3Dっぽい動きを作ろう

Flash は、ベクターデータによるフラットな表現のアニメーションが得意です。
とは言っても、場合によっては3Dのような表現が必要になることもあるかもしれません。
そこで、今回はなんとなく3Dっぽく見えるような表現というものに挑戦してみたいと思います。
もちろん Flash では本格的な3Dデータを扱えるわけではないので、あくまでも「3Dっぽく」という曖昧な表現がミソです。

今回は Flash の機能紹介をするわけではなく、単なる表現手法のひとつです。
使用する機能としては、通常のモーショントゥイーンとシェイプトゥイーンの組み合わせのみです。
3Dっぽい表現は、被写体の動きの変化を、的確な2Dで捉えることがポイントとなるため、どちらかというと作画力がものをいう表現手法ということになります。

まずは、実際にどのような感じになるのか、サンプルを見てみましょう。

どの部分が3Dっぽい表現になっているのか、わかりづらくていややいやや~という人もいるかもしれないので、一応説明しておきます。
3Dっぽい表現にしている部分は全部で2箇所です。
まず1箇所目は、宇宙船が前方へ移動しているシーンで、宇宙船の角度が3Dっぽく変化していきます。
2箇所目は、宇宙人を正面から見ているシーンで、カメラが移動しているような雰囲気を出すために背景が3D空間っぽく回ります。

では、実際にどのような編集を行なったのか? というところを見ていきたいと思います。

例えば、サイコロのような立方体が、ゆっくり回転しているようなアニメーションを作るとします。
サイコロが回転している動きというのは、平面(2D)に置き換えて考えてみると、各面の大きさ(面積)がそれぞれ変化しているだけともいえます。
正面にある面が徐々に小さくなっていき、側面にある面が徐々に大きくなっていけば、サイコロが回転しているように見えるはずです。
この時、各面のかたちを、回転前のかたちから、回転後のかたちまで徐々に変化させることさえできればいいわけです。
そのために、モーショントゥイーンかシェイプトゥイーンが必要(フレームアニメーションを除く)になります。
つまり、あらかじめ各面のオブジェクトをそれぞれのレイヤーに分けておき、それぞれにモーショントゥイーンかシェイプトゥイーンを設定して、適切な変化や移動をさせることができればいいわけです。
一応、編集方法の説明としては…以上ですね。

もちろん被写体の形状によっては、3Dっぽく見せることが困難なものもあるかもしれませんが、シェイプトゥイーンをとことんまで活用すれば、いろいろなものに対応できると思います。
シェイプトゥイーンの場合は、モーションの途中の形状が、どうしても狙った形にならない場合もあるので、多少は運も関係してくるかもしれませんが、それもまたいとをかし。
キーフレームを多めに作って、とんでもない形に変化してしまわないようにうまく制御するなど、いろいろな方法を試してみてください。

最初にも書きましたが、3Dっぽい表現は、デッサン力でなんとかなる技術なのです!