ミセス・ウーの 中国観察記 |
今回から中国をテーマにミセス・ウーに新しいページを担当いただくことになりました。 おかげさまで、Go-21HPも国際化してきましたので皆さんどうぞご期待下さい。 世話人拝 |
<プロフィール> ミセス・ウー 返還の翌年に「突然気が向いて」香港に移住。7年間を過ごしたあと、現在は日本に帰国 し、中国系通信社の日本語訳配信で編集長を務める。 香港在住時に現地化が過ぎて 香港人男性と結婚。若い時の無計画な行動のつけとして、中国・香港から抜け出せなくな っている。 |
2008年08月24日 第23回 「オリンピックは『ピーク』なのか」 |
始まりましたねぇ、北京オリンピック。北島康介選手はじめ、各国選手の活躍に毎日
と信じていることですね。「変わる」ことの内容は、不動産市況やら為替動向やら旅
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2006年02月19日 第4回 北京便り |
ご無沙汰です、ミセス・ウーです。まずは長らく期間が開いてしまったことをお詫びしま す。みなさま、お元気でお過ごしでしたでしょうか? どうしてこんなに時間が空いてしまったかといいますと、事情がありまして…。実は、1 月に北京に引っ越してきました! とはいっても、会社の単身赴任なので寂しい話で(涙)。夫は香港にいるのでお互い往 復の生活です。 それはさておき、さっそく北京報告に移りたいと思います。 生活してみての感想は、「景気がいい!」「貧富の差が激しい!」につきます。 北京は2月現在、平均気温がマイナス10度という激寒で、町はどんより曇り空。雪でも 降れば、どんなにコートの襟を立てても寒くて仕方がありません。 しかし、そんな中でもスーパーに一歩足を踏み入れればびっくり!大型駐車場並みの スペースに、食料品はもちろん、衣類から小家電、日用品まであるわあるわ。 食品1つとってみても、南の国のドリアンから日本のククレカレー、イタリアのパスタソ ース、ワインまでぎっしり置いてあります。地元の人の主食の1つである餃子は、冷凍 物だけで具の種類別に10数種類が量り売り。 その上で目の前で作ってくれる「実演 販売」や、餃子専用粉や専用酢の販売もされています。 「穀類」コーナーだけでも、 米のほかにヒエや粟、 八宝米というナツメなどの混ぜられた健康米が並べられてい るなど、ともかく1つ1つの食品の種類が豊富。 その様子は国際都市を自負する東京 や香港で暮らした目にも壮観で、「なんて物が豊富な所なんだろう」と驚いてしまいま した。 さらに、そこで買い物をする人たちがまたすごい。 毛皮を着てサングラスをかけたご 婦人が、カートにいっぱいの食品を会員用カードで一度に1000元以上も買っていきま す(物価が安いので、100元も買い物をするとすごく買った気持ちになります)。絶対に 一人では持ちきれない量ですが、それはもちろん配達を依頼。 外に出れば、零下の 寒さに負けずミニスカートを履いた若い女性が、エルメスのバックを片手にタクシーに 乗り込んでいきます。しかし一方では、安くて有名な食堂チェーンの「成都美食」で出 稼ぎ労働者風の男性が、7元のチャーハンにしようか6元の麺にしようか悩んでいたり します。 恐るべき景気のスピードと貧富の差。日本で報じられているとおりですが、現実に目 にすると凄まじいものがありました。これだけのスピード、これだけの違いを内包しな がら、1つの国として舵取りしていくのは至難の技のはず。中国が現在、1つの国とし て機能しているのは奇跡なのかもしれません。 北京はこれから、オリンピックに向けてますます活気付くと思われます。その様子も 含め、これからも中国経済をリポートして行きたいと思います。どうぞよろしくお願い いたします。 |
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2005年07月31日 第1回 「とうとう…やったのね」 |
しょっぱなからなんですが、「とうとう来たか!」と叫んでしまいました。人民元です。 切り上げです。 珍しく、飲めない酒なぞ飲んで帰宅した7月21日夜。ネットを開けたら飛び込んできたの が切り上げのニュースでした。すぐさま記事の手配で連絡を入れ、応急措置をしたもの の、結局その夜はよく眠れず。午後8時の発表といい、米議会の夏休み入りを捉えての タイミングといい、大規模な報道を嫌ったんですねえ。その思惑通り、記者として泣かさ れた一夜でした。 切り上げについては、 かなり前から「そろそろ来るか」という予測が色んなところから出 ていました。私自身も人に聞かれると「年内に切り上がると思いますよ〜。 人民元で預 金なんか作っておくと得できるかもです」などと答えていたものです。ところが、自分の 備えはぜんぜん。一時、香港の中国銀行(中銀香港=BOCホンコン)で人民元口座を 開き、手持ちの預金を人民元に替えようと計画したことがありました。 当時、中銀香港 では1人1回当たり2万元までという制約があったのにもかかわらず、人民元への換金 が大人気。猫も杓子もという感じで、人民元ブームが起きていたのです。 しかし、私の場合は夫に相談したところ「手数料を考えるとあまり得じゃないと思う」と言 われて却下。そのうち自分で小額でも換金しとこうか、 と考えつつもそのままになって いました。というわけで、懸命に調査していた割には実入りなし。世の中、こんなものな んでしょうか。 さて、今回の切り上げ公告で気になったのが「通貨バスケットを参考にして変動相場制 を導入する」というくだりです。 「通貨バスケット」については当会会長の安井先生の授 業で聞いたことがあります。「バスケット」の中に入れた複数の主要貿易相手国通貨を 一定の割合で加重平均したものと、自国の通貨を連動させる方式のこと。 このバスケットに米ドル、ユーロ、円を組み込んだ世界統一通貨構想(DEY)があること や、その前段階としてユーロのようなアジア統一通貨の設置論があること。円はアジア 統一通貨の中心として期待されているが、歴史的経緯からアジア諸国の賛同が得られ ず実現しなさそう…というお話だったと思います。 そして、切り上げに及んでそんな背景のある「通貨バスケット」なる単語を出してきた中 国政府。…もしかして、なんか野望持ってる!? 実際、中国はこのところ、アジア諸国との自由貿易協定(FTA)を積極的に結んでいま す。20日からは東アジア諸国連合(ASEAN)との間で締結した中国‐ASEAN自由貿易 協定(ACFTA)が実施。7000品目の製品について関税が引き下げられました。 そんなことも考え合わせると、「アジアはオレが仕切ったる!」みたいな声が聞こえるよ うな気がするんですが…。 ま、あれだけの大国ですから、野望の1つや2つ持っていても不自然じゃないんですけ どね。これからの世界はどうなっていくのかーと考えさせられた事件でした。 |