日々雑談 '96/12月下旬



12月16日/地道な聞き込み

 食事を終えてテレビを見ながらちびちびとやっていますと玄関のチャイム。こんな時刻の訪問者ってロクなもんではないなあ、と思いつつインターフォンをとりますと「夜分恐れ入ります、捜査一課の者です」という女性の声。げげげげ、ワシは何にも捜査一課の世話にならなあかんようなことはしてないよぉ、と恐れつつドアを開けました。
 その女性捜査員は聞き込みに回っておられたのでした。

|10月1日/タクシー強盗
|
| 昨夜、となり町、といってもほんの数百メートル離れたところでタクシー
|強盗があって、運転手さんはスタンガンで撃たれたうえに刃物で胸を刺され
|て重体だそうです。
| 大阪駅付近から乗って「箕面の船場」と言った40歳代の男って、まるきり
|私のパターンではないか(前日には私がそうやって帰宅したのだ)。
| それにしても、昨夜は疲れがあって早く寝たのですが、それだけの事件が
|あれば騒々しかった筈。超野次馬人間の私が気付かなかったとは、ひどく熟
|睡してしまっていたのでしょうね。

この事件のことでした。
 これについてはパソコン通信の公開日記にも書いたからよく覚えていますから、不審なことを目撃したりの記憶はありません、と答えましたら、その女性、自分もニフティには入っています、GOコマンドはどこですか、てな話になりまして、聞き込みがいつのまにかネット談義の長話になつてしまいました。
 それにしても雨模様ぎみの師走の夜、ごくろうなことです。

12月17日/ライトアップ…

 毎年この時期になりますと、玄関先や庭の樹に小さなライトを灯したライトアップをしたお宅をしばしば見かけます。昨夜はそのうえに門のところにサンタクロースの大きな人形を照らしだしたお宅もみかけます。
 一宗教の行事なのに…などという堅いことも分からないではないのですが、でも寒い夜のライトアップにはなんとなく暖かい気分が漂ってきます。震災から立ち上がろうとしている神戸でも「ルミナリエ」というライトアップが話題になっています。
 原発反対の私としては、ライトアップは「無駄遣い」やなあと思いつつ、でもヒトの生活にはそれなりの「余裕」「無駄」というものも必要なのではないかと思ったりするのでありました。

12月18日/ほか弁

 めったに食べないのですが、今夜は諸般の事情でいわゆる「ほか弁」でした。なるべく脂っこくないもの、というのを買ったつもりでしたが、食べてみるとやはり脂肪気がかなり多い。ま、これが今の日本の平均なのでしょう。
 いまの私たちの食生活では、この弁当、おかずをぜんぶ食べることはできませんでした。うーん。

12月19日/引っ越ししました

 今日、引っ越ししました。車で15分ほどの距離とはいえ、家財をごっそりと移動させるのですから手間はかわりません。前の家には10年以上住んでいましたから、その荷物も埃と同じようにすごいことになっているのを実感。それにしてもなんと不要なものをため込んでいることでしょう。
 こんどのマンションは少し狭くなるので、よけいに荷物のシェイプアップをしておく必要があるのですが、それでも引っ越し屋さんが驚くほどのボリウムだったようで…。
 あー、足腰肩腕がだるい。

12月20日/引っ越しの続き

 引き続いて荷物の山の間で暮らしています。引っ越し当日しか休めなかったので、夕食のあとにごそごそとかたづけをするしかなく、整理は遅々として進みません。自宅からのアクセスも、デスクトップ機の整備(というより置き場所の確保)がまだなので、コードを引き回してリブレットでやっています。画像をいじれないのがじれったい。
 明日は当直ですが、連休は休めます。そのときに端末の整備をして、ともかく落ち着きたいと思っているのですが、さて。

12月21日/通勤

 家を引っ越して、ですから当然のことながら通勤経路が変わりました。
 いちばんショーカットのルートではバスの途中に一ヶ所と、バス停から駅までの途中に一ヶ所、運動場つきの公園があります。今朝見ますとその二ヶ所とも、お年寄りが集まってゲートボールの準備をしていました。朝まだ早くけっこう寒いのに頑張っておられます(血圧はだいじょうぶだろうか)。
 こんどの家からの通勤ルートは、それほどの回り道でない状況で 3種類あります。ショートカットのものがいちばんバスが少なく、いちばん回り道の経路のバスがたくさん走っています。気分によって選ぶことができるのが楽しみです。ちなみに運賃はどのルートも同じ。
 デジカメが手放せないかもしれません。

12月22日/新しい町の興奮

 ほとんど眠る時間のなかったハードな当直でしたが、明けが連休だということで気分的に楽なせいか、帰宅して朝食もそうそうに部屋のかたづけに没頭していました。午後遅くにパートナーが勤務に出かけてから、まだ馴染みの薄い町の探険をかねて駅前方面をうろついてきました。
 日本全国個性のない町作りになっているといわれてはいるものの、やはりそれぞれの町の違いはあるもので、前の住まいとはほんの隣り町なのにかなり雰囲気は違っています。こちらは「町」としての歴史の深さがありそうに感じました。
 目新しい町で、またしばらく私の好きな「町歩き」ほ楽しめそうです。
 あ、でも、さすがに眠い。 12月23日/また引っ越し話 ^^;  ようやく、荷物をどけないと寝る場所を確保できないという状況はなくなりました。でも納戸にする予定の部屋はまだ大量のダンボール箱が積み上げられたままになっています。今日は朝からずっと荷物整理をしていましたが、ワッサワッサと梱包を開いていればいい時期が過ぎまして、個々の細かいことを考えなければならなくっていまして、体力勝負だけでは対応しきれなくなってきました。
 明日はまた当直ですから何もできない。その後は28日のご用納めまでアフターファイブを含めてずっと予定が詰まっています。なんとか正月までに落ち着きたいのですが…。

12月24日/今年もあと一週間

 クリスマスイブという日に縁がなくなってからだいぶ長くたちます。それで、というわけでもないのですが、今夜も当直をしています。押し詰まってきてなぜかたいへん忙しく、ほぼ満床になっていまして、救急車を断らなければならない事態になりました。暮れのうちに退院なさるかたがおおぜいおられるのがいつものことなので、年末年始の休み前にはまたベッドは空くとは思いますが、なんだかとても窮屈な気分で勤務している年の瀬であります。
 来週の火曜日はもう大晦日だということになりますから、今年もあと一週間。

12月25日/再生可能品

 前に住んでいた市のクリーンセンター(ゴミ処理の施設)は北部の山の中にありました。そしてそこには「リサイクルセンター」というのがありまして、再生可能なものを集め、専従の係の人が修理したり、あるいは市民が思い思いにいじってリサイクルすることができます。
 引っ越しに伴ってたくさんの不要品が出たので、まだなんらかの利用ができそうなものをそのリサイクルセンターに持っていきました。係のおじさんはたいへん親切です。
 リサイクルショップでなにがしかの対価を得ようと思ったこともありしたが、いや、ふつうなら粗大ゴミにしかならないものたち、一時的にでも再利用の機会のある舞台にあげてやることができたのは幸いだったと、せめて思っています。

12月26日/年賀状作成ソフト

 私が原則として年賀状を出さないことはいままでにほうぼうで広言してきましたが、賀状廃止を家族にも強要する気は、もちろんありません。で、元日配達は完全に無理だと思われる今日になって、娘がパソコンで年賀状を作りたいと言ってきました。
 そこで、年賀状のためというより、住所録の整理や仕事上のハガキ作成のために購入してあった年賀状ソフトを起動、まだほとんどいじっていないために使いかたがほとんど分からないまま、娘に教えなければならないことになりました。
 こんなことで間にあうのかと思いつつ、あーだこーだと言っているうち、娘はもうどんどん使いこなすようになってしまいました。若いヤツはこういうことの飲み込みが早い。
 このソフトに関しては、もう彼女のほうが優位であります。

12月27日/Do It Yourself

 引っ越し後のかたづけ作業がまだまだ続きます。
 大きな荷物の整理がほぼ終わり、細かい整理にかかるようになって、家具のたてつけの修繕や電気関係の整理の必要が多くなってきました。ふつうのお宅よりは多く持っていると思われる工具類が活躍しています。
 夕食後にそういう仕事をして一段落したころに、夜鳴き蕎麦のチャルメラが窓の外を通るのが最近のリズムになりました。
 なんとか年内に落ち着かせたいものです。

12月28日/御用納め

 私の職場の年末年始休みは12月30日から1月3日までですが、今年は12月29日が日曜日なのでいつもより1日休日が増えます。しかも、いわゆる御用納めが土曜日になりましたから、今日はほんとうに久しぶりに公務員医者をしていたころの、御用納めの日はほとんど半ドン、というのを思い出しました。
 で、しかし、よく考えてみますと、お役所をはじめとする週休2日制の組織はもう今日から年末年始休みなのです。しかもっ、1月4日も土曜日ですから、な、なんと9日間の休みです。
 ところで、話は変わりますが、新しい車のタイヤチェーンを買うために宵に近所の大手車用品ショップに出かけました。品物を決めかねていますと、店員さんが約一名。車の種類でチェックしなければと、年末で大忙しのわりにはちゃんと対応していただきました。年末年始お店の休みを尋ねますと「ないっ!?」ということらしいです。来年は元旦営業のスーパーも増えるようですし、一部の宅配便も営業するようです。『ずいっと休める人』と『休みのない人』の格差がますますできてきました。
 私はといえば、今年も年末年始当直はナシですみました。もつとも、在宅の患者さんへの対応はいつも通りではありますが。

12月29日/近鉄大阪線伊賀神戸駅

 所要があって三重に行ってきました。交通機関はなつかしの近鉄特急。
 名張(なばり)駅を過ぎて伊賀神戸(いがかんべ)駅に近づいてきますと、かつて大阪線に絡みつくように走っていた路線の線路跡が見えるところがあります。このあたりは大阪から約1時間の圏内ですから、ここのところ宅地開発が盛んであり、いつこの線路跡が消えてもおかしくないので、ここを通るたびに残っているか確認しているのです。現に同じ路線の名張寄りはほとんど痕跡がなくなりかけています。で、今日のところは残っていました。
 伊賀神戸駅は、その廃止された路線のもともとの本体である伊賀線の乗り換え駅です。標準軌*1) の大阪線の途中にぽつんと取り残された狭軌*2) 路線の伊賀線は、ここから田園風景のなかをのんびりとJR関西線の伊賀上野まで走っています。かつては近鉄の古い狭軌車輌がここに集まっていました。信貴山急行電鉄などという幻のような鉄道の生き残り車輌を撮影するためにしばしば通っていたものです。高校生のころでした。
 廃止路線の線路跡が無事だったのと同様、伊賀神戸駅の回りもその頃の時間のまま止まっているように見えます。
 通過ばかりではなく、いちどまた降りてみなければ…。
    *1) 標準軌…レールの幅が1435mmの線路。新幹線も同じ。
    *2) 狭軌…標準軌より狭い幅の線路をいうが、伊賀線は1067mm。JR在来線も同じ。

12月30日/歳末

 この押し迫った時期だというのにちょっとしたパーティがありまして、大阪の繁華街の真っただ中のホテルに出かけてきました。
 家から近くの駅までのバスはすでに日曜祝日ダイヤで走っていますが、それでもほとんどガラガラの状態です。バス停から駅までの間にある古い商店街は、これはもう対照的にたいへんな混雑。とくにおせち料理の材料を売る店や餅屋さん、花屋さんなどの店先はもう大混乱でありました。こんなにギリギリになってから買い物をするのかあ、というのは正月だからといって特別なことをしない家庭の人間の無神経なのでしょうか。
 電車もいつもより空いていましたが、しかし梅田に着いてホテルへ向かう界隈はまた人出がすごい。そしてたいへん目立つのは若い人たちの多さです。ま、彼らは年末だからといって何を用意するでもなし(親――私の同世代だ――はいろいろやってるのだろうけど)、仕事や学校が休みだからゾロゾロと盛り場をうろついているのでありましょう。しかし梅田の駅前ビル地下の、ふだんはおぢさんや勤め人が多い所に入りますとみごとに人がいなくなりました。たかだか1分ほど歩くだけでのこの落差。
 そうして、大阪随一の岡場所である北新地では、花屋さんばかりが大忙しの態。飲み屋さんはおそらく29日から休みに入っているのでしょう。梅田へ遊びにきたとおぼしき人の違法駐車の車ばかりが目立つゴーストタウンと化していました。帰路にも二次会の場所はないかと新地を横断しましたが、みごとにひっそりと静まり返っていました。
 弟と居酒屋で飲んで、午後11時すぎの最終バスに間に合うように戻りました。いつもならけっこう客が多いこのバス、降りる停留所の3つほど前でとうとう乗っているのは私ひとりになってしまったのでした。こんな時期まで大阪で呑んだくれて帰ってくる、そんなヤツおらへんで、といわれそうです。

12月31日/大晦日

 年末休みになってはじめて何も予定のない日になりました。朝寝ができない私には珍しく、一年の寝不足を補うためか、昼前まで寝ていることができました(単にゆうべ呑みすぎたためだという説もあったりしますが)。
 パートナーはこのギリギリまで勤務がありますので、午後早くから今夜の食事の材料を仕入れに混雑する商店街に買いに出てきました。調子の悪いハードディスクの交換作業をこれからやって、新しい気持ちで新年を迎えようと思います。紅白歌合戦は、我が家の女性たちは楽しみにしていますが、私はちょっと失礼したい :-)
 すこし早いですが、みなさんよいお年を…。
 公開日誌4年目もなんとか続けることができました。拙い文章に毎日おつきあいくださってありがとうございました。来年どういう形にするかまだ未定で、お正月の間は書くことは書いても公開はちょっと待とうかと思っています。数日の分を見直して方針を決めることにします。




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