☆バーチャロン小説☆
(08.10.21更新)
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・『フェイとライデンの休日』
部屋の中は二人きり。 束の間の休日。この時間は私の大好きな時間なの。 彼と私だけの、特別な時間。 彼はふかふかの絨毯の上で壁を背に本を読む。私はその隣で寝転がる。 コレがいつもの休日の過ごし方。 そしてそれが、私にとって特別大事な時間なのよ。 「ね。エルン」 エルンスト――二人で居る時だけ呼ぶ彼の名前。 「……、なんだ?」 ふふん、私が何も言わないから、本を読むのを止めて不思議そうに私を見てるわ。 適当に返事をして、エルンはまた本に目を戻す。 ……。 ね、エルン、気付いてる? 「エルン」 彼は本から目を離して、今度は直ぐに私を見るの。 「……、そうか。わかった」 不意に彼は絨毯の上に本を置くと、すっと手を伸ばして…… 「!」 ヒョイと持ち上げられて、エルンの足の上にのせられる。 「……これでいいか?」 ほんとバカ。 ……甘えたくなるじゃない。
不意に彼が私の名前を呼ぶ。 胸がどきどきする。 「な、何?」 顔を上げると、彼は私をじっと見て…… あ、あれ? 「……くくっ、どうした?」 何よ肩震わせて楽しそうに笑って! 「もうっ、今日はずっとこの上に居てやるんだから!」
誰も知らないアナタと私がいる空間。 大好き。大好きなの。
「な、何する!?」 そっちが悪いんだからね、今日はずっと邪魔してやるんだから!
ふん! ……大好き。 |