めないでおります。
 午後10時少し前に「寒行」のかたたちの太鼓の音が聞こえ、午後10時半ごろには録音したチャルメラの音をスピーカーで流しつつラーメン屋さんが来ます。その後はひたすら静かです。前の家は、大阪の大動脈のひとつである新御堂筋に近かったので、パトカーのサイレンや救急車の警報が毎晩のように聞こえたのでしたが、こちらではほとんど聞くこともありません。
 忙しくてまだ町内の把握のための町歩きをする余裕もありませんし、少し北へ行けば五月山/箕面の山へすぐ入れるのに、そちらもバスから眺めるばかりです。ちょっとうずうずしつつありますが、時間ができるまで辛抱するしかないようです。
 静かな町、いまの私は気に入ってます。

1月14日/わしらの仕事は守秘が基本なのだ

 日記を書いていて年に何度かなにも書けないときがあります。いや、書きたいことがあるのに、それはこういうパブリックな場では書いてはいけないというような内容のものだったりします。
 たとえば、私の仕事に関連したことでは、いろいろと興味深いことがあります。でも、ことは患者さん(およびその周囲)のプライバシーに関わるので、書けません。個人を特定できないようにすればいいではないかということを聞きますが、それはまず無理でしょう。名前を伏せても、地域ではすぐに特定できてしまいます。
 えと、そういうわけで、けっこう売れ筋らしい「医者が患者さんのことなどについて書いた本」については、私はけっこう批判的だったりします。自分の仕事で知り得た事情などを、おもしろおかしく、あるいは、お涙ちょうだい、で書きなぐることは、法的にはともかく、道義的に私には許容できなかったりしますのです。

1月15日/成人の日

 日直当直勤務をしています。
 それでよく考えてみますと、私は昨年も一昨年もこの日に当直をしています。なぜそんなによく覚えているのかといいますと、一昨年はこの日と翌16日が連休、で、16日に明けで帰宅し、その翌日の朝に震災になったわけです。震災の朝7時ごろに病院にかけつけますと、前日の朝私が仮眠していたソファがみごとに本がぎっしり入ったスチールロッカーの下敷きになっていました。一日違っていたら無事ではすまなかったと背筋が寒くなりました。
 というようなことを昨年当直しながら思い出していたということを、今日思い出したのでした。あれからもう2年。




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