日々雑談 '96/9月下旬



9月16日/安売り店ではけっきょく金を遣う

 我が家の女性軍のリクエストがありまして、大阪南港の大規模セルフサービス型安売りショップ(としか言いようがありません。神戸が本拠地の某超大手スーパーマーケット系列の会員制巨大ボックスストア)に行ってきました。
 私自身も目的がありまして、眼鏡の更新。先日からの薬の常用もさることながら、歳が歳とて、もうかなり前から近くを見る苦痛がありまして、ついにというかやっとというか、遠近両用っちゅうヤツを発注したのでした。激安(ほんまかいな)でレンズ付き税込み\21630。
 その後2時間ほどかけてなんだか買いまくり、第一の目的だったステンとアルミ5層の鍋がかなり高額だったこともありますが、うーむ欲しい欲しいと思ってるカードモデムが買えるほどの出費でした。もっとも、もうまともなのがない私の靴とか、濃縮還元でないトマトジュースとか、新発売の黒ビールの缶2ダースとか、娘の通学用リーボックのスニーカーだとか(なぜか彼女の好みはナイキじゃないのね)、まあ、無駄なものはなかったと自己弁護。
 それにしても、震災後には「物にし執着しない」と決心した我が家なのに、うーむ、欲望というものは度し難いものでありますら。

9月17日/ひどいマンネリ

 いつも通勤に使う阪急電車にはずいぶん前から「ラガールカード」というプリペイドカードがあります。カードでそのまま改札を通れるので、切符を買う手間がないことが、割引なしにもかかわらずけっこうな人気のようです。このカードが今年の春から、阪神電車や大阪の地下鉄などと共通になりまして、ますます便利になりました。
 私の通勤のためのツールは、このカードと阪急バスの回数券、それに自宅近所の企業群組合が運行するバスのチケットです。
 ラガールカードは1000円から5000円までありますが、面倒なので私は5000円カードを愛用しています。今日ふと見ますと、もう三分の二くらい使ってしまっていました。カードは裏面に利用した日付時刻区間などがプリントされています。その印字を見て衝撃を受けてしまいました。「箕面 川西」「川西 箕面」がずらずらずらと並んでいるのです。要するに3000円ぶんくらい、どこへも行かずに箕面・川西能勢口間を往復だけしていたことになります。
 鳴呼、なんたるマンネリ。「箕面 川西」のときは箕面駅売店で買った朝日新聞をバサバサと読みながら、逆方向ではそのときどきの文庫本などを読みながら、活字が見えにくいの〜、などと一人でイラつきながら同じ行動をくり返してきたわけです。
 人はこ〜して歳とってゆくのね。

9月18日/ちょっと一杯

 私が自動車通勤をやめて電車バスにしたときに、いちばん恐れ、かつしないでおこうと思ったことは、帰宅途中に「ちょっと一杯」という行動に関してでした。
 なにしろ通過する駅駅にはそれなりの岡場所がありますから、自分で確固たるものを持っておかないと、おそらく簡単に毎夜毎夜飲み屋に流れそうなのであります。
 ここ2年ほど厳に戒め続けてきたのですが、今夜はふと誘惑に負けてしまいました。職場で古くから仲良くしている連中と帰り道でばったり、彼女らはこれからビールをやりにいくと言われて、うーむ、つきあうつきあうと言ったのが運のつき。
 は ははは、でもまだまだだいじょうぶなまま帰宅しております。

9月19日/スケジューラーも善し悪しだんなぁ

 私はスケジュールの管理を HP100LXというスモールコンピュータ兼PIM と、パソコンでは「セルフ・マネージャ」というシェアウエアで行なっています。始めにはパラパラと予定が入っているだけで、うーむ来月はまあまあヒマかなあと思うのですが、そのうちつぎつぎと日程が詰まっていって、けっきょくはほとんどの日に何かがあるようになってしまって悲しくなります。
 それで先月くらいからは「ここは休んだんねん」「ここは遊ぶねん」というものをまず埋めてしまうことにしました。ところが、体調や心の調子の悪いときにそれをしますと、もう休みがいっぱいになって、仕事をする日がなくなってしまいます :-)
 一定以上のイヤな予定が入ったら「あんたの心が危ないよー」ということを知らせてくれるようなスケジューラでもありませんかね。

9月20日/でも今年は台風はこなかった

 季節のとおりにきっちり台風が日本を狙っているようです。かつて知人が赴任していた南大東島は足の遅い台風にしっかりととらえられています。
 この週末の連休は、運動会や文化祭などの行事がけっこうあるようですし、私は両親と高野山へ行くことになっていますので、進路についてはかなり気になります。南海上に近づかれたりしたら、高野山ではおそらく雨がひどい。私だけならいいのですが、いかに元気とはいえ高齢の両親が同道しますから、かなり気を遣うことになりそうです。
 天気がよければきっと気持ちのよい気候なので、なんとか逸れてくれないかと思っているわけです。

9月21日/イヌと疎遠

 
 イヌのモモ(写真はモモのお荘厳)が亡くなって3ヶ月を過ぎました。明後日は百か日に当たります。直後の激しい悲しみからは家族それぞれ少し立ち直ってきたようで、やはり「時間」というのは大切なものだと思います。
 ところで、最近、道でヨソのイヌたちに会ったとき、彼らがあまりひっついてこないような気がします。別に避けられるというのではないのですが、鼻先をすりつけて匂いをかぎにくることが少ないような…。
 家にイヌがいていっしょに寝たり遊んだりしていたころは、きつと私の身体にイヌの匂いが染みついていたのでしょう。いまはそれがなくなってしまって、ヨソのイヌたちの興味をあまり引くことがなくなったのかと思えます。
 べつの意味でちょっと寂しい。


9月22日/電子地図

 近畿地方の道路地図を電子化してCD-ROMにしたものを買ってきました。元になっている道路地図はふだん使っている馴染みのものです。首都圏のものが出ていて、なかなか使いやすそうだったのですが、かといってそれを持っていてもしかたがありません。近畿圏バージョンが出るのを待っていたのです。
 で、さっそくインストールして動かしてみましたが、これはなかなか使いやすそうです。昨年、やはり全国版の電子地図を手に入れていましたが、やはりすこし縮尺が大きすぎまして実用にはちょっと…というものだったのです。こんどのは自宅の回りにある一方通行道路も載っています。
 しかし、こういうものが印刷物の道路地図とあまり変わらない価格で入手できるようになったとは、ちょっと感慨深いものがあります。

9月23日/高野山と両親の歳


お彼岸の中日の今日、昼間は両親のお供で高野山(写真は高野山奥之院)へお墓参りともろもろ、帰阪後、梅田で待ち合わせて娘と夕食を食べてきました。ふだん行動をともにすることのない相手とのデートのダブルヘッダ。
 実家にでかけて昼飯を食わせてもらっているときにはそれほど感じなかったのですが、一日お山の中を巡って見ていますと、やはりわが両親とも七十代なかばの老人です。奥ノ院の参道をぽつぽつと歩くさまは、昔のわが父母とは違いました。自分の年齢を棚に上げて、あ〜あオヤジもオフクロも歳とったなー、としみじみ感じた一日でした。
 娘とは梅田の某寿司屋さん(安い店)ではじめて二人だけで外食しました。どうやって「間」を持たそうかとちょっと悩んでいたのですが、じっさいにはなにやかやとしゃべることがあって案じたほどのこともなし。でも、彼女は帰宅したらすっと自分の部屋にひっこんでしまっているのでありました。
 あ、でも、ちょっと疲れた一日だった。

9月24日/季節限定ビール

 私が自宅で普段というか不断に飲んでいるビールは、日本酒の場合は純米酒にこだわっているのと同様、原料に「コーンスターチ」のない「麦芽・ホップ」だけの「M」というビールです。
 それはそうと、何年か前から「地域限定」とともにいわゆる「季節限定」ビールがおおはやりになっているようです。春や秋をテーマにしてパッケージングをそれらしくした、なんとなく「乗せられてんな〜」というような、銘柄のインフレ、といいますか、まあもともとのビール人から見ますとばかばかしい商魂だという、アレです。
 ですから、私はほとんどそういうのには手を出していなかったのですが、先日ふと買ってしまった季節限定もの、これは日本の量産ビールには珍しいブラウン系のものであり、かつコーンスターチを混ぜていないビールでした。これがかなり旨い。できることなら季節限定せずに販売していただきたいものだ、私はずっと買いますよ、というくらい気にいりました。
 S社といえばいろいろと酒飲みの評判を落とした前歴のある洋酒メーカーですが、私が日頃飲んでいるMといい、この、紅葉をあしらったデザインの缶の季節限定商品といい、ビール部門ではなかなかいいかもしれません。
 それとも、単なる「ビールヲタク」の酔眼評論は信用でけまへんかぁ。

9月25日/秋の花

 今日の往診は市北部からさらに北のほうの郡部を巡るものでした。車を降りるたびにほぼほとんどの場所でキンモクセイの甘い匂いがフッと漂ってきます。移動の道中では畦に真っ赤に曼珠沙華が咲いており、農家の庭先にコスモスの花が密集していました。
 能勢の脇道には栗がイガのままたくさん落ちています。栗でパンクはしないとは思いつつ、無意識にハンドルで栗を踏むのを避けてしまったりしました。
 春の花も明るくていいものですが、秋のこの時期もそれなりに楽しいものです。我が家の庭にキンモクセイがないのがちと残念。

9月26日/帰宅専用バス

 職場の宴会があって、二次会にも連れ込まれ、なんとか途中で逃げてきました。で、最寄りの駅から満員のバスに乗ってさきほど帰宅したのでありますが、この時間のバスというのはみごとに「帰宅バス」ですね。
 かなりぎっしり乗っていた乗客は停留所ごとにどんどん降車し、けつきょく私が降りたら誰も残らなくなっていました。私鉄の駅同士を連絡するバスなので、始発から終点に近いところまで乗る人は珍しいのです(そういう人は終点側から逆方向のに乗りますね)。私のように、大阪と反対側からヨタヨタと帰ってくるのは普通ではないわけです。
 でもまあ大阪からのお客が多いので高額のタクシーでなくとも帰ることができるのはありがたいことです。

9月27日/乗り換え駅地下道の怪

 飼っているスズムシはだいぶ元気がなくなってきました。でも庭では秋の虫の声が相変わらず賑やかです。
 ところで…
 通勤途中で乗り換える「石橋」という駅があります。この駅の地下連絡通路に虫がいます。この通路は私は朝しか通らないのですが、おそらく通路にある小さな排水口の中にいるのだと思える虫が、チチチチと鳴いています。
 どれだけの人たちが気づいているのか分かりませんが、なんだか不思議な気分を毎朝感じながらその通路を歩いているのです。
 これもやはり秋の虫なんでしょうね。

9月28日/週末当直

 最近は月一度程度、土曜日か休日に当直勤務をしていまして、今夜がそうです。
 昨夜もヒマだったそうですが、今夜もさきほどまでは平穏でした。そもそも急病の急患さんが少なくて、入院患者さんの重症も少ない。やはり気候がいいと健康を損なうことが少なくなるのでしょうか。
 しかしまあよくしたもので、週末の宵が更けてきますと、きっちり交通事故関係が立て続けに発生しつつあります。救急隊からの病状連絡を聞きますと、「あ、これはシートベルトしてない同士の衝突やな」などと予測できるようになります。そういう外傷の患者さんが続いて、患者さんが患者さんを呼ぶのでしょうか、一週間前から腹が痛いというおばさんまで登場。やれやれ。

9月29日/ホールの構造

 ささえあい医療人権センターCOML主催のシンポジウムに参加してきました。柳田邦男さんがゲストで、350 名あまりの参加があり、なかなか盛況であ りました。
 しかし会場にちょっと問題がありました。COMLの責任ではないのですけど…。大阪のかたならご存じの中之島「フェスティバルホール(通称フェス)」の地下にある「フェスティバル・リサイタルホール」が会場だったのですが、シンポジウムの途中から何やらドンドンという地鳴りのような音と振動が響き出したのです。
 聞きますと、フェスのほうでハードロックのコンサートがあって、リハーサルが始まったとのこと。えーっ、てなもんです。
 ホールそのものは少し古いし、フェスの真下にリサイタルホールがあるという位置関係ではありますが、それにしてもリサイタルホールはフェスの音響効果の一部なのか。こちらが「音」を重視する催しでなかったのでまだ幸いでしたが、それにしても…。
 ハードロックって、ぜんぜん別のホールにまで音を響かせるほどのボリウムを出さなければならないの? そんなんで「音」が分かるのでしょうかね。などというと年寄り扱いされるのかもしれませんが。しかし、難聴には確実になるでしょうね、あんな音量に常時さらされていたら。

9月30日/ボケたか…

 帰宅途中でいろいろと買い物をして手荷物が増えたうえに、電車の中吊広告に気を奪われていたまま、みごとに傘を車内に忘れてしまいました。乗り換えしようとして気がついたのですが、これまたタイミングよく電車の扉が閉まってしまいました。
 ここ2ヶ月ほどの間にもう3本目です。
 帰って報告してパートナーに軽蔑されました。
 これだけ雨が降っているさいちゅうでもこの体たらく。ちょっと自信を失ったのであります。




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