春の自転車行(岩瀬土浦自転車道路)
(日程)
02年5月12日
(コース)
茨城岩瀬土浦自転車道路(同区間をつなぐ40kmの鉄道廃線跡を自転車道にしたもの)を走る。土浦スタートで筑波山休憩ポイント(乃至、筑紫湖)で昼食をとり、輪行組は岩瀬に向かい完走、カーサイクル組は土浦へ戻る。
(参加者)
松広、松田、稲葉、森永、平野、江畑、谷野、畠田&康司 (記)
(行程記録)
天候:曇り/晴れ、帰路アゲインスト(なぜか岩瀬輪行組、土浦戻り組ともアゲインスト)
康司のチャリを屋根にぼくのを前席の間にそして東京駅まで輪行のヤヤと秀のを後ろに積みあっという間に土浦到着(こんなに近いとは思わんかった)。
輪行組(賢、エバ、稲葉)は8時上野に集合し、8:30のフレッシュひたちで一路土浦へ。速い。
土浦など田舎の駅かと思ったら、しっかりしたロータリーや丸井、イトウヨウカ堂もあり取り敢えず休日なので使う人のいないあさひ銀行の駐車場で待機。賢も遅刻することなく輪行組も皆集合。
事前に川口総合運動公園の場所を駅前の交番で聞いていた(ここなら多分駐車はただか安かろうと)ので早速、輪行チャリをぼくのとまっちゃんのに積んで向かった。駅から数分の近くだが、ぼくのクルマが鉄道高架下にひっかかるので康司チャリを降ろして通過。
駐車スペースは十分あり無料(原則グラウンド利用者のものらしいが)。皆もうチャリのセットアップには慣れているので、あっという間に準備完了。康司のパニヤ(ラックにフックで掛けるバッグの事、長距離旅行に使う専用ラックを使った低ポジションの物はサイドバッグと呼び区別されている)に荷づめしたり、ヤヤのリム振れを確認したりして、最後に愛して止まないぼくのランドナーのセッティング、学生時代愛用していた松広と賢が早速興味の眼を注ぐ、泥よけのクイックレリーズに感心(昔はネジ止めだった)。
10:30ゲートが締まる時間を確認し(5:10)、いざ出発。ところがスタート地点がよくわからずホテルの人に聞くも、その人もわからず親切に他の人に聞きに行き(キジでも撃ってるんやないかと思うくらいなかなか戻ってこない)、そしたらエバが「天王橋ならこの先ですよ」と。
「なんでおまえ知っとん?」 「ぼく高校がこの近くでした」「あほ、そんならはよ言わんか」と
かわいそうに必死で聞いてきた兄ちゃんが戻った時には既に回答を得ていた…・。
いかにも水郷というようなへら師(へら鮒専門の釣人)がいる川辺を通過し、目的の自転車道入口に入る。その名も“つくばりんりんロード”と名前がついている。最初は、路面がプールのような水色に塗られておりセンスの悪さを批判するも(どうせ国土交通省がけちってプールの余りの塗装を使ったのだろうと)、いきなりいかにも昔は駅でしたというようなプラットホームに花が飾ってあるのに出会う。これにはいいねえ、と記念写真をとる。すぐに街外れとなり、田園地帯を走るコースに変わり、路面塗装もちゃんと淡い土色になっている(よっしゃよっしゃ)。いやー、素晴らしいコース、まるでスコットランドの田園地帯を走っているようだ(行ったことないけど、多分田んぼが無ければね)
写真撮ったり、自転車交換したりしてポタリング(ゆっくり走ること、英語)を楽しむ。途中、これは古いと感じるプラットホームがあり、なかなかいいムードを醸し出していたが、毛虫の軍団に占領されていた。大きなイチョウの木もあり、古い青春映画でホームでたたずむ女学生がいそうだ、とイネが言っていた。わかるわかる。
12:20 目的ポイントの筑波山麓駅休憩所に到着、やはり旧線では一番の駅だったらしくバス発着所と数件の店屋(閉まっていたが)が存在。ここでランチと告げていたため、先着組は早速途中で買った泡を芝生の上で飲んでいた。
余裕があればその先の筑紫湖まで行きたかったので、皆に諮ったら、さすが自然指向のメンバーらしく、確かにここは大きい休憩所だが、背後がバス発着所になっており自然度若干低し、ということで皆賛同し5km程先の筑紫湖に向かうことになった。土地の人に聞きコンビニ*に松広と秀と泡を買いに行く、無線機にヤヤから、いつものソーセージとマヨネーズ買ってこい(ヤヤコロはこの安っぽい魚肉ソーセージが大好物)、そして賢から自分達は先に進んでおくと受信。
*筑波休憩所から岩瀬方面に100m程行くと車道高架があり、そこの脇道を右に入り田んぼ道を少し上がると泡売っているコンビニがある
酒寄で一旦りんりん道は切れるが酒寄の古い町並みの集落を通過する。表札みると酒寄の姓が多く、旧家が並んでなかなか旅情を感じさせる(なぜこんな名前がついたのか土地の人に聞いてみればよかった、街道で飲み屋が多かったのかねえ)。
集落外れで、筑紫湖の場所を散歩のおばさん達に聞いて先に進み登坂となる。こういう苦境を前にすると一気に賢、エバ、イネらは燃えるようで俄然ペースを上げる。康司も今回装着してやったエンドバー(豆知識参照)を活用してあがる。高台にあるそこそこ大きな堰堤を持つ貯水池で雰囲気は悪くない(地元のちょっとした行楽地らしく蕎麦の茶店もある)、草原の平地がありそこでランチとなった。(ここまで土浦から27km)
横ではボーイスカウトが自炊。多少傾斜の場所に折畳みテーブルを使うもんだからふにゃっとなりせっかく作った鍋のカレーをこぼして平井隊長、いや普通の隊長から怒られていた。そもそもテーブルなんか持ってこず、地べたで食べなさい、と言いたい。ぼくも今日は、自分の泡をちゃんと持参している為、秀もエバも安心して飲んでいた。
一息ついたところで、自宅で勉強中のマサにTELするも応答せず、さらにヤヤが「はい、さゆりさんだから話して」とさゆりさんの事が大好きな松広くんに意地悪にTELを渡す、うぶで純情で可憐な松広くんは「恥ずかしかけん、よか。緊張するなー」と太っ腹をのけぞり返し、嬉しそうに話しだす。
昼休みは、皆“はさみ”というボール遊び(康司がボールを持参)に興じ、とても楽しそうで、松広のおやじまで参加し、「仲間に入れて」と最後まで言い出しきれなかったぼくとヤヤは傍らで楽しそうな皆を笑いながら見ているだけだった。(今度はぼくらもかってて→方言かもしれんが、仲間に入れてという意)
14:30 撤収。りんりん道路まで下り、そこから岩瀬完走組(イネ、エバ、賢)と別れた。距離的には完走組の方が短い(あと15kmほど)。戻り組は、アゲインスト(向かい風)がかなりあり、また往路もそうだったが、筑波山麓の吹き降ろしを横に受けた。5時が閉門なので、途中で松広とまっちゃんとぼくで先にかっ飛ばして車を出そうということになった。
完走を目指す3人だったが、アゲンストの風との戦いで、ペダルが重い。稲葉のチャリに至っては後輪のハブのベアリングがキーキー鳴りだした。風景は大きく変わらないが、りんりん道の途中何個所かに、ウェイブが作られていた。 → 稲葉くん、最後通告だ、 乗鞍前に自転車買い換えよう!!(ちなみにオーダー車なら 2ヶ月かかる、決断をお早めに)
15:50 岩瀬駅到着。りんりん道の看板の前で互いの検討を称えあう。岩瀬の駅は本当にひなびた田舎の駅だった。賢が「あ〜すげーコーラ飲みてぇ!もうI feel Cokeって感じだよね。」と言うのに対し、エバは「I feel BEER、ビール飲みてぇ」と。残念ながら岩瀬の駅にはビールは売っていなく、電車がきてしまったので、酒屋に買いに行くこともできず、16:12の小山行きに乗り込む。上野には18時過ぎに到着。東京文化会館の前で解散した。
16:40 それでも結構ぎりぎりで駐車場に戻る。ちょうどチャリをばらして車を動かし始めたとき
秀、ヤヤ、康司が戻ってきた。
帰路は前輪を外すキャリアの方に康司のを積載し無事高架下を通過して、途中コンビニで軽く腹ごしらえをしラッシュにも会わず東京に戻った。
チャリの豆知識
・輪行(列車やバスにチャリ持ち込んで移動すること)という言葉は、アルプス自転車の先代が作ったものでサイクリストの言葉として定着。山行(広辞苑にあり)をヒントに作ったのだろうか? そういえばサイクリングの日本語はない、ちゃりん行 というのはどうだろう。
・MTBのハンドルはストレートバー(これに対して45mlで出すショットバーをジガーバーという。話題が違う)のためツーリングでは疲れやすく登坂では力が入りにくい(腕を捻じってハンドルを握る為)。これを克服するためハンドルの末端に角のようなバーを付けて(本当は肩幅わずか外くらいがベストなのだがブレーキとギヤマウントがあるので末端にならざるをえない)走行中グリップポジションを変えたり、登坂ではぐっと引きつけて上がれるようにしている。つまり前へならえの体勢でバーを握るのが一番疲れず力も入る(机上で捻じった状態と前へならえの状態と拳の開閉をやって実験すればわかる)。
ドロップハンドルがツーリングや登坂に向くというのはそういう理屈からできている。しかしストレートバーはオールラウンダーバーとも呼ばれ街中やポタリングでは操作しやすく子供にも安全である。チャリはまさに人間工学と機械工学を融合させた素晴らしい乗り物である。ちなみにイネと康司は同じエンドバーを付けており、イネちゃんと同じだったね、と安心していた
(トピックス)
(総括)
国土交通省が推進している全国大規模自転車道のひとつ。周囲は、集落と田畑で開放感あふれるコースであり、また廃線跡ということでプラットホームをうまく休憩所に利用しており国家プロジェクトにしてはなかなかよい。輪友松広(山にいけば岳友となり)と走りながら、新幹線と中央線以外(中央線は山に行くので必要)ぜーんぶ自転車道にすればいいのになあ、と いい年のおやじ達とはとても思えない極めて我田引水な話しをするのであった。
煙たなびく田舎風景と匂いのする晩秋の候、また走ってみたいコースである。
(週末チャリ屋のおやじと雑談したら、春の桜も素晴らしいとのこと、なお大規模自転車道については、インターネットで検索すれば全国のものが確認できる)。