・novels−小説&SS
(09.10.31更新)


・『どーでもいい日常』

 

「ほら、トガ、写真とるぞー」
「ちぃ、めんどくせぇ」

 勝利の記念だかなんだかしらねえけど、写真を撮る事になった。
 アイツは案の定大喜び。 
 俺はしこたま機嫌が悪い。

 あのな、俺は写真が嫌いなんだっての。

「おー、リフトの位置、この辺でいいか?」
「あー。わりーなー」
「嫌がってる割に、写る角度に気を使うんだな、お前w」
「フェイの顔と胸部が一緒に写る位置に、だっけか?」
「るせぇよ。じゃねえとこいつがうるせえンだよ」
「おぉ、愛機のせいにしやがったぜ? こいつw」
「ひっでーw」

 くそ。写真はホントにキライなんだよ。
 ろくなことにならネエ。
 俺は目つきも悪いし、英雄ってツラじゃねえだろ。
 悪役じゃねえか。

「笑えよーw」
「やだね」
「鬼みてーな形相してんなよーw」
「るせー」

「んだよ、今回はお前のお陰で勝てたんだ、俺たち、感謝
してんだぜ!」
「ふはは、そうだな。感謝しやがれ」

 パシャリ。

 あ、今撮りやがったな。
 くそ、にやけちまった。
 最低だ。

「おーし、今週の機関紙の一面はこれだな!」
「やめろッ!!」
「みんなwww逃げるぞwww」
「死ねおまえら! 全員死ね!!!ww」

 くそう、だれかリフト下げろよ!
 降りれないだろ!

『……っvvvv』

 ……笑いこらえてやがるな。
 くそう、てめえがヘソ曲げないように気を使ってこの位置にしたってのに。

「もう、二度と写真なんて、とらねえからな!!!!」

 第三格納庫に、俺の声がむなしく響く。
 ……ちくしょう。







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