2005上高地 XCスキーハイキング

(日程)
3月4日(金)〜6日(日)

(テーマ)
今シーズンより始めたよーちゃん、そしてクロカン初めてのしんちゃん、晴輝のNSA初参加、火器一揃いを購入し料理に燃えるメリ、試験も終わり滑りまくれるこーちゃん・・・・いつもながらわくわくで臨むメンバーだが、南岸低気圧の接近で太平洋側は大雪注意報!

(参加者)M 江畑か、熊野、和田よ、中村し、こーちゃん、晴輝くん、畠田(記)F 江畑あ、徳山、清水   以上 11名(記録)

3月4日(金)
朝、5時に起床し天候確認、予報どおり湿った雪ががんがん降っている。庭も車も真っ白だ。うーん、そもそも会社まで車で行けないかもしれない、と前夜心配していたのだが・・・・。

6時半メリからリュック持って会社行くかどうかの確認の電話あり、取りあえずクルマで会社に行くのでリュックは持ってきておくように、と指示。

クルマの雪を落として会社に向かう。激しい雪だが電車で通勤するよりもクルマの方が若干早く着いた。

大抵南岸低気圧の場合は、太平洋岸に大雪をもたらし信州や日本海側は影響が少ないのだがやはり気になる、それと東名高速は間違いなく通行止めだがぼくらは中央高速、現地はいいとしてもそもそもしるふれいまで行けるかどうかが一番心配だった。

よーちゃんはスタッドレスタイヤなのでいいが、ぼくはラバーチェーン・・・これで松本まで行くと夜が明けてしまう・・・。しるふれいまで到着できれば、もし悪天でも乗鞍の樹林帯でXCが出来るので中央高速の通行止めは是非とも回避して欲しかった。

東京はひどい雪が昼ころまで続く。心配で仕事手付かず窓の外を頻繁に見る(21F西なのである程度天気予測が可)が、そもそも雪で視界悪く観天望気もへったくれもあったもんじゃない。

しかしぼくは南岸低気圧の特性を知っているので信じていたが、ヤフーで確認する。安曇野地方の明日の予報は晴れ、中央高速チェーン規制もなし!東京のこの天候からして信じがたいがこれが南岸低気圧なのだ。実はその前週ぼくは白樺湖に康司とスキーに行ったが、晴れ、中央高速も晴れ雪なし、しかし東名は雪の為通行止めだった。とにかく気象を知ると面白い。(NSAは自然遊びなので気象を理解するとより幅がでるよ)

エバは休暇でややと晴輝と先発。昼過ぎ状況につきメール受信。甲府辺りは晴れており道路も見たとこ順調とのこと(東京未だ吹雪)。よっし一安心!これで間違いなく行ける、皆にも配信して安心させた。

19:30 全員集合で無事出発。なお、よーちゃんは康司を自宅でピックアップしてくれ途中石川PAで待ち合わせ。仲間と家が近いととても助かる。

康司にとっては天候より何より一人でそもそも丸の内まで行くことのほうが不安だった・・彼にとっては丸の内まで来れたらこのツアーは半分成功したようなもんだったのだから。

ということで、一路しるふれいに向かった。松本から先も路面には雪はなくチェーン不要。いつものセブンイレブン(じゃないと思うけどコンビニ)で風呂上り用泡を購入。

23:30 予定とおりしるふれいに到着。風呂に入って暖かいロビーで泡タイム・・・するとややが登場し迎えてくれた・・・エバはねんね。(エバは贅肉買取キャンペーンでキャッシュバックのあるフィットネスに入会し乗鞍に向けシェイプアップするそうな・・・でも今日もまた、たらふく食べて爆睡中)

3月5日(土)
6:30 起床、よし、風もなく多少ガスっているがまったく問題なし!(朝霧は晴れの前兆)ロビーで持参の朝食を食べる。

7:30 ややと晴ちゃんに見送られて出発!

8:15 リュックにスキーを括りつけ、くれぐれも釜トン脇はスノーブリッジや雪庇が出来ているから踏まぬよう注意の指示して出発。この薄気味悪い釜トンを歩けるのは今年が最後で来年は横のりっぱな新釜トンになるとのこと・・・味気ない。

前にも書いたが上高地というのはあの一方通行の釜トンをバスが喘ぐように入っていき、また釜トンで信号にかかると10分くらい待たされその間ガイドしてくれたり、タクシーでは運転手さんが写真を見せてくれたりしていたのだけど。

釜トン抜けると上昇気流でガスも上がっている。こうなると山は晴れるのだ。昨年はこのトンネル抜けたら吹雪のなかを上高地に向かった。

焼岳も最初はガスがかかって目えなかった山頂も次第に見えてきた。大正池の尻に付いたとき、穂高が見えた! 明神岳と前穂には薄いガスがかかっているが西穂から奥穂つる尾根にかけて稜線がきれいに見える。ちょうど9時だった。しかし最近のピンポイント予報はひまわり、ランドサットのお陰で本当によくあたる、予報では9時から晴れだったがぴったしだ。

大正池ホテルの前にはいつも雪崩でデブリ(雪崩末端のでこぼこ)ができているのだが、確認できなかったが今年は雪が多いのでデブリも隠れているのかもしれない。

9:30 大正池ホテル到着。ここでスキーを履く。しんは始めてのクロカンだが、ヘビーツーリング用にしたこともあるが初めてとは思えないバランスのよさ。さすがに雪国で育っただけのことはある。すーと滑走もすぐに出来た。

田代池向け、出発! 昨日降った雪が樹木に付いてとても美しい。雪景色の樹林帯に太陽が射し込み風もなく暖かい。途中、クマが靴ずれを起こしバンドエイドを貸してやった。靴は必ずゆとりを持ったサイズにしよう。特にクロカンはスキーを付けたままヒールを浮かすのでかかと部分にスキーの重さの抵抗を受けやすくちょうどのサイズにすると擦れる。また登山靴もそうだが、靴の中に雪や水が入り濡れるとすれやすくなる(山の豆知識)。

スノーシューのパーティが多いがあれは実用的だが楽しいものではない。さらに股を多少開いて歩かないとひっかかるので案外疲れる。その点スキーは歩くだけでなく滑る楽しみも加わるので絶対スキーの方がいいと思う。

もっとも山中や傾斜の急なところを歩くのが目的であればスノーシューの方がいいが、上高地や日光のようにフラットなフィールドであればXCスキーが絶対楽しい。(まあ、しんみたいに最初からクロカンうまい奴もいるけど慣れないと難儀するが、スノーシューは手軽だからね)
田代池も今年は雪が多いためクリークがかなり雪に埋まっている。

10:30 穂高橋到着。眼前に穂高が聳える。ヒマラヤひだ(稜線下部に風の影響で縦に筋が出来たもの)も出来ていて美しい。ここでいつものようにウイスキーを舐めたりチョコ食べたりの小休止。この辺りから見る穂高が一番美しい。

20分ほど休憩して梓川沿いに河童橋を目指す。コースを外れトレースのない川岸に行った。背後には焼岳が美しく風もないので白い噴煙が上がっているのがよく見えた(焼岳は活火山、これの爆発により溶岩が流れて梓川が堰き止められ大正池ができた)。自由自在に歩け滑れるこのノルディックスキーの魅力はたまらない!

バスセンターの横を通る。昨年は、霞沢岳・六百山から吹き降ろす強風でここで歩けなくなり立ち止まった。まさに地吹雪を体験した。

11:25 河童橋到着。穂高を背に記念写真をとり、対岸の川べりにあるテーブルで店を開くことにした。よーちゃんはクルマの中にショベルとタープを入れたまま持ってくるのを忘れてしまった。

まあ天気も良く風もないのでタープは不要だがショベルがないと雪の中からテーブル掘り出せないし、テーブル無ければ快適なランチのためにはやはりテーブルが欲しいが作れない・・・と思いきや、初恵さん、何とアルミのショベルを持ってきているではないか。いやーありがたい。

あっという間にテーブルの雪をどけ、ベンチに座って昼食の体勢ができた。(そのスコップいいですね、歯もアルミで雪も削れるし・・・ぼくの鉄製自衛隊スコップ(通称)や300円の子供雪遊び用ピンクのプラスチックスコップ(でも、これまっちゃんのクルマと同じくらい役に立つといわれている)とは大違い、アウトドアー度高い)

ということで、静寂の河童橋、梓川べりで昼食スタート。ぼくは持参の泡を飲むが、他の連中は忘れたと大慌て、ざまー見ろ、と思いきや初恵さんとメリは持ってきており、結局野郎から一口二口取られていた。

ところで前回の教訓が活きており、こうやってゆっくりランチがとれるとは限らないのが冬山、各人行動食(湯を沸かしたりせずそのまま食べられるもの)を準備しているが今回は不要、火器をだしてゆっくり調理にかかる。

ことの外メリは食事も各種持参してきており、イカ墨のパスタものとか各種作ってくれた。康司は生まれて初めてそのようなものを食す機会となり短い筋の入ったマカロニみたいなパスタ(ミシュランのタイヤのマスコットのような奴)を見て、「うやー、気持ちわりー、黒い芋虫食ってるみたい・・・でも、うまい!」と言っていた。

我が家は外食嫌いなので、こういうものを食べたりする機会はほとんどないのでNSAランチは特に洋物を食べるいい機会だ。しんもドイツで買ってきたにんにくの酢付けなどなど・・・・。

お腹いっぱいのしんと康司は雪だるまの製作にかかるが、これまたでかいけど不恰好な埴輪のようなものを作った。名前は、「としぞう」というらしい。確かにそんな名前がぴったしの風体だ。

また、宴席では山の話も盛り上がり、初恵さんがNSAの会則はとてもよくて特に「装備等に十分なコストをかけること」というのはいいと語り、そう、もし同じ商品でも高い方の店で買わねばならない!、と馬鹿げたことを言ったりと、静寂な河童橋を笑いに包むのであった。

その笑いが響いたのか、明神岳のクーロワール(*)でごーっ、という音を立てて雪崩が2回起きた。(*)斜面の縦にとい状にえぐれた箇所、ルンゼ(独語)や喉ともいう。

13:30 撤収。としぞうは置いてけ堀になりじっと一人で春を待つのであった・・・。
帰路は梓川東岸を下りやはりトレース外して河川敷を自由に滑走。

14:00 穂高橋到着。田代池目指して静かな森に入っていく。ちょっと開けたところで、トレースを見失い右往左往。動物のトレースがいっぱいあってこんがらがるが、霞沢岳を確認して進むとちょうど小橋手前に出てクリークを通過。

14:40 大正池ホテル河畔に到着。ここで休憩。お茶を沸かしのんびりする。大正池には鴨のツガイが仲むつまじく泳いでいる。その姿をじーと見つめる哀愁のある写真をしんに撮られた(HP公開済)。まったく油断も隙もあったもんじゃない、この会では物思いに耽ることもできない・・・・。

15:05出発
15:30 大正池の尻到着。さて、不評コース(一昨年焼岳裾梓川谷沿いに釜トン途中にでる野趣溢れるコースを取ったが雪が深くアップダウンの難所もあってメッチェンや初級者は難儀したことから不評コースと名づけた、でも一部マニア(賢ちゃん)からは楽しいとの声も聞かれた。)をとろうか通常の道路を行くか迷ったが時間がちょっと遅いことから不評コースはやめ通常コースにした。

しかし道路は工事で除雪されており釜トンまで滑っていく予定が道路中央は雪がなかった。皆スキーを脱いで歩いたが、スキーが大好きなぼくとよーちゃんと康司は道路端を最後までスキーを脱がず何とか滑っていった・・・(言うまでもないが、歩いた人の方が早かった・・)

16:00  釜トン出口、中の湯売店ト伝の湯に到着。しるふれいにTELして迎えに来てもらう。

16:40  しるふれいに無事戻る。

まずは風呂に入るがここで晴輝がメンズNSAの仲間入りを果たす。小さいモノがしっかりついており、ちょんと指ではじくとぴょこんと跳ねてなかなかいい具合だ。よしよし。

さて、湯上りの泡タイム! お昼マイ泡を忘れた野郎達は待ちに待った瞬間、ジョッキで流し込む生泡に

「うーーーっ! うまい!!」と叫んでいた(しんは余程この泡がうまかったのだろうHPでも書いていた)。マサの差し入れの北欧みやげのトナカイの肉とキャラメルを溶かし込んだチーズ、初恵さんの与那国泡盛、そして途中PAで買った馬刺しの燻製(これとトナカイの肉で馬鹿)と珍しいもの市が開かれた。

夕食を皆で楽しみ、ヤヤとエバが食事している間ぼくは晴輝を抱いてやり、しんの奴「畠田さん、おじいちゃんみたい」と言った。晴輝にその辺のものを食べさせようとしたらヤヤから怒られたので仕方なく、ただスプーンを持たせて舐めさせた。なー、晴輝、おまえだって普通のメシ食いたいよのう・・・。

それが失敗で康司は、誕生日何が食べたい? と聞いたら、豚足! と答えるような子供に育ったのかもしれない。   もっとも悪食の両親なので晴輝も同じような奴にいづれ育つだろうけど・・・・。夕食後、またロビーでごろんと皆で寛ぎ山や自然のビデオ見たり晴輝囲んでごろごろしたり・・・。テーブルコーナーでは明日ツアーに出るパーティが百瀬さんからレクチャーを受けていた。

3月6日(日)
上高地XC、しるふれいの日曜朝はいつものんびり。朝風呂入って他のパーティー皆山に出たあとゆっくり朝食をとる。今日もすがすがしいいい天気。

エバ家は帰りも電車切符あるというので松本駅まで一緒に送ってやることにした。晴れ渡った空に北アルプス北部の山々(鹿島槍双耳峰や立山もよく見える)の稜線が良く見える。安曇野の風景というのは本当にいいものだ。安曇村は松本市に併合されるという、でも安曇野という総称は残るだろう・・・・その響きの美しさよ・・・・・。

そして電車まで時間があったので、皆で松本城(深志城)を訪ねた。小笠原藩が所有していた時があり九州の出先としての機能もあったそうな・・・。ぼくも学生時代九州から北アルプス登山に来た帰り電車待ちの間何度か訪ねた(全然関係ないけど)。

ゆっくり散策を楽しみ、晴輝はエバにびびんこ(東京の方言では肩ぐるまというらしい)されて気分爽快そうなので、ぼくもメリをびびんこしてやった。小さいメリは街路で人より高い位置など滅多にないので、大そうご満悦だった・・・・。

列車時間も近くなりエバ家を松本駅まで送り、ぼくらも高速を東京へ向かった

せっかくぼくは気持ちよくうとうとしながら運転していたら、突然後ろからしんが「畠田さん、眠くないですか?」なんて声かけるもんだから、ぼくは驚いて眼が覚めてしまった、迷惑なやつだまったく・・・。
途中PAで昼食とって明るいうちに東京へ着いた。

総括

昨年は吹雪だったが低気圧の通過後風や雪も収まりほっとなでおろした安堵感で昼食をゆっくり食べることができた。この緊張感のあとの穏やかな昼食はとても嬉しかった。

そして今年は、東京が吹雪に見舞われそもそも現地へ行けないかもしれないという不安感・・・そして現地ではかってないほどの穏やかなコンディション。途中雨で金峰山の山頂に付いた瞬間の晴れとか、NSA発足山行の前夜雨翌朝晴れとか、梅雨のまっただ中の燕岳の晴れとか、藤さん還暦山行の絶対雨では困るもちつき企画の降りそうで降らなかった山行とか・・・今回も気象の神様が味方してくれました。

今年からはじめたよーちゃんやしんちゃんもクロカン大好きになり、晴輝のNSAデビューも加わってとても楽しいツアーとなったのでした・・おしまい。