2006梅雨山行 本沢温泉

(日程)
2006年6月10日(土)〜11日(日) 天候:曇り

(メンバー)
小屋班:江畑、森永、熊野、小西、松田、畠田、清水、菅澤、大泉
テント班:稲葉、益原、福田

(コース)
恒例の梅雨山行、一昨年に続き、今年もまた本沢温泉。前回エバが欠席となり、日本最高所の温泉に浸かりたいという希望も多く本沢温泉にした。また今回は幕営も行った。前日まで、テント班では、メニューをどうするか、ということで相当の盛り上がりよう。

テント泊では基本的には調理はしないもの、が当たり前なのだが、テン場や行程の条件によっては大変凝るのがNSA。今回もテント初体験のマッチョを喜ばしてやりたい、と福ちゃんとタッキーがメニューを考える。

雨天ではテント内での調理となるため水蒸気がでるようなものは不可なのでその点も考慮してメニューを決める必要がある。メゾン・ド・たきふく からのお品書き、さらに夕食後のバーも開店するとのことで凝ったメニューがテントのオーナーであるぼくのもとに届いた(特別招待状らしい)。そして、タッキーが入社以来最大のトラブルが発生したらしく休日出社は免れたものの急遽欠席となった。

(記録)


6月10日(土)

6:30
ご近所となったエバを迎えにいく。ややと晴輝も早起きで見送りにきていたので、晴輝にコンビニで上限400円、でおもちゃを選ばせてやったら230円のしゃぼん玉セットを選んだ。かわいいやつよのう。

7:20
調布で福ちゃんとメリをピックアップし一路、八ヶ岳へ。クマ号とまっちゃん号に連絡したらぼくらよりかなり先行していた。

馬鹿話に花が咲き、本来降りる予定の須玉ICを通過してしまい小淵沢まで行ってしまったが、カナダ張りの美しくクルマも少ない八ヶ岳高原道路を通っていった。ここチャリで走ると気持ちいいだろうなぁ・・と同乗者皆銀輪班なので一同感心、なかでもメリは「ここ、何パー(坂の傾斜角度)くらいありますかねえ」と頭の中は坂・坂・坂。
途中コンビニで先行車2台に合流。

11:00
稲子湯到着。今回は稲子本沢を結ぶ道路が土砂崩れで通行止めとなっていた為、稲子湯往復ルートとした、野水が情報をHPで掲載してくれたため事前に認識できた、ありがたい。
やはり山は必ず道路状況を事前に確認しておく必要がある。

(随分前だが西穂予定の時も、しるふれいのオーナーから雨量オーバーのリスクがある、との連絡を受けたことがあるが、随分いろいろな人に助けられて山行が成り立っている。その他、藤さんのニッカー破れで安全ピンを土産もの屋の人がくれたり、ややが財布を忘れて、おばちゃんが走って車まで持ってきてくれたり、ちーちゃんがスキーで下れないのでスノーモービルに乗せてくれたり・・・・。)

稲子湯にクルマ止めると駐車代がかかるが、数十m下ったところに道路際に駐車スペースがあり、そこは無料。

11:55
ピクニックのように輪になって昼食を済ませ稲子湯を出発。開山祭とかで関係者が稲子湯で宴会をやっていたが、ちゃんと神棚も作って安全祈願されていた。神とともにお酒を飲んで祝う古来の伝統的な習慣はなかなかいいもんだ。

シダの群生のなか、みどり池目指す。一昨年も同じ時に来たのだが今年はシダの生育が明らかに遅くやはり低温であることがわかる。体感より何より植物の生育状況が気温の状態を如実に示す。本来この辺りは背の丈くらいに生育した巨大なシダが群生しており先カンブリア紀のような様相なのだが、今年はまだみずみずしい緑で天麩羅したら食えそう。

大学ワンゲルの男女グループと抜きつ抜かれつ進む。挨拶を交わし彼らも本沢温泉と、荷が多いのでテントかと思いきや小屋と。「小屋ですか?一緒ですね、大広間ですか?」と声をかけられたので「いや、俺ら社会人でカネいっぱい持っとるから、個室だ」と。まったく嫌味な大人だ。(でも彼らは変な集団と一緒でなくほっとしたに違いない)

13:40
みどり池到着。静かに佇むしらびそ小屋がある。ここでちょいと大休止。山稜の沢筋には結構雪も残っている。しらびそ小屋はとてもムードがあるが、裏手に新館があるが、どこも仕方ないのだが新館はもちろん木造なのだが白木の上に防腐剤やニス塗りをしているのでてかてかしてきれい過ぎる(明るすぎる)。むしろアメリカの農家やカントリーハウスのように濃い赤(バーンレッド)やグレーで塗装しておいた方が調和するのではないかと思うけど。

14:05
学生より早く風呂に浸かりたい、と出発。途中、少し開けたところに沢が流れ木道を敷きとても雰囲気のいい場所がある。本沢温泉口からの林道と合流。登山者が上がってきていたが、稲子湯本沢温泉口ルートは土砂崩れで通れないのでもう一本ある別道で入山してきたのだろう。本沢温泉テント場前を通過。

15:00
本沢温泉到着。幕営班も取りあえず上がってくる。テント場から小屋まで3〜4分。早速、部屋に入ることなく早速、前のテーブルで生泡を注文、飲まない福ちゃんとまっちゃんは、「ポケモンジュース」を頼んだが、変なジュースがあるなあと思ったら、「コケモモジュース」の聞き間違いだった。少し耳が遠くなってきたようだ。マサはチーズの燻製の塊を、メリは手作りの豚の薄切りにんにく醤油漬けを出して店を広げた。

泡タイムを楽しんだあと、最高所露天風呂に向かう、ぼくは前回入ったので今回は写真班になった。野郎が先に入りメッチェンには手前で待ってもらい野郎と交代。こういう場所は独占すべきものではなく入ってみるという体験が重要なので長居しないのが良識ある人間、そんななかNSA群が上がってもまだ動こうとしない奴が一人いて、上がらせようと「女性が次ぎ待っていますが・・・」と聞くも「どうぞ」と上がる気配なし、場の雰囲気を読めない気の利かないやつだ(山好きは案外こういうタイプが多い)

あんたは、良くてもメッチェンが嫌だわい、そこでもう一度マッチョとぼくでトライ「あと、どのくらいで上がりますか」 そしたら「じゃあ、上がります」と。こういうとき人に物事を伝える能力というのはとても大事で「すみません、5分だけゆっくり一人で入らせてください」などといへば気持ちよくコミュニケーションがとれる。会話する、相手のことも考えてかつ自分の気持ちを表すと双方満足がいく。

で、メッチェンが待っている間、次に例の学生メッチェン登場、ぼくはどちらかというと彼女達のほうに撮影意欲が沸いたので、あんた達も一緒に行けば、と声かけるも、狭くなるので待っています、と。

「ジミーさーん、いいですよー」と声がかかり、湯船に向かう。白濁なので見えないが、福ちゃんだけは女性ということがなんとなくわかる・・・。なかなかいい写真が撮れた。湯煙美女紀行というには荒々しい周囲だが、まあNSAメッチェンには高級旅館の檜風呂より、ガレ場に穴掘って入ったようなこっちの方が合っていよう。

彼女達にとってここでの写真は貴重なものとなろう。撮影終わりぼくはそそくさと引き返す、その際、男性が上がってきたので、「今女性が入っていますから気をつけて」と声をかけた。

テント班はテントに戻り、小屋班は小屋で夕食。まっちゃんは急に頭痛と悪寒を覚え夕食パスし部屋で沈殿。我らは夕食終え、小屋前で調理に励むテント班のもとへ。なんと彼らは、餃子を仕込んでいるではないか。

餃子を持ってきているのではなく、皮包みからやっているぞ。そして、その餃子も具にバリエーションがあり、納豆、カレースパイス、キムチなど。皆で手伝って作ってやった。食べ始めるころには暗くなっていた。また、タッキー差し入れの鯖の燻製(これは高かったろう)が出た。脂が乗ってウイスキーのつまみには最高でこれはうまかった。すっかり暗くなり、ヘッドラとランプで宴会となった。イネがリュックに括り付けていたプリムスのような黄色のフライパンでじゅうじゅうと餃子を焼く、そしてコッフエルで飯を炊く。ワインを飲み、熱燗をし、楽しい夕べとなった。

もちろん小屋班もご相伴に預かり、メリなんかは仕切って調理していた。カレーのスパイシー餃子はうまかった。小屋の消灯が9時でなされ、少し声を低くして宴会はさらに続いた(小屋の人から撤退を強いられなかったのは嬉しい、こういった配慮をしてもらえると有難い)。

21:30
お開きとし、テント班、小屋班、それぞれ戻る。ぼくは、またゆっくり薄暗い電灯のもの内湯に浸かり、またエバと秀平はなんとヘッドラ持って露天へ向かい、その後皆就寝。


6月11日(日)

5:00
覚醒、外はどうやら雨の様。まあ、今日は下山のみなので雨でも問題はないが、テント撤収が面倒だろうなぁと思いつつのんびりしていると時折雨も止んできたので、コーヒーカップ片手にテント場を覗きにいくが、皆まだ寝ている様子だったので、そのまま戻ってきた。

小屋の皆もぼちぼち起きだし、朝風呂に浸かりに行く。まっちゃんも回復したようでよかった。ぼちぼち小屋前に集合し、秀平はスケッチをしている。絵葉書で売れるほど秀平はスケッチが上手である。

8:00
皆でテント場へ向かう。時刻とおり撤収完了。テント班もぐっすり眠れたらしく雨だったことも気が付かなかったようだ。往路と同じルートで下山開始。

10:30
稲子湯到着、風呂好きはまたここでも湯に浸かり、他はパン食ったりお茶飲んだりのんびり過ごした。総括行動中は雨ゼロ、今年の梅雨山行も雨に合わず運のいい山行となった。また、テント班は雨だったら一体あの料理をどこでやるつもりだったのだろうと思うくらいの手の込みようだったが、小屋班にもおいしい料理と素敵な夜を提供してくれた。ピークハントは行わず秘湯・テント・トレッキングの楽しいゆったりした山旅であった。