紀伊半島一周紀行


10/27

下宿を7:20発。長良橋北詰から堤防道路を進む。通行量が少なく、快調に南下する。
途中、安八町内でトリップメータがリセットしていないことに気付く。全行程の正確な距離が出ない。不覚…。
堤防道路を走るなか、二輪の大群と何度もすれ違う。知らない人たちだが同好の人同士、一瞬の交歓を交わす。
約1時間で桑名に到着、給油。給油中にアレコレ考え、遠回りでも東名阪に乗ることを決意して258号線を北上する。播磨のサークルKで休憩。

桑名東ICから東名阪。初めての有料高速道路。体勢を整えるのに時間がかかるが後ろに車が並んでいるので、とりあえず券をうけとってから脇へ避けて通行券をしまう。導入は名阪国道より楽(笑)。
100km/hで快適にクルーズする。回転数は6500回転。追い抜きにかかると、4バルブへ移行するのが分かる。音が大きくなる。まだまだ余裕があるようで、リニアな加速が得られる。が、しがみついてないと、飛ばされそう(^^;;
亀山本線までは早く感じる。渋滞も大したことなし。950円。はじめての料金所が本線とは...支払い後、脇に避けて以下同様。
関から伊勢道に入る。また通行券を受領して進む。
通行量は激減し、天気はうららか。気持ちいいことこのうえない。高速道の単車行がこんなに楽しいとは想像しなかった。

安濃SAで休憩。二輪用の駐輪場に入るのも初めて。
味ご飯を食べ。コーヒーを飲む。20分ほどで再び本線へ。

10時、勢和多気ICで伊勢道を降りる。1150円。
ここから延々42号線を走る。紀伊勝浦までは、池袋からの夜行バスも走る道である。バス停名に得心しながらの道行き。
熊野市までは、集落と峠道の連続。集落を抜けるまでに信号で前に出ておかないと峠道で大型車がペースを落とす。登坂車線や追い越し車線は20km〜30kmに一箇所という感覚である。
尾鷲からの峠越えでは整備不良!?の貸切バスが直前を走り、モウモウと黒煙を出す。そのまま2km超の登りトンネルを走ったのは厳しかった。

海山町では、9月にも利用したサークルKで休憩。11:50、ちょこっと食べる。

熊野市に出ると、左手に砂浜が広がる。奈良交通のバス停も横目にしつつ、海岸端で休憩する。私が到着すると同時に、いままで休憩していた125CCのカブが出発。

今回の旅行は、現在地理で教えている「海岸地形」の取材でもある。海岸段丘が成立するメカニズムを示すものや、海食崖の写真を撮る。
海のかおりが香しい。最近とみに好きである。

熊野市以南は海岸平野を走る。相変わらず速度は出ない。
七里御浜の美しさに惹かれつつも、南へと急ぐ。
新宮への入口は、熊野川。橋まで渋滞。2本の橋を使うも、需要に追いつかない。宇殿からのバイパス完成が待たれるところである。

新宮では、天然記念物「浮島の森」へ行く。泥質の地層のうえに木々が林立しており、そのまわりには池が広がる。天然記念物のわりに、池には油が浮いている...
なんだか不思議なところ。島に立ち、飛び跳ねると、水面が揺れる。
帰ろうとするころ、前述のカブが到着する。どうやら彼も単車旅行らしい。奈良ナンバーであった。

そろそろ日暮れが気になり出す。勝浦温泉を越え、まずは太地へと向かう。
その道中、「姫駅前」という看板が目に入る。紀伊姫という駅らしい。地方名の付かない「姫」駅は、多治見市にある。
太地に入る際、鋭角の交差点で左足先をこする。シフトを変えて、左へ傾けた瞬間であった。ちとびっくり。

「くじらの博物館」と「捕鯨船資料館」へ行く。
後者が趣深かった。捕鯨の際は、体内に空気を注入して逝かせるらしい。気の毒な話ではあるが、より苦しみが少ないものであったことを祈る。

再び42号線へ戻り、30km先の潮岬へ急ぐ。30kmというと相当な距離だが、このあたりではさして遠いとは感じない。

串本に16時着。陸繋砂州の様子を写真に撮るべく高台を探すもいい場所が見つからない。あきらめて潮岬へ向かう途中にナイスなポイントがあった。展望台で駐輪して、ひとしきり撮影する。

潮岬、そこは本州最南端の地。灯台の袂まで愛車を進める。
記念となるものはないが、ここより南には大海原が広がるばかりと思うと感慨ひとしおである。本来なら展望台は既に閉まっているが、未着団体があるということで入れて貰えた。
しみじみ、沈みゆく夕陽を眺める。男のロマンである(笑)。

ひとしきり哀愁を味わったあと、再び愛車の許へと戻る。すると、隣に「多治見市」ナンバーのバイクがいる。125ccだから、一般道のみで...あの峠越えを...
串本へ戻り、いよいよ西海岸へと進路をとる。とたんに通行量は激減する。串本から、給油したすさみ町江住まで、なんとノンストップであった。快適を通り越して疲れるほどの道行き。。
リアス式海岸特有の出入りの多い道を進む。地元車はノロいか異様に早いかのどちらか。適宜見分けながら安全第一で進む。
白浜町内に18時半頃到着。ここにもCALAJAがあって驚く。
紀伊田辺の入口では渋滞に遭遇。42号から別れ、駅前近くのビジネスホテルに泊まる。

駐輪後、駅前のつぼ八にてひとり祝杯。
天気予報に危機感を感じつつ、21時半、就寝。

10/28

5時に起きる。外へ出るも、まだ雨は降っていない。
ローソンでサラダとおにぎりとビニール袋を買って宿へ戻る。
ニュースを見ると、降水確率は午前午後とも80%。観念するしかない。カメラやフィルムは特に徹底した防水対策を施して準備する。
6時過ぎ、フロントに誰もいないので勝手にチェックアウトし、車庫へ。
厳重なロックを解除しアイドリングしていると、宿のおっちゃんが来る。昨夜はみかんをくれた。人のなつっこい方であった。

紀伊田辺の旧街道を抜け、42号線に出る。
言うまでもなく、まわりは地元車ばかり。やたらカッ飛ばす地元車と、制限速度以下でトロトロ行く地元車に二極分化している。速度の出入りが激しいうえ、時に後ろから煽られたのは遺憾であった。
御坊から上道へ行くことも考えたが、まだ7時だし雨も降り出していないので下道の旅を続ける。ハイカの残高を考えると、不要な利用は避けたい。
湯浅でも乗らず、海南でも乗らず、紀三井寺を通過して和歌山市内は和歌ノ浦へ。

和歌ノ浦は、思っていたようなとこではなかった...(^^;;

ちと失望をしつつ、新和歌ノ浦で体勢を立て直している時に、衝撃の事実に気付く。

紀伊田辺でアイドリングする際に引いたチョークがそのまま...なんてこったい!

動揺しつつも後悔先に立たず。和歌山城を横目に、和歌山ICへ向かう。
IC直前のスタンドで給油するも、わずか5リットル。申し訳ないが、しかしそれほど直前の燃費が延びていたのだ。90kmもチョーク引いて走ったのに...(^^;;

紀ノ川谷から一気に駆け上り、峠を越えて、大阪府へ。
阪南、泉南と過ぎ、関空へのジャンクションを通過。雨が降らないなら関空へ寄ろうとしていたものの、仕方なく通過。いずれ関空橋も走ろう。

岸和田SAで2食目をとる。迷った挙げ句、カレーライス。なんだかなぁ(笑)。
友人へ電話ののち、9:45頃、再び本線へ。

堺本線・八尾本線と、たびたび料金所を通過する。そのたびごとに、左に寄って体勢を整える儀式をするので煩雑なことこのうえない。ETCはバイクこそその恩恵を与えるものである...が端末価格とサイズが問題だ。
ちなみに、近畿道はETC未対応。そのくせ阪和道は対応済み。整備順が間違っているように思うがいかがか?
松原JCTあたりからは、しばしば乗務で通過した区間。ガイドさんたちのこと、ドライバーのこと、助役さんがたのこと、いろんな思い出が頭をよぎる。
新幹線の鳥飼車庫では300X系を見かける。700系と比べても、明らかに身長が低すぎる。カッコわる〜。
吹田JCTで名神の通行券を受領して、名神へ。さすがに通行量が多いが、流れに乗って快適な道行き。天王山もさして気にならなかった。

大津SAへ11時過ぎ頃到着。ココアで一息。甘さが疲れた体にしみわたる。
思い出にふけりつつ体を休め、再び本線へ。

本線へ戻り走ること20分ほど、栗東ICで降りることとする。信楽への乗務の、いろんなことが頭をよぎる。
8号線へ入る。ところどころ混んでいるものの、概ね60km/hで走破する。歩みが鈍ったのは、彦根市内に入ってから。どうしようもない混みようであった。
佐和山を越え、米原に近づいたあたりで雨が降り出す。紀伊田辺を出て以来、いつ雨が降り始めてもいい体勢を整えてきたが、ここでようやく活きることとなってしまった。
米原IC入口の交差点を過ぎると快調に走り出す。前を行く超大型トレーラーがコンビニ駐車場で待避してくれて以降、巡行速度が向上する。降りはじめ滑りやすかった路面も安定してきた。
思いの外早く関ヶ原を通過、荒尾近くの吉野家で遅い昼食をとることとする。

外で濡れる愛車が切ない。はやめに切り上げ、混み合う21号線で大垣市内を抜け、穂積町へ入る。
長良川を渡らず、堤防道路へ出る。この時点で、紀伊半島一周の行程はお仕舞い。ここからはただ下宿への帰路となる。
金華橋北詰から金華橋通りに入り、いつも利用している環状線沿いのスタンドで給油、馴染みのカメラ屋で現像依頼して、15時、帰宅。
着いたら雨は上がっていた。


雨の中走ったせいでトロっトロに汚れた愛車を洗車。湿度高いなかワックス掛けまですると白かぶりしそうなので上まわりは水洗いとし、下回りの一部のみ薬洗して、水分をきれいにふきとる。
全てが終わったのは17時過ぎだった。


愛車購入後、初の単独ツーリング。
紀伊半島一周という野望は達成したが、孤独との戦いであったことは否めない。
今度は友人と遠乗りしたいと思う日々であります。


ツーリングデータ

燃費など

使用区間距離使用量燃費備考
前回給油〜桑名195.0km 9.00L21.67km/L多治見往復、大野温泉往復
桑名〜すさみ町江住303.0km12.14L24.96km/L
すさみ町〜和歌山IC150.9km 5.14L29.38km/L
和歌山IC〜下宿245.7km10.33L23.79km/L


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