クワガタジオラマ倶楽部の標本教室

 他の趣味の人から見ると信じられないのが標本です。 飼っていたペットが死んで、剥製にして「在りし日」を偲ぶ人もいますがごく稀です。クワガタはイヌ・ネコと違いご生前はあまりスキンシップがはかれません。なぜなら彼らは容赦なく噛み付くからです。泳ぎ回る金魚・熱帯魚と違い、普段木の下に潜ってる彼らは暗くないと出てきません。☆んでから初めてその姿を良く見ることができるのです。クワガタは外骨格の動物なので、形を整えて乾燥させるだけで生前とまったく変わらない姿で残すことが出来ます。もし貴方が模型が趣味であれば、はまれる事間違いなしです。その作りの精密さ・素晴らしさに驚くでしょう。飼育とは異なった楽しみがあります。一粒で二度美味しいです。クワガタのメスは同定(なんの種類か判断すること)が難しいので、どんなボロボロになったやつでも、一通り種類をそろえておくと便利です。家でオスの一番大きいやつ程無傷で死んでくれ−とか不謹慎な事を 思わず思ってしまいますが、そうゆうやつほど付節(足の先) なんかが、取れて無くなる事が多いです。当倶楽部では「ご生前の勇姿」にこだわりたいと思います。ですから不自然でなければ、違うクワガタから触角とか付節とか外して接着剤でくっつけます。また針は刺さないので、デ−タのメモを無くさないように気をつけて標本と保管しましょう。「ご生前の勇姿」にこだわると言いながらも、デ−タが無ければただのクワガタの干物になってしまいます。小学校の昆虫採集を思い出して、やってみましょう!
 


1.用意するもの

コルク板(無ければダンボ−ル)、まち針沢山、空き箱、ピンセット、木工ボンド

、瞬間接着剤、タッパ−、ティシュ、極細マジック、メモ用紙
 


2.軟化・展足

 タッパ−にお湯を入れ、標本を入れます。小型のものはぬるま湯にして下さい。浸けたままだとグニャグニャになるので、取っては確認。取っては確認しましょう。泥等で汚れているものは水を流しながらハブラシで洗って下さい。 関節が少し力を入れるとポキッとやっと曲がる堅さがちょうどいいです。大顎がなかなか開かないものが時々あります。針を大顎の間に入れ少しずつ開きます。開いたら何回か開閉させて柔らかくしましょう。どうしても開かない場合は、頭を取ってしまいます。ちょっと気持ち悪いかもしれませんが、カニだと思って下さい。同じ外骨格の動物です。カニを食べる時の要領で頭を取り外し、大顎を外します。骨格には肉が付いてきますので、ピンセットで丁寧に取り除きます。胴体だけ先に展足して、乾燥後に接着剤で頭と大顎を組立て胴体に付けます 大型種の展足はコルク板を使用します。 まち針でコルク板に足を固定し、約1ケ月乾燥させます。
 


3.修正

乾燥するにつれいろんな変化があります。こまめに見て修正しましょう。完全に固まる前の修正は重要です。柔らかすぎた場所の修正はちょうどいい柔らかさになった時に修正します。

変化1.

体がよじれる。足が浮く。

修正1.

上から押さえて修正する。どうしても駄目な場合は、まち針を外し やり直します。

変化2.

羽の合わせ目に隙間ができる・開いてしまう。

修正2.

針の先に瞬間接着剤を少しのせ、羽の合わせ目に流し込み、両脇から羽を押さえて接着します。湿度が高い日に行うと接着部分のまわりが白くなります。この場合は少量の瞬間接着剤用剥離剤を塗り、接着面が剥がれないように気をつけながら落とします。
 


4.仕上げ

洗った時にとれなかった汚れが白く目立っていたら、その部分に木工ボンドを塗ります。透明になったら剥がします。パックの要領で汚れがとれ艶が蘇ります。 乾燥すると複眼が白く変色するものがあります。気味が悪いので、極細マジックで黒く塗りましょう。
 


5.保存 ・分類

 標本の寿命は半永久と言われてますが、こまめな手入れを欠かさず行い続けた場合だけです。箱の上に綿のように埃がかぶるまでと言うのが本当の寿命でしょう。紫外線うんぬんで押入の奥に入れるよりも目につく場所に置いた方が寿命を延ばす気がします。最初から木製の高級なドイツ箱を購入し標本に針を差し入れるよりも、まずは展足し菓子箱に保存します。気密性に優れるドイツ箱は開けにく、むやみに増やすとパラゾ−ルなどの防虫剤の交換の労力が大変です。(でも優秀な職人さんが減ると困るので、買うのはバンバン買って下さい。)また標本の移動を行うとコルクやウレタンフォ−ムに穴が空くので、頻繁な入れ替えはさけたいものです。興味がある内は黙ってても標本の数がどんどん増えるものです。目的がはっきりするまで、菓子箱で寝かせます。「Dorcusを全部集めたい。」とか、「自分の採集したものにこだわる。」とか方向が見えた時に初めてドイツ箱の登場です。目的が明確になることにより分類が可能となります。当研究会流の固定のしかたは羽に穴が空くのが嫌なので沢山の細い無頭針で標本を固定してます。プラスチック樹脂で固める方法の標本も手段としてありますが、あの重さは文鎮のようです。かと言って、針を刺しラベルを付けた標本はおそ松君に出てくるチビ太が持ってるおでんのように見えます。針を刺さずに固定出来て、防虫剤の交換しないで済む標本作製方法は今のところ有りません。ガス封入とか真空にしちゃうとか革命的な標本箱が出来ないかな−とか思ってます。管理できる限界の数量を越えないよう最低限の数量に押さえる努力をしましょう。余ったものは同好の人にどんどんプレゼントしましょう。(お待ちしております。)なんてったって世界のクワガタは1200種もあります。気長に楽しみましょう。