第21回 全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍 参加記録
(日程)
8月26日(土)〜27日(日)
(テーマ)
今回は、初のまっちゃん・福ちゃんを含む15名のエントリーだったが、怪我等により11名の参戦となった(詳細巻末選手一覧)。また、今回新たにマシンを変えて臨んだのはメリとタッキー。そして今回練習他好調をアピールしているのはイネとエバ、鋸山でもイネは熱心な練習でタイムを登るたびに縮めている、エバは今年がMTB参戦最後ということもあり気合も十分。かつての「失意の鋸山」はどこ吹く風。頑張りどころを会得したというがへたらない走りは目を見張る。ということで各人それぞれ練習を重ねてきた成果をだすときがついにやってきた。
(参加者)
益原、稲葉、熊野、松広、江畑、平野、竹澤(非会員)、中村(真)、清水、畠田、和田、
畠田康司 の12名 (別添、選手プロフィール参照)
(記録)
8月28日(土)
6:20
ご近所エバとよーちゃんのいつもの待ち合わせの東急スイミングに集合出発。途中しんを二子玉でピックアップし調布駅でクマ車と合流。ここでシンはクマ車に乗り換え。その時マッチョの風向きのよろしくない話し声が携帯電話から聞き漏れる。「あぁ、そう、仕方ないねぇ、云々」どうやら城北レンタカー組の誰かがドタキャンか・・・。ぼくらはちょっと寂しい雰囲気となってしまうが、マッチョが、タッキーが寝坊したようで(というよりイネの電話で起きた由)、出発が遅れるようだ、と。なーんだ、と安心する。幸いタッキーとイネは家が近くレンタカー屋と二人の集合場所が近かったので大きな問題はなかったが、池袋待ちのタケとメリは少し待ったろう(こういう時ほんと携帯電話は便利というか精神的疲労といらいらを緩和する医学用具並みの効果だね)。携帯がないとき1時間待ちなどどうしていたのかねぇ、家族のいる自宅などをメッセージの中継地点にしていたりしたが一人住まいだとそれも出来ずだもんね。
ということで全員乗鞍へ向かう。城北組は関越&上信越道で、ぼくとクマ車は中央道で向かう。
いつものことだが8月最後の週末で混んでいる。八王子料金所通過までにかなり時間がかかる。チャリを積んだ車が近づくとなぜか闘争心が沸き既に乗鞍はこの高速道路から始まっているのだ。なんとなく自分よりいいチャリを積んでいるのを見るとさらに負けん気が強くなり速度を上げてしまうのだ。ぼくのクルマにはエバ・よー・康司が乗っているが、康司は前日も試合でとにかく夏休みは毎日水泳の大会と練習でくたくたなのでずーと寝ている。城北組も全員揃って順調に走行している様子。
天気予報も雨の心配なく気分も上々。
途中、双葉PAで休憩し松本ICで降りる。そして通いなれた乗鞍上高地への道を走る。チャリを積んだ車が続々と乗鞍へ向かう。この雰囲気がたまらないのだ。ぴかぴかに磨きこまれたマシンが誇らしげにクルマの屋根に並ぶ。
いつものコンビニで昼食や泡を購入、会場やレストランで昼食よりもやはり気持ちのいいぺんしょんマドンナのデッキで弁当をゆっくり食べるのが一番だ。そしてコンビニでゴール用の泡を購入する時、ふとぼくはひらめいた。そうだ、ゴールで皆でワインで乾杯だ! 粋な企画を急遽思いついた。さらにワインの横にシャンペンが、シャンペンが相応しい、荷物はどうせ搬送車で持っていってくれる。ただよーちゃんと相談し炭酸モノは標高が高いのと荷物搬送で破裂するかも、ワインの方がいいか、などなど。と悩んだ結果、結局二つとも購入した。
12:30
マドンナ到着。城北組は途中で食事とってくるとのこと。然程タイムラグはない。さてさて昼食、泡飲みながら幕の内弁当を食べる。ほどなくすると城北組も到着。まさに営業用バン、上高地XCでしるふれいの百瀬さんがいつもぼくらを釜トンまで運んでくれるあの手合いのクルマだ。チャリ4台も楽に収まっている。
さて全員揃って初日は新調のNSAジャージ、チャリを組み立て会場へ・・・・その時、エバが、「あっ、あー、これはやばい!」どうしたと近づいてみると、後輪スポークが一本折れている、ただ多スポーク車輪なので一本くらいは多少ぶれるものの走れるが普段と違い明日は大事な大会だ、そこで思いついたのが同じ650Cのタイヤ径なのでマドンナのMTBの後輪を借りてスプロケット(後ろギヤ)だけ付け替えてやろうとしたのだが、マドンナMTBはみたいなもののためハブの長さが違っていたので駄目だった。そこで対応策としては幸い登り競技なのでブレーキを使用することはまずないのでブレてもパッドに噛んで干渉しないように緩めておくことだった。折れたスポークのニップルを緩めリムから外し会場へ向かった。実はホイールのトラブルも想定してぼくは前後ワンセット予備持ってきていたのだが、ロードは700C、MTBは650Cなので合わないのだ。
乗った感じ然程違和感なくなんとかいけるということで安堵し会場へ向かう。会場は既に多くのサイクリストで賑わっている、出店も繁盛している。センサーチェックも終え出店ブースをみて回るとぼくらのジャージを製作したウエイブワンが、ジャージ作成に夜遅くまで親切熱心に対応してくれた原さんに会いお礼を述べる。またロード購入を目前としたエバも熱心に展示車をチェックしている、ぼくはハンドルにつける小さなバッグが気になって何度も行き交う。
さてさて、皆またチャリのところに集合し、いつもの長野放送がやってきた。ジャージが違うので恐らく乗鞍いまぁとは気が付かなかったようにも見えるがどうやら気が付いたようだ。いつもの全員でわおーと叫んだあと、メリの単独インタビュー。実はマッチョも傍にいたのだが、マッチョは、おたくはいいです、と言われメリだけに・・・・かわいそうなマッチョ。一昨年は女子アナから「なにが一番辛いですか」と聞かれ「やはり坂ですかねぇ」と、バカやないかおまえ、と思えるような質問と答えの二人だったが、今回も似たようなもんだった。
さて、この後は恒例のアイスクリーム食べに一の瀬園地牧場へ、タッキーは日頃の激務で昼寝したいとマドンナへ戻る。
この高原のサイクリングなんかも楽しめるのも乗鞍の魅力。ミルクたっぷりのソフトクリームに列ができている。Salata Bianca Kobe(神戸大OBチーム)の面々も楽しそうに集っている。
そのSBKのお姉ちゃんに集合写真とってもらいマドンナへ戻るが、ぼくは出店で気になったハンドルにつける小ぶりのバックが欲しくてまた会場に、そしたら物欲一番堂を営むメリもついてきた。
二つ買うからと、1000円のものを800円に値切って買った。
さあ、マドンナで夕飯前の泡タイムなのだが、そこでなんと、エバのチャリを見ていたタケが、「あれ、これも折れてるぞ」っと。
最初気がつかなかったが根元がやはり折れている、1本ならなんとか他のスポークテンション調整でブレを小さくすることはできるが、2本だとかなり厳しく、いよいよブレーキの制動不能状態にしてブレても当たらないようにするしかない。エバがロードに買い換えることで腹を立てたのか、それとも整備をろくにしないつけがここ一番という時に回ってきたのか!いづれにせよ逆境に立たされたエバであった。特にエバは今回タイムアップを期待できるのでDNSは避けたいところ。なんとかブレーキ解放で走れることが確認できたのでほっとした。
そしてエバは未開封のチェーンクリーナー(チェーン拷問器)を持参しておりここで試していた(これに気分をよくしたのか、エバのMTBシュウインは結局その後ノートラブルで快走)。
さて夕暮れになり泡タイムも終わり夕食へ。
ここで、よーちゃんへ康輔くん出産祝いのセレモニー、よーちゃんは突然のことで驚いていた。プレゼントはマッチョが見つけてきたマリアローザ(ジロデイタリアの1位選手が着用するジャージ)の赤ちゃん用だ! 晴輝はマイヨジョーヌ(ツールドフランスの1位選手着用ジャージ)。さすがチャリが国民的人気スポーツの国は違う、赤ん坊用のジャージまであるのだ。物凄く嬉しそうなよーちゃんの顔が忘れられない。お祝いにワインを飲み皆で明日の健闘を誓い、楽しい食事に入る。
その後部屋で、よーちゃんには大きいというカジュアルなラルフローレンほかいい服をいくつかいただいたのだが、ぼくにも大きかったのでクマやマッチョにはちょうどよかろうと持ってきていたのでここで偶然にも今度はよーちゃんからのプレゼントを(まあお祝い返し)いただくことに。
21:00就寝。
エバのチャリが気になっていたのか夜中ふと目が覚めて、そうか、ホイールごと交換することは考えたが、マドンナのスポークだけを外してそれを付けてやればよかったんだ、と・・・。なぜ、日中それに気がつかなかったのか? 暗いなか弄ることはできずテンション調整にも時間かかるので今更仕方ないが、もっと早く気がついて試してみてやればよかった。
8月29日(日)
4:00起床。
青空が見え文句ない天候だ!嬉しい。宿飯班と持参班に分かれ各人朝食開始。
多糞病のぼくとしては朝の脱糞がヒルクライム成功の可否をにぎる。しかも今回は痔の手術を1週間後に控えており何かと尻周りに神経を使うのだ。軟膏を注入するタイミングが難しい、脱糞は数回にも及び注入した薬はまた無駄になる、しかし今日さえ乗り切れば後は手術だけなので十分に軟膏も持ってきており一つ二つの無駄はどうでもよい、それよりも脱糞による軽量化は必須なのだ。
5:30
さあ、準備万端、朝食持参班で稲以外は先発する。会場までの坂はちょうどいいアップになる。前回13秒で30分割れを逃したので今回は少しでもタイムロスがないよう前の方に並びたかった。ぼくは前から10番目くらいのラインにチャリを置けた。康司は最前列。シンもいい位置に置けたはず。なお、よーちゃんとマッチョはチャリを列に置かずもう少しアップしたいと消えた。
チャリさえ置けばあとはのんびり。ぼくは周囲を走ったり自主トレ。シンと康司は朝寝の続きとゆっくり脱糞。
会場に列が長くなり賑やかになってきた。荷物を搬送車に入れる。会場はクラス毎に並ぶので昨日の楽しい雰囲気と違い緊張感と孤独感がある。最後に全員揃って円陣組声をだし各クラスに散っていく、今日のジャージは自然スポーツ愛好会銀輪班“乗鞍いまぁ”だ。無事全員ゴールで会えるように、そしてあのシャンペンとワインが飲めるように!!
さて、開会式を終えいよいよチャンピオンクラスからスタートが始まるのだが、あっちこっちでパンクの音が響く、うーん辛いなぁこれは、これほどパンクの音を聞くのは初めてだ、ヒルクライムということで少しでも摩擦係数を少なくしようと圧を高め(過ぎ)にセットしている人が多いのか、それとも新品チューブに換えて十分な試走をやらずに会場に臨んだため噛んでいたチューブが破裂したのか?気の毒だ。こういう音を聞くと不安になり自分の空気圧を少し抜く選手も何人か周囲にいた。スタート前のアミノ酸と酸素薬を摂取し準備完了、さて、いよいよぼくのクラスが動きだした。
前クラスのスタート直前の選手でまたパーンという音が・・・周囲からも「あー」という同情とも無念ともつかない声がもれる。
ぼくとクマはクラスは同じだがぼくは早く会場入りしたのでクマはだいぶ後ろにいるようだ。さぁ、秒読み開始で皆、ビンディングに片足をはめる音が響く。ぼくもトークリップに足を入れる。今年4月表富士HCでクリップに足がうまく入らずスタートが大きく遅れたのでそれ以来すごく緊張する。
ピストルが鳴った。スタート、クリップも一発で入った。さすがに前列は飛ばす飛ばす。ぼくも流れに乗って走る。本来HCは一定のペースが完走の基本だがタイムを狙う場合やはり乳酸が溜ってこない最初にある程度速度出しておかないと駄目なのだ。しかしここで筋肉にあまり負荷かけるとあとがひどく辛いのでその按配が難しいのだ。鋸山で最初飛ばす方式と最初やや飛ばすあとはやや早めにの一定ペースで実験したがタイムは同じだった。ところがここ乗鞍は条件が違う、距離がとにかく長い、標高が高く酸素が薄くなる(ゴール地点は3000m近いので酸素は地上の3分の2ほど)こと。
さらに最初皆飛ばすので遅いと不安になる、またどっちみち最初楽でも上にいけばきついので、それなら最初飛ばか、ということになる。
ぼくは前回ダンシングも入れて飛ばしすぎて後半相当ダメージ来たので今回やや飛ばす方式にしたがかなり抜かされた。あとで抜き返すからいいやと思ってもどっこい連中はあまり落ちてこなかった。数キロほど走った地点でなんと左足のすね下辺りがつってきた。ふくらはぎでないので大したことないのだが気になる、少し負荷を緩めながら走ったら段々収まった。ほどなく走っているとタッキー発見、そしてほどなくメリ発見、昨年よりも追い付く地点が上だったので二人ともいい調子で走っている。お互い声かけあって抜いていった。
ぼくのボトルにはアミノ酸クエン酸など入ったCCDというスポーツ用粉末剤をドイツ製の通常の15倍の酸素が入っている微炭酸水で溶かしているが、これが結構べたべたするので給水ポイントで水をもらい、この水をブレーキマウントにかけた瞬間手が滑ってハンドルとられ危うく転倒しそうになり肝を冷やした。
さて、10kmもすぎ周囲にペーメーカーもできてくる。ゼッケンで自分と同じカテゴリーかどうかわかるので目安にするといい。バンバン行く奴や他のゼッケンは相手にしないこと、自分をやっと抜いていくような奴を友とするといい。抜きつ抜かれつの展開で走っていくと一人で淡々といくより励みになる。あれあれ、またすね下が痛くなってきたぞ、でもまあすねなら大丈夫だ。やがてまた収まった。ジャージのバックポケットからパワージェルを取り出し口で開けぐっと流し込む。きつそうな女子や年配の人に声かけながら(自分もきついが)徐々に高度を上げていく。今回はなんとか20分台に乗せたい、昨年の13秒不足をなんとか克服したい、そのための方策は唯一、楽しないことなのだ、緩い坂ではシフトアップで速度をあげる、きつい坂はダンシングで乗り切る、これしかないのだ。今回スタートが前の方に取れたので10秒は稼げているだろうが・・・。
さあ、残り5km、もう一つパワージェルを流し込む。森林限界でぼくらも限界。この残り5kmはほんとうに辛くまだまだ上の方に今から行かねばならない道と蟻のように進むサイクリストが見えるのだ。時計を見ると目標はあと30分以内で走らないといけない、昨年とほぼ同じ通過タイムだ、これだと駄目だ、20分台は厳しい、それどころかタイムを落としそうな気がする・・・諦めと頑張りが交錯する、残り3km、2km、いやー、ここの直線上がりは本当にきつい。森林限界を超えており空気に薄さを感じる。残り1?、残り10分切った。なんとかいけるか、頑張れ頑張れと自分に声をかけながらペダルを踏み込む、諦めない、少し緩くなるところがある、とにかく足を緩めない。昨年はこのあたりで酸欠のためハンドル握る手に力が入らなかったが今年は大丈夫だ。残り1分、最後のカーブだ、ゴールは見えた、前になるしまのチーム員が、こいつは抜かす、と最後のダンシングで力を振り切り
さあ、ゴール誘導のコーンにさしかかった、(ここがまた勾配強くここでよれよれなったり倒れる人もいる、ゴールは誠に一番高い地点に作っているのだ)思いっきり腕を伸ばし(0.1秒でも欲しかった)計測器がピピッとなってゴール。ふーふーはーはーぜーぜー、やることはやった。時計を見ると9時10分に差しかかっており、過ぎてはおらず微妙なところだった(速度計でわかるのだがぼくは時計でいつも計測している)。搬送車に荷物をとりに行く途中、泣きじゃくっている男性がいた、嬉しいのか悲しいのか、色々な想いがあるのだろう。
康司と会った。笑顔だった、今回乗り込み不足もありタイムは落ちるかも、と言っていたが、速度計の計測では20分を切れた、と。もしそうだと快挙だ。チャンピオンクラスだからね。シャンペンを包んだリュックをとってゴール地点へ急ぐ、休んでいられない、仲間の応援だ。
すぐによーちゃんが上がってきた。目標はやはり20分切りだったが微妙だと、そしてよろけるようにマッチョが、漕ぐのがやっとという感じで手も振れない。そしてクマがしっかりしたペースで来た、そしてイネ、最後大声出して誘導コーンへ突入。メリが声援に応えハイッ、と苦しそうだが最後は力強く男性を抜きゴールの坂をあがる。
続いてタッキーも相変わらずニコニコだがよれよれ。そして、シンが苦しそうに入ってきた、手を振るが余裕はない、MTBクラスのタケが来た、タケーっ、ガンバレーっ、ひときわメリの甲高い声が響くが、なんとタケではなく、エバだった。エバだエバだ! 急に、エバー ガンバレー、と。隣で応援していた人が笑っていた。やはり今年のエバは凄かった、よーちゃんと、スポークをパキーンパキーンと飛ばしながら上がって来るぞ、着いたら2,3本しか付いていないよとか冗談言っていたが、素晴らしい走りを見せた。そしてタケが、あー、と叫びながら上がってきて全員完走を果たした。(以上はスタート時間が異なる為ゴール順でありタイム順ではない)
タケが、もー惨敗、と叫びながら皆のところに来て全員集合、シャンペンを飛ばし、ワインを開け乗鞍に、自分に、友に、そしてよく一緒に頑張って支えてくれた自転車に乾杯!! 公式タイムは下山してからでないとわからないが、とにかく参加者全員がDNS、DNFせずこうやってゴールで会えたことが一番の喜びであり、これに勝るものはない。
さて、下山開始。往路は目に入らなかった風景や雪渓の横を通りながら、選手は皆この感動を休み休み写真を撮ったりしてゆっくり降りていくのだ。
会場に戻り計測チップを外し、さあ、泡だ泡だ。ちょうど会場では昨年のゴール地点の様子が大型スクリーンで放映されており、自然スポーツ愛好会の皆さん云々と言ったので見るとスクリーンに大きく写っているではないか・・・・そういへば昨年ゴールでもインタビューあったもんなあ。
リザルトが張り出され皆結果を見にいく。なんと、康司は1時間18分の堂々のチャンピオンクラス入り、そしてよーちゃんは、1時間20分8秒・・・8秒に泣いた。そしてクマちゃんは2時間切りと大幅タイム更新で満面の笑み、そしてイネは40分台を出し、エバも2時間切った。そしてぼくも、目標の20分台にぎりぎり乗せて大満足(1:29:43)昨年は13秒に泣き今回は17秒に笑えた。マッチョとタケはタイムを落とし、他全員タイム更新。
さてさて、タケが愛して止まない、「カレーうどん」の時間だ。我ら秘密の会館食堂の奥座敷にさっそくタケが場所の予約を入れてくれていた。座敷にあがり泡で大乾杯、そして疲れたあとのコッテリカレーうどんやカツカレーを注文する。黒木瞳に似た店員さんが注文にくる、シンもほんとほんと、よく似てる、と頷く。
そして、マドンナに戻り風呂で汗を流す。道路混雑は気になるが運転もありちょいと身体休めてアルコールも覚まさないといけない。
乗鞍をあとにし東京へ向かう。PAでは屋根にチャリ載せた乗鞍に出た選手達の車があっちこっちに止まっている。ガススタンドに金色のクロモリ(鉄)のアンカー他すべてクロモリを3台屋根に積んだ古いセダンのグループがいて中には60過ぎのおじさん達・・・・うーん、いいなぁ、こういうの、よーちゃんが「会社のえらい人ですかねえ、運転手付きですかねぇ」っと。爺婆悠々サイクリングクラブというのがあるが・・・。自転車も年相応なのがなんとも粋。
いつものことだが、帰りは激混み、途中でよーちゃんに運転変わってもらい、のんびり帰りました。
(シンのことは忘れてクマ車と合流せず結局シンは調布で降りてそこから自走で二子玉まで帰ったとさ、お疲れさん)
総括
今回は直前の怪我で無念の欠場2名を含む4名のDNSがあったが、最大の目標である全員がゴールで再会を果たした。今回、エバのメカトラや会場スタート間際で吹き荒れたパンクなど、完走当たり前ではなく完走が目標であることをあらためて実感した。他のスポーツと大きく違うのは自転車という極めてアナログかつ精密な機械を使った競技であること。いくら体調万全、練習十分、減量成功でもチャリが万全でなければ何の意味もない。まさに自分の頑張りとそれを支えてくれたチャリのお陰で完走できたわけだ、いやむしろこいつがトラブルなかったお陰で完走できた、と言う方が正しいのかも。
エバも一週間前に点検・チェックしておけばよかったこと是非反省すべき。それと今回事前点検で実に効を奏したのは、よーちゃん。えらい!前週に新チューブに交換した際、リムテープの異変を発見している。もしこれをやっていなければ・・・・パンク音のひとつはよーちゃんだったかもしれないし、途中エア漏れで完走断念のどちらかだったことはまず間違いない。さすがにチューブの予備は持っていてもリムテープの予備は持っていないからね。今回よーちゃんのケースはとても参考になった。
突発性のトラブルは仕方ないが、事前点検やチェック等を怠ったためのトラブルは自分だけの問題ではない、結局仲間をも暗い雰囲気にさせてしまうので企画前のチェックは励行しよう。
さて、リザルトを振り返って・・・
マッチョは前半飛ばしすぎで後半バテバテでタイムを落とした(本人は関係ないというが風邪の影響もあったろう、それと太ったのもね)、作戦失敗か。タケは本人も認める惨敗でタイムを落とした。やはり坂の練習不足だったか。そして今回イネやクマを見てもわかるとおり体重のコントロールがいかに大事かもわかる。これはレジャーでなくれっきとしたスポーツであることがわかる。
タイムを気にすればより楽しい練習と目標ができるが、結果より練習を楽しむという過程に価値があるようにも思う、ぼくらはプロではないんだからね。ただアクシデントがない限り練習量と成果は結びつく、やはりスポーツなのである。
ヒルクライムと登山の共通点は多い、サイクリングやツーリングよりもむしろ登山やマラソンに近い。故に山岳会からの参加者や登山もやる人が多い(谷垣財務大臣、片山右京・・・・)。しかし登山やマラソンと違うのは、途中で休めないこと、ペースを維持しないといけないこと。もちろん足を着くことは失格ではないが、誰もがノータッチをまず目標に参加する。つまり全て坂なので漕ぐことを止めたらとまる、緩めたら倒れる、メカトラでリタイアか、さらに通過制限時間もある。短時間の競技だがそこがこのスポーツの緊張感と達成感を生み出しているのだろう。
ぼくなんかとんとん拍子でタイムを上げてきたが昨年今年とほぼ同じところ、まあこの辺が現体重と筋力では限界なのだろう、でも楽しい、今度の目標はタイムを上げることではなく維持すること、そして中路・野水・イネあたりから抜かされないようにすること。
今回の殊勲賞は、クマとイネ。身体をよく絞り込みタイムを大きく更新、またクマは前回タイムを落としたがそれがバネとなっての今回の快挙。二人とも素晴らしい。
敢闘賞は、エバ。チャリのハンディーを克服しロードと同じレベルのタイムを叩き出している。チャリの怒りよりエバの気力が勝ったとしかいいようがない。
赤飯賞は、メリとタッキー、二人ともお初のロードバイクで、10分以上のタイム更新。
努力賞は、シン。失意のつるつる温泉、その後の泊り込みでの鋸山通いとローラー練習、来年は2時間切りが視野に。ただ、メリから抜かされるなよ。
惜敗賞は、もちろんよーちゃん。8秒・・悔しい、わかるわかる、でももしリムテープに気づかず参戦してたら・・と思うと安堵でしょう。さらにこの高いレベルで5分もタイム縮めているんだから。
残念賞は、タケとマッチョ。タケはエバに敗れかつタイムは2時間台に。そしてマッチョは作戦失敗から俊足兄弟はもとよりぼくにも後塵を拝してしまった。やはりスプリントとヒルクライムの両立は無理か!
驚嘆賞は、康司。昨年はよーちゃんと同タイム。今年は練習不足からまず負けを覚悟、しかしその練習不足は水泳のハードな練習で見事にカバーされており心肺機能強化で見事18分台を出した。
薬物賞は、ぼくかな(笑)
さて、来年はタイムが近い仲間同士が増えレベルが揃ってきたのでより練習にも力が入り一層楽しくなること間違いない、来年がまたとても楽しみとなる今大会であった。
おしまい