イラストのシンボル化のしくみ

イラストのシンボル化とは?

Flash アニメーションを作る際に最も重要になってくるのが、イラスト素材(オブジェクト)のシンボル化です。
シンボルには「ムービークリップ」「ボタン」「グラフィック」の3種類があり、それぞれが重要な役割を果たしています。
それぞれシンボルの役割については後で説明するとして、まずはイラストをシンボルに変換する方法について説明したいと思います。

イラストをシンボルに変換するには、「選択ツール」で変換したいイラストをドラッグして選択状態にし、右クリックで表示されるメニューから「シンボルに変換」をクリックします。
「シンボルに変換」ダイアログボックスが表示されるので「ムービークリップ」「ボタン」「グラフィック」の中から変換したいシンボルを選択し、任意の名前を入力します。
この時の名前のつけ方ですが、シンボルの種類が違っても、同じ名前で登録する事は出来ないので、名前の最後にそれぞれ「m、b、g」のような記号を付けておくとわかりやすいと思います。
次に、同じダイアログボックスの中に、「基準点」を設定する項目がありますが、アニメーションを作る上では、ほとんどの場合「中心部分」をクリックしておいて問題無いと思います。
これは、拡大・縮小や回転等をする際に、イラストの中心部分が基準になるということで、一般的には最も作業しやすい位置だと思います。
設定が終わったら、最後に「OK」をクリックします。
これでシンボルへの変換は完了です。変換したイラストは「インスタンス」と呼ばれる状態になり、選択すると青い枠で囲まれます。
また、イラストがシンボルに変換されるのと同時に、「ライブラリ」の中にも登録されます。
このライブラリの中からドラッグ&ドロップでステージの上に配置すると、「インスタンス」として何個でも複製する事ができ、データサイズの節約にもなります。
同じイラストを2回以上使いまわしする場合は、必ずインスタンスに変換しましょう。

さて、それでは「ムービークリップ」「ボタン」「グラフィック」のそれぞれ異なったシンボルの役割について説明したいと思います。

ムービークリップについて

メインタイムラインのアニメーションに影響されることなく、常に動き続けるアニメーションを作る事が出来る「ミニアニメーションの入れ物」のようなものです。
タイムラインやアクションスクリプトなどの機能が制限されることもなく、メインタイムラインのアニメーションと全く同じように使うことが出来ます。
例えばメインタイムラインで、画面の中を縦横無尽に飛び回るプロペラ飛行機のアニメーションを作ったとします。
この時、飛行機をムービークリップとして登録し、シンボル内の独自のタイムラインにプロペラの回転するアニメーションを設定しておけば、どんなに飛行機が動き回ったり回転しても、常にプロペラは本来あるべき位置で回転し続けるというわけです。
ムービークリップのタイムラインの中に、他のシンボルを配置したり、アクションスクリプトで動きを制御する事も可能で、より複雑な動きのアニメーションを作ることができるというわけです。

ボタンについて

いわゆるボタンです。ボタンを押したり、マウスカーソルを重ねることによって、例えばアニメーションの再生を開始させたり、停止させたり、音をだしたり、4コマ漫画の次のコマを表示させたり、他のサイトへジャンプさせたりすることができます。
アクションスクリプトを実行させるためのスイッチとしての役割が大きいです。
「ボタン」は他のシンボルとは違う、独特のタイムラインを持っていて、「アップ」「オーバー」「ダウン」「ヒット」の4つのステータスからなっています。
通常ステージ上に配置してある状態の「アップ」
マウスカーソルを重ねた時の状態「オーバー」
クリックした時の状態「ダウン」
ボタンとして反応する範囲を指定できる「ヒット」
それぞれに違うイラストのボタンを配置しておけば、その時のマウスカーソルの状態によって、ボタンの形が変化するというわけです。
また、例えば「ダウン」のタイムラインに「ムービークリップ」を配置しておけば、ボタンを押した時に何かが動き出すといった仕掛けを作る事も出来ます。
ボタンを選択し、アクションパネルに直接アクションスクリプトを書き込めば、好きなフレームに移動させたり、メーラーを立ち上げたり、携帯サイトでは電話を掛けたりする事もでき、よりインタラクティブな仕掛けを仕込む事も出来ます。

グラフィックについて

グラフィックシンボルとして登録しておくことで、繰り返し使用するイラストを、1つ分の画像データに抑えることが出来ます。
ムービークリップと似ていますが、主に2回以上出てくる静止画やアニメーションのパーツとして使用する場合にはグラフィックとして登録しておきましょう。
ムービークリップと同様で、グラフィックの中にも独自のタイムラインがあり、アニメーションを設定する事ができます。
ただし、メインタイムラインの影響を受けてしまうため、メインタイムラインが停止した場合は、グラフィックシンボル内のアニメーションも停止します。