応用編.その3
自然の薪の注意点

火の付け方と維持

さて、火をつけよう。風下に座るのは基本。煙りの好きな人はこの限りではないが。チャッカマンなどで着火材3〜4箇所に火をつける。ただ、自然の薪の場合は細いものでもかなり水分を含んでいる場合が多い。火力を見ながらまめになるべく乾燥していて細い薪を追加してやろう。火付きが悪い場合はうちわを使って、ゆっくり空気を送ってやる。後は火の勢いで上昇気流が発生して焚火に勢いがつくはずだ。

細い木だけに火がついてなかなか太い木に火がつかない場合は、薪と薪の間に差し込むようにして焚き付け材や着火材を補充する。この時も空気が流れるように隙間を保とう。枯れ葉をいれすぎて空気を自ら遮断している煙りだらけの焚火を見たことがあるだろう。大きな煙りを出しつづけるのは初心者の証拠のようなものなのだ。

さあ、火が少し本格的になった。ここで安心してはいけない。やや太めの薪を加え火の勢いを強める。さらに太めの薪を数本乗せて、 しっかり本火になったらOK!だ。火の勢いを落とさないように、薪を補充しながら火を調整する。また、火が分散しないように、燃えている薪をまめにかまど中央に集める。自然の薪は湿気が多いから分散すると火が落ちやすくなるから要注意!枯れ枝は乾いているようでも 中心は水分を含んでいる。だから常にに燃えやすい状態を保つことが重要だ。

自然の薪はデリケート。湿った薪は要注意!

枯れ枝の場合、がんがん燃えているようで、あっという間に火が落ちてしまうことが多い。これは焚火の中心の薪が燃え尽きてしまい、その外側の太い薪の表皮部分だけが燃えている状態。湿気の多い中心部になった時に火力が足りずにあっという間に消えそうになる。焚火を注意深く見て、太い薪と置き火のあいだにまめに薪を差し込んで必要以上の空間ができないように、火のエネルギーが連続している状態を保つように気をつけよう。

湿った薪の乾燥

さてこれからが重要だ。かまどのまわりに太い薪を組んで並べる。つまり焚火の火で湿っている薪を乾燥させるのだ。
薪の全体が均一に乾くように薪のおく場所を適当にローテーションさせながら乾燥させていく。シューシューと水蒸気を枝の端から噴き出してくるはずだ。
乾いたら燃やす。燃やしながら新しい薪を乾かす、これを繰り返すだけで、湿った枝がまともな薪になってくれるのだ。

焚火の終息のさせ方

就寝の時間を読んで、薪の補給を調整しよう。燃えさしの薪をなるべくかまどの中央に集め燃えつきやすくする。自然の薪は完全に乾燥していないの黒く燃え残りやすい。でまめに火鋏で拾って積み上げ置き火状態にする。ほぼ置き火だけになったらバーベキューの鉄板などで被い空気が循環しにくくする。そのままにしておけばかってに燃え尽きる。くれぐれも風で飛ばないように!真っ白な灰ができたらあなたも焚火の鉄人だ!

後かたずけ

焚火台を使った場合は初級編に書いたとおりだが、 かまどを作った場合は、水を十分にかけて消火をする。かまどは使った石を分散して捨て解体する。完全に消火したら、火床部分をスコップで掘り 燃えのこった薪や灰をうめてきれいにならす。ほかの場所の土や枯れ草などををかけてカムフラージュ。これで後から来た人が不快な思いをしないですむ。