Emacs上の仮名漢字変換プログラムSKKでJIS X 0213 (JIS第三・第四水準)の文字を入力する方法を説明します。SKK自体に手を加え ることなく実現でき、とても簡単です。
既にEmacs上でJIS X 0213のテキストを編集できている方は、この節はとば して結構です。
EmacsでJIS X 0213を使うには以下のものが必要です。
なお、Emacs 23ではJIS X 0213が正式にサポートされるそうです。 Mule-UCSを別途インストールする必要がなくなるのでしょう。
SKKをインストールしていない方は、インストールして、付属のチュートリ アルで使い方を覚えてください。バージョンは11以降なら大丈夫だと思います。
SKK 10.59の場合、下記の設定が必要です。それ以上のバージョンの方は次 節に進んでください。
SKKがインストールされている状態で、自分の ~/.emacs
に
次の行を加えます。
(setq skk-jisyo-code 'euc-jisx0213-unix) (setq skk-code-n1-max 254) (setq skk-kcode-charset 'japanese-jisx0213-1)
JIS X 0213で追加された文字を入力するには、対応した辞書を用意する 必要があります。SKK-JISYO.JIS3_4と、もしJIS X 0213の2004年改正のEUC-JIS-2004に対 応した環境ならばSKK-JISYO.JIS2004を使うことができます。それぞれリンク先からダウン ロードしてください。これらの辞書はEUC-JISX0213 (EUC-JIS-2004) で符号化されています。
.emacs
では、下記の要領で辞書を指定します。最後の2行で
これらの辞書のありかを指定しています。ディレクトリ名を適宜変更してお使
いください。
(setq skk-search-prog-list '((skk-search-kakutei-jisyo-file skk-kakutei-jisyo 10000 t) (skk-search-jisyo-file skk-initial-search-jisyo 10000 t) (skk-search-jisyo-file skk-jisyo 0 t) (skk-search-small-dic) (skk-okuri-search) (skk-search-jisyo-file skk-large-jisyo 10000) (skk-search-server skk-aux-large-jisyo 10000) (skk-search-jisyo-file "~/skk/dic/SKK-JISYO.JIS3_4" 0 t) (skk-search-jisyo-file "~/skk/dic/SKK-JISYO.JIS2004" 0 t)))
この辞書は、JIS X 0213規格票に掲載の音訓を含んでいるほか、丸付き数 字やトランプ記号等の非漢字類も多く収めています。
辞書はSKKオープンラボで開発されていますので、コメント等はそちらに寄 せられると良いでしょう。
上記の辞書が設定されていれば、従来の (JIS第一・第二水準の漢字の) 語 彙と分け隔てなくJIS第三・第四水準漢字が変換候補に出てきます。
JIS X 0213では平仮名・片仮名もいくつか追加されています。これらを
ローマ字仮名変換で入力するための設定を用意しました。下のファイルを
自分の .skk
に追加してください。
入力方法の詳細はファイルの中身を直接ご覧ください。少々苦しいところ もあります。私が勝手に決めた入力方法であって、標準というわけではありま せん。
アイヌ語表記用の片仮名も全て入力できますが、本格的にアイヌ語を書く には、アイヌ語用のローマ字仮名変換の規則を作らないと入力しづらいと思い ます。
ファイルを見ると分かりますが、ローマ字仮名変換以外の設定も入っています。
コード入力するには、かなモードで \ キーを押します。これ で1面の文字のコード入力になります。区点番号を「24-71」のように入力すれ ばOKです。
2面の文字を入力するには、C-u \ を使います。入力する文字 集合を尋ねてきますので、japanese-jisx0213-2 と入力し、2面の 区点番号を「82-81」のように指定します。これ以後、デフォルトの文字集合 が2面になっていますので、次に1面の文字をコード入力するときはまた C-u \ で1面を指定(japanese-jisx0213-1)してやる必 要があります。
オープンラボのアー カイブにある記事を参考にいたしました。