2006秋期合宿山行 苗場山
(日程)
2006年10月14日(土)〜15日(日) 天候:曇り・晴れ
(メンバー)
藤野、江畑、小西、高野、中村(真)、大泉、瀧原、畠田(記)
(記録)
以前から一度企画したい山、今回実現となった。また、新幹線でのアクセスが容易なことから今回はクルマではなくNSA初の新幹線を使っての山行。紅葉の季節でもあり渋滞を気にすることなく時間の確実な新幹線は朝の集合も楽。高野くんは入会後の初山行。
10月14日(土)
7:30
東京駅、新幹線ホーム集合。いつもクルマ運転のぼくにとって列車で行く山は久々に旅気分を盛り上げてくれる。 ぼちぼち揃い始めた頃、まっちゃんからエバに連絡があり、胃痛で不参加、とのこと。先週は秀平らが有志山行で屋久島に行っており、まっちゃんは連続参加だったが無理しない方がいい。
高野も初めて会う仲間に挨拶し7:48発MAXとき307号の2階に乗り込む。座席をぐるりと回しまさに旅気分。朝から会話が弾む。天気の心配もない、最近ヤフーで雲の移動状況までわかるので本当に遊びには役に立つ。関東はどんよりしているが国境の長いトンネルを抜けるとそこには雪国なれど青空が広がっていた。
9:05
越後湯沢駅到着 わずか1時間20分で新潟に着く、いやー、やっぱり新幹線はすごいなぁとつくづく思う。
売店で皆、泡やらなにやら購入。タッキーから乾燥貝柱を買ってぇ、とせがまれるも、こんな高いもん買えるか、と冷たく返す(エバにもせがんだようで、小屋で泡タイムのとき出てきたが、優しいエバは買ってやったようだ・・・・エバは銀座のホステスからおねだりされると断れないタイプなのだろう、そういう人生にならないうちにヤヤと結婚してよかったと思う)
さて、事前に予約しておいたタクシーに乗り込む。ちょうど具合のいい参加人数なのでタクシーは小型のマイクロバス一台だった。和田小屋目指してバスはぐねぐねと20分。今年の紅葉の具合など運転しながら説明してくれる。
9:50
和田小屋到着。ここはスキー場。ここで水を汲み便を済ます。
10:04
準備を整え和田小屋出発。スキー場脇から登山道を歩む。乾いた空気が心地いい。登山者も少なく静かな山歩きが楽しめる。高野くんは久々の山歩き、靴やヤッケも新調した。十分な投資で快適な山歩きに満足気。
紅葉は若干遅い感じだが、まだまだ青空に映えて美しい。美しい風景を自慢の一眼レフで収めようとしたタッキーだが、バッテリー切れ・・・・、タッキーの一眼レフは単にザックのスペースを無駄にする箱でしかなかった。
苗場山は、まったく視界に入らず、相当山深いところにあるようだ。和田小屋から3時間半かかるような場所なのでそれもそのはず。沢はまったくなく水は貴重。ブナのコナラの森を歩く・・・原生林がどこまでも続く。
神楽が峰を越え、開けた場所で昼食とする。ここでいくつかのパーティーも店を開いていた。日差しを浴びながらのどかに休憩。
40分ほど休憩し、再び山頂を目指す。ここらあたりから、今までの登り一辺倒から、下りも入るようになり山稜が重なってきていることが想像される。もったいないような下りも出てくる。途中一箇所水場があり、行き交う登山者が補給しているが、ぼくらはもうすぐだろうと通過していく。
かなりのアップダウンが最後にあり、上り詰めたところに素晴らしい景色が待っていた。
平坦な壮大な湿原がそこにはあった。まるで、尾瀬が山頂にあるようなものだ。ただならぬ山ではないな、皆感動する。山の概念、いや山頂の概念をくつがえすものだ。ちょっと広いどころではなくまるで大草原なのだ。
山の上にこんな世界があるとは・・・まるで、ギアナ高地みたいだなぁ、と話した。
どこが一体山頂なのだろう・・・・木道に沿って歩いていくと小屋(中華料理屋みたいな名前の山小屋)があり、その裏手が山頂だった。そこで年配パーティーに記念撮影をしてもらった。そして、ぼくらが泊まる山頂ヒュッテ(苗場山自然体験交流センター)はそこからすぐであった。
14:20
山頂ヒュッテ到着 大きな小屋でないがきれい。部屋はなくすべて蚕棚形式の宿泊施設。公営の宿のためか従業員は二人だけ、到着する登山者の寝床への案内に追われていた。ぼくらは蚕棚の中央一区間をくれて個室的利用ができた。満室のようだ。
さてさて、落ち着いたところで外のテーブルでいつもの酒盛り。タッキーが自衛隊で配給される缶詰の鳥めしと沢庵を持ってきていた。職場のスタッフさんの彼が自衛隊で、くれたらしい。色はもちろん戦車と同じアーミーグリーン、熱して食すとなおよい、などというような表現の文言が書いてあった。(写真はアルバムにて)
藤さんも旅行みやげのつまみやマサもうまいものを持ってきており小西もワインを持参しており酒が進んだ。今日はクマがいないので日本酒がないなぁ、熱燗飲みたいがなぁ、と思っていたら、藤さんが小屋から買ってきてくれ早速熱燗した。
17:30
交代制の食事で夕食開始。カレーだった、その他惣菜はバイキング式(といっても豪華なものではなく
ポテトサラダや漬物など)、お代わりはできるので腹いっぱいにはなる。山こやではとにかくお腹いっぱいなることが第一だ。
夕食終え、蚕棚に戻り、また皆でちびちびやりながらお話タイム。会の運営のことや結構まじめな話もしたような記憶がある(今回記録書くのが遅れたので記憶が不鮮明)。蚕棚も上部だったので暖かく心地よい。
21:00
消灯。夜中、少し飲みすぎたか何度か目が覚める。ここは、天水を利用しているので、水は十分ではなく購入する必要がある。のどが渇くが、ごくごく飲めないのが辛い。
10月15日(日)
4:40
起床 早出の人ががさがさやっている音で目が覚める。外はまだ真っ暗、気温は3度、そこそこ冷えているので悪い天気ではないようだがガスがかかっているようだ。
5:30
朝食 やはりバイキング式でご飯を朝から腹いっぱい食べてしまう。朝食を終え撤収開始。最後に忘れ物ないか、寝床周りを確認してゴミが残っていたので回収する。
小屋の前で集合写真。昨日山頂で撮影頼んだグループにまた頼む。ただ、このおっさん、昨日も今朝もそうだがシャッター押すとき必ず手が動く・・・カメラと押す手が一緒に動くのだ、皆もそれには気がついていたようで、このおっさんを、「手ぶれおじさん」と呼ぶようになった。
6:00
出発 朝もやのなか広大な湿地帯の木道のうえを歩いて下山開始。朝もやのなかに朝日の筋が差し込み、次第に霧は晴れていく、そして雲上から太陽が顔を出す。湿地帯が一面赤に染まる。素晴らしい。
朝の木道は滑る。マサが突然視界から消えた! つるん、こてん、普通滑ってこける時は、わー、とか、きゃーとかいうもんだが、突然ごろんと木道からはずれ草むらに転げており、またひょいと立って歩き始めた。これは実におかしかった。まだ朝 身体も頭も覚めてないのか、すべて無言での一連の流れであった。マサも、自分に一体何が起こったのだろう、と思ったそうな(笑)。相変わらず面白い娘じゃ。
美しい景色に何度も立ち止まりながら、そして滑らないようゆっくりと、またぼくと真ちゃんはその滑りを利用してスケートのように滑り遊びながら歩んでいくが、後ろから、手ぶれおじさんグループがやってきた。なぜか、全然滑る気配なし、ぼくらの後で霜がはげたか、年取るとバランスがむしろよくなるのか、それとも鈍感なのか、でも藤さんはやっぱり滑っている・・・。
さて、広大な湿地帯の端に漸く着いた。名残惜しい気がするがここから下山だ。かなり切り落ちており、やっぱりここはギアナ高地みたいだ、と思う。そして、そこから下りの景色と山並がなぜかペルーやヒマラヤの山岳地帯によく似ており、真ちゃんと「ここ、ケシの栽培してそうな場所だなぁ」とまたいつものように発想豊かな話を始める。
今日の予定歩行時間は5時間45分、長いルートだ。まずは、山口館(赤湯温泉)目指して頑張る。とても奥深い山であることがわかる。急な下りのあと山の腹をゆっくりとくだっていきながら、徐々に高度を下げていく。
10:10
山口館赤湯に到着 ここまで4時間・・・まだ先があるが、超野趣溢れる温泉に入る。川のすぐ傍に簡単にセメントで作った露天だがコケが生えている。ぬるぬるして錆びの中(赤いのは鉄分のため)に浸かっているようで気持ちいいというものではないが、源泉は熱く湯加減はちょうどいい。
そこで何を思ったか、湯船から出て藤さんが前の川に浸かる、続いて若者達いや馬鹿者達も続く。さすがリーダーのエバと元リーダーのぼくは冷静な判断で入らず。川の水は相当冷たく(冷たくて皆凄い形相)、さらに中心は流れが速く小西は危うく流されそうになり、石に捕まり難を逃れた。ぼくは、あ、助けに、と湯船から腰を上げたところで何とか石を手がかりに流れから脱出した。藤さん、こんな処で心臓麻痺起こしても置いて帰りますよ!
と、いつもでも青春な藤さんと馬鹿者達であった。(冷たさが半端じゃないので小西も流されたらお陀仏だった)
お風呂の前には男女の性器の形の木を祀った社があり、嬉しそうに真ちゃんは一緒に記念写真。
10:50
本当はここで泡でも飲みたいところだがまだ道は続くので我慢。下山口ゲートを目指してまた出発。ここから九十九の登りに入る。ふと、バットレスでおでんの後、酔っ払ってふーふー息を切らしながら林道まで登る道を思い出す。藤さんも、確かによく似てる、と頷く。
11:30
アップダウンを繰り返しながら、途中陽のあたる登山道で昼食休憩、甘いものを食べ、もうひとふんばりだ。ここは携帯電話がかかる地点となっており、タクシー会社とお約束の連絡を入れる。
昼食をとり、また歩き始める。この辺りから沢と合流するようになり、高度が下がってきたことがわかる。白い芋虫のようなものが時折道に落ちておりタッキーは気持ちわるがる。次第にその数が増え、沢で集団自殺を図ったかのように水の中に沈んでいる場所もあった。
13:00
漸く下山口ゲートに到着。昨日送ってくれた小型マイクロバスがぼくらを待っていた。ここまでクルマが入ってくるがバス停まではさらにもう1時間歩かねばならない。グループ登山はこういう時にはハイヤーが使えていい。いやー、お疲れさまでした。バスに乗り込み湯沢駅を目指す。皆すぐにうとうととする。
13:50
駅に到着。お礼を述べてバスから降りる。
予定の新幹線まで1時間ある、さー、泡だ泡だ!! 駅のレストランで乾杯!! 地ビールのオンパレード、つまみも多めに頼む。その後土産屋を物色、さすが酒どころだけあって、数え切れないほどの種類の酒の試飲ができるコーナーがあり(コイン入れると自動的にお猪口に注がれる)これには驚いた。
そして、タッキーがぽんぽん菓子を見つけて購入。昨夜、藤さんは、ぽんぽん菓子がどういうものか知らずに、皆から「余程、上流家庭に育ったのですね」とからかわれていたのだ。子供のころ業者が町内にこれを作る大きな籠をもってやってきて、ばーんという音とともに持っていったお米がぽんぽん菓子に変わって袋いっぱいに持って帰ったものだ。関東ではなかったのかと思ったら、マサなども祭りの時に作るのを見たことあると言っていたのであったようだが、藤さんは知らなかったので、上流家庭の出、とからかわれていた。
15:05
新幹線たにがわ416号に乗車し帰路につく。藤さんが、瓶の日本酒(上善如水)を購入しており社内で振舞ってくれた。残ったつまみを出し、ぽんぽん菓子を食べ、全部飲み干した。超超ご満悦な苗場山の旅が終わった。
16:40
東京駅着 ホームにヤヤと晴輝が父ちゃんの帰りを待っていた。
総括
苗場山、一度企画を、と前から検討されていた山であった。スキー場のイメージからか大した山ではない、簡単な山という感じもあったが、まったく違っていた。奥深いところに位置しアプローチも長い、また山頂は驚くべき景観。もちろん名山であるが、ほんとうに他の山とは異質な姿の山であった。また、新幹線を使うことで帰りの渋滞の疲れもなく明るいうちに家に帰りついた。
いい山歩きを存分に楽しめた。