「ふるさと」をお聞きください。  音楽が鳴るまで少しお待ちください。

終止符

てっせんの花が 咲いたよ

うすむらさきの 大輪がたくさん たくさん

日の光に すかしてみれば

遠い日々がよみがえる

縁側で肩を並べて見たっけね

焦点のさだまらぬ義母の白濁した目にはなんと移ったのだろう

やせた姑の肩が痛々しかった

その肩を抱きながら

童謡を歌ったけど・・

きっといっしょに唄いたかったんだろうね。

口もとがかすかに動いたっけ・・

もう言葉も出なくなった おかあさん

あれから何年たつのだろう?

ことしもまた、テッセンの花には 会えたけど ・・

貴女は もう隣にはいない

ひとりで童謡を 口づさんでみようかな

争らそったこともなつかしいと思えるほど 

時が過ぎ去ったんだね〜

痴呆という病で貴女は 私を母だと慕った

私が出かける時には

「かあちゃん!いい子にしてるから早く帰って来てね」

と、必死で懇願した義母。

愛しいわが子になってしまった義母。

てっせんの紫が目にしみた晴天の日だった。

それは嫁と姑の争いの

終止符

毎年ずっとずっと

縁側で

貴女を抱いて てっせんを 見たかったのに

数年後の

てっせんの満開の日、貴女は 亡くなった




1.兎追いしかの山
  小鮒釣りしかの川
  夢は今もめぐりて
  忘れがたき故郷

2.如何にいます父母
  つつがなしや友垣
  雨に風につけても
  思い出づる故郷

3.こころざしをはたして
  いつの日にか帰らん
  山はあおきふるさと
  水は清きふるさと