2003秋 合宿 金峰山
(日程)
2003年11月8日(土)晴れ 9日(日)曇り一時雨
(テーマ)
これぞ行かなきゃ損、の2日間で2500m以上のピークを5つ踏む、かつテントと小屋の選択が可能で登行口標高が2300m、と とてもおいしい山行、さらに幕営組はしゃぶしゃぶでさらにおいしい!
(参加者)
幕営班:松広、エバか、畠田、徳山、金指、清水、エバあ、滝原
小屋班:羽佐田、松田、森永、山本
(なお、エバあ・瀧原・山本は、感冒為当日急遽不参加)
相変わらずNSAはメッチェンがテントを好み、野郎は小屋を好むという傾向が健在!
(記録)
まっちゃん車、松広車、ぼくのクルマに分乗。まっちゃん号と松広号は都内出発、ぼくはキン姉とさゆりさんを途中でピックアップする。土曜出発の合宿は集合に余裕があっていい。
キン姉を狛江駅、さゆりさんを自宅でピックアップするが、さゆりさんは風邪でダウンとのこと。持っていこうと買っていたワインとつまみを渡すので、ということでさゆりさん宅に向かうと路上冴えない面持ちでぼくらを待ってくれていた。
ヤヤも前日から不調である旨聞いていたので、二人欠席、と思っていたら、都内組からタッキーも風邪でダウン、と入電。実のところ、ぼくもその週は風邪ひいて悪くならないけど、よくもならない、という状況でクスリ持参で臨んだのだ。松広もごほんごほん咳しており今ひとつの状況だった…。流行に敏感、トレンディーなぼくらはやっぱり違うなあ!!
と、いうことでキン姉と二人でドライブ ♪
で、かってない出来事が起こった! ハイウエーに乗ってまっちゃん号に連絡したら、まっちゃん号がぼくらよりも先行している、というのだ。遅れたら午後の山行に影響があるので早めに、と念を押していたのがよかった、土曜の都心へ向かう首都高は渋滞が激しく、幾度となくまっちゃんは今まで痛い目に会っていたので、今回は素晴らしい学習効果を発揮。
途中、何度も小便休憩をとりながら(決してキン姉ではない、ぼくは風邪気味だったのでとにかく水分をたくさん摂っていた為、でも大便も一度した)現地へ向かう。
途中、武田信玄のお墓のある恵林寺(えりんじ、広辞苑参照)に寄った。キン姉は当山にとても造詣が深く前から一度訪ねてみたいと思っていたらしい。りっぱなお寺で、うぐいす張りもあり、さすがに武将の寺、という感じ。 ぼくとキン姉が、秋のお寺を訪ね並んで歩く姿はどう見ても、品のいいお金持ちの夫婦みたいだった。
(キン姉は登山靴、ぼくはジャージ履いていたけど…)
まっちゃんは先行しもうじき到着すると言い、松広は降りるべくICを通過してしまった、という。
そういへば昨年の合宿では、ぼくと秀平とさゆりさんは日本3大奇矯の一つ猿橋を訪ねた、こういう名所旧跡をふらっと訪ねられるのもマイカー登山やサイクリングの楽しみであり旅がより豊かになる。
さてさてクルマに戻って大弛峠を目指す。林道入口がちょっとわかりづらく人に尋ねる。無事林道に入るが予想に反して素晴らしい舗装路が続く、かなりの時間走るのだが、道路脇には白樺なども植林されておりぐんぐん高度を上げていくというのではなく、ゆっくりと大巻にしながら高度をあげていく。是非、自転車で上がってみたいものだ
(松広は、こんなにりっぱになる前に走破したことがあり、雪降る中、もう駄目か、と思うところで大弛峠小屋についた経験があるらしい)。
ちょうど予定の12時。大弛峠に到着。まっちゃん号があった。舗装林道はこの峠を堺に信州側へは悪路となっている。ちょうど幕営地に近いあたりに一台スペースが空き駐車できた、そうこうするうち松広号も到着。小屋は道路から少し入った所にあり、幕営地は小屋と道路の間の樹林帯の中にうまく整備されている。
受付を済ましテントをまず設営。メッチェンは松広の大型テント(これをベーステントとする)、野郎3人はぼくの山岳4人用テント。冷たい水もふんだんにある。全員集合したところで昼食を済ます。
13:00 歩行開始。今日は大弛峠より東稜線にある国師岳・千丈岳・北奥千丈岳の2500m超峰を踏むのだ。取り付きからりっぱな木道のステップがかなり設置されており、工事の方々はご苦労さんなのだが、若干味気ない
(ただ、こうしないとオーバーユースにより登山道が荒れてしまい、植生を傷めたり、土砂が流れたりする原因にもなるので、山にこんなもの不要だ、とはいいきれないので自分の価値観あるいは登山者の立場だけで、必ずしも批判すべきものでもない)。
うららかな陽射しの午後、気持ちのいい山稜を上がる。
14:00 最初のピーク、国師ガ岳に到着。秩父や奥多摩の山並みがきれいに見える。やはりこういった険しくなく、山の稜線の美しさ優雅さは外国の山では味わえない。こういった自然環境が日本人の持つ美意識や優しさ、感性に影響していることは間違いない。
次に目指すは千丈岳。途中北奥千丈との分岐があるが、地図と若干位置関係が異なっていた。
14:20 千丈岳到着。ここでは、既に募集登山と思しき中高年パーティーと夫婦が寛いでいた。ぼくらもここでコーヒータイムとした。陽射しを浴びながら、寒からず暑からずのなかウイスキーを舐めるのは誠に至福の時である。
14:50 ピークを後にして、コースを戻り次は北奥千丈岳を目指す。
15:15 秩父最高峰2601mの北奥千丈岳に到着。陽も大分陰ってきて寒くなったので長いせず下山にかかる。
15:40 帰路は夢の庭園と名のついたコース経由で下る。大したことはないが、木板でデッキのようなものを作っており西側の景色はとてもよく明日登る金峰山への稜線が美しく見える。ちょっくらトカゲをきめて(山用語:日だまりで寝転びまどろむ)下山する。
16:20 大弛小屋に戻る。
テント場に集まりしばし寛いだあと待望のしゃぶしゃぶの準備にかかる。小屋組野郎3人はなかなか立ち去ろうとせず、どーもまたしゃぶを狙っているようなので追い払うも粘る。辺りも暗くなりランプを灯して夕食の準備万端。外でこうやって食事ができるだけでもテント山行は幸運なのだ。NSAは大体天候には恵まれ過ぎており楽なことが当り前に感じるが、雨が降らない、ということにもっと感謝すべきだ。
小屋野郎3人はしぶしぶ小屋に戻ったが、タッキーの分が余裕出たので、せっかくだから一口くらい食べさせてやろうと3人に声をかけたら小屋から飛んできた! 本当に一口だけ食べさせて、また追い払った。彼らもせっかく食事付小屋泊にしているのだからこれで腹を満たさせてはいかんので……。
ランプの下でこうやって皆と食事をするのは実に楽しく、山をやってよかったぁ、と感じるときなのだ。
結局、一人400gとなった肉を全部たいらげ、満腹満腹。
この後、ぼくが持ってきた秘密兵器の小型焚き火器具(*)で暖をとりながら皆で語るつもりだったのだが、それがどこにいったか見つからず小屋野郎3人も呼んでベーステントで皆でゆっくり寛いだ。
(*)国立公園に位置しており焚き火行為は禁止だが、直火にならず小枝でも楽しめる秘密兵器でこそっとやろうと思って持ってきていたのだ。
こういう時、大型テントは実にありがたい。夏なら外でも大丈夫なのだが、さすがにこの時期2300mは寒い。
馬鹿話しも終え、ゆーちゃん、まっちゃん、秀平はこそこそと小屋に戻り、ぼくとエバと松広は、男テントへ戻り寝る支度をした。
21:30 就寝。標高が高いうえにテントのなか、しかも酒飲んで風邪薬も飲んで・・・なんだか酸欠気味でぼくは苦しくて寝つきが悪かった。
6:00 起床。早朝冷えていない、天候悪化の予想。辺りもガスに包まれているがまだ雨は降っていない。ぼちぼち皆も起きだして朝食の準備にかかる。昨夜見つからなかった秘密兵器が出てきたので、ちょっと使ってみたが明るいと煙が立つと小屋の人にばれるので止めた。皆で湯を沸かし外で集まって朝食を摂り、テントの撤収作業開始。ここまで雨が降らなければ、もうテント山行は大成功なのだ。後は降っても普通の山行なので問題ない。
7:50 集合出発。今日はいよいよ朝日岳・鉄山経由で金峰山を目指す。樹林帯歩行開始5分ほどで雨が降ってきた。樹林帯なのでまだ傘で十分。テント班にとっては撤収までもってくれたのは幸いだった。
ほどなく歩くと、途中、調査捕獲のものと思われる小動物用のカゴが仕掛けてあった。マサが捕まってないか確認したが、入ってなかった。念のため、またあるかもしれないので、注意しろ、とマサに言っておいた。
8:55 朝日岳到着。木々に囲まれたピークだ。ちょっと休んで歩行再開。小さなアップダウンを繰り返す。
10:00 金峰手前の開けた平坦地(鉄山)に到着。ここで、奇跡が起こった! 今までずーとガスの中だったがいっきに晴れた。しかもコース中一番展望の利くこの場所でだ! なな、なんという幸運! 眼前に瑞堵山、奇岩の聳える廻り目平、秩父の山々、そして八ヶ岳、遠くに北アルプス・・・青空も見える。皆で写真をとりしばしこの展望に酔う。15分ほどでガスがまたかかってきた、歩行再開。
10:30 金峰山頂到着。ここのピークは狭い。記念写真をとって少し降りたところの巨大な鬼の畳を立てたような五丈岩があるのでそこで休憩とした。
どうしてこんな四角い岩がこんなところにあるのだろう。ストーンヘンジのようで昔宇宙人が作っていったのだろうか・・・それとも、でえだらぼっちでいらんぼう、の仕業か?
各人行動食を食べお茶をすする。岩かげで風をよけるが結構さむい。ガスだが雨は上がっている。
11:10 下山開始。先ほどの鉄山、朝日岳を経由し同じルートを戻る。ガスはかかったままで、これから上がるいくつかのパーティーとすれ違うが、彼らもガスが開けることを願う。
13:30 大弛峠に無事到着。小屋前でお茶を飲み、疲れをほぐして、14:30クルマに分乗し帰路についた。
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総括
本当に不思議で仕方ない、ちょうどあの場所であの時だけ晴れて、ぼくらのパーティーだけ景色を見せてくれたようなもんだ。もう10分ずれていれば何も見えなかった。
前日の名所旧跡訪問と午後の柔らかい日差しを浴びながらのゆとりあるハイク、楽しい幕営生活、しゃぶしゃぶ、タイミングのいい天候、そしてなんといっても2日間で2500mのピークを5つも踏むいいコース取り。
またテント持って訪れたい。