生藤山(しょうとうざん)

(日程)
2002年4月21日 日帰り

(テーマ)
春日帰り山行、金田さんのトライアル登山(といっても名簿には掲載済みかつクロカン参加済みなので何の
トライアルかは不明だが、まあNSA本業の山歩きに参加は初めてということか…稲葉が名づけたので知らん)

(参加者)
M:藤野、稲葉、畠田(記)
F:谷野、山本、大泉、金指、金子、金田 計9名

(行程記録)
8:50 武蔵五日市駅集合、賢は予定車輌に乗っておらず、TEL確認するも寝坊、まっちゃんと記念撮影(別途トピックス)のうえ事前手配のタクシーで出発。上川乗バス停まで行く(5400円、30分)。

ヤヤとマサと同じタクシーだったが、ヤヤは前夜さゆりさん宅に転がり込み、朝3時まで調布駅前でバレーボールして遊んだらしい(バレーボールというところが馬鹿げているが飲んでいたのと違って健全でよろし)、警察から気をつけなさいと怒られた由。よって、クラゲのように疲れてでれんとなっている。

カーブ、山道に弱いマサは前に乗って、自分は酔うんだ、ということを思い出すまいと、しきりに何かしゃべっていた。
ブリーフィングがイネからあり、雨支度をして出発準備。藤さんのスタイルを見て(多分レインハットと、雨具とスパッツ姿が長靴風だったからか)、マサから「農家度高いよねー」とか、 キン姉から「牛の世話している人みたい」などと言われ、雨にも負けず明るい声がこだまする。

9:50 歩行開始、早速九十九折に入り、高度を稼いでいく、アプローチはほとんどない。杉の樹林帯で沢はないため
途中での天然水補給は不可。みな暑くなり温度を調整する(山ではこの調整が極めて大事、寒いくらいで歩かないと、休憩時に汗まみれのシャツから体温を奪われる)

笹尾根稜線にでて、アップダウンを繰り返す。稜線の南斜面は原生林で小楢やブナの新緑が水に濡れて一際美しい、桜はもう散っていた。所々、大きな木から滴り落ちる水の先にモリアオガエルの卵のような泡がたまっている所があり、藤さんはそれを見て 「畠田のしょんべん」とか「樹ビール」 とか言っていた。そしたら、何を思ったのか、さゆりさんは、舐めてみていた! (もしかしたら近づいて覗いていただけかも知れないが)

11:00 浅間峠の休憩所に到着。ここにはシェルターがあり、小休止。 そこで、手をよく振って歩くヤヤの歩き方を真似したり(さらにマーチングバンドの先頭みたいにスティック振って歩けとからかったり)、内股が汚れない歩き方を披露したり、相変わらず寸暇を惜しんで馬鹿なことをするのであった。雨だから気分が落ち込む人など誰一人いない。

11:10 歩行再開、稜線歩行であるが案外アップダウンはある。雨降れど気分よくぼくは歌唱しながら歩いた(ぼくは、雨の山行はそれほど嫌いではない、もちろんアルペン的な稜線や岩稜歩きは嫌だが、樹林帯の歩行はさほど濡れず、風も遮られ、木や葉っぱの香り、土の匂いが沸き立つのでことの他自然度が高くなるし、なんかしっぽりとしていい。もちろん雨歩行を楽しむには、靴やその他装備はしっかりしてないと不快になってしまうことはいうまでもない)

12:00 熊倉山手前、軍刀利神社のところに、タープ張るにはちょうどよい場所があり、そこでランチにしようか、と思案したが、イネが生藤山までの等高線を確認し、登りがまだあるので行こう、ということになった(酩酊状態で登りがあると心臓発作の危険あり、と判断したのか?)。メッチェンからは、多少のブーイングが起こっていた。ハーイという返事がなまって「ホワーイ」となった。これは、ある種の賭けだった。みな始めての山なので目的地ピーク前後の状態はわからず、場合によっては、タープ張ることができないかもしれないのだが、この山域の状況からみればどこかはある、と判断して出発した。

12:20三国峠着、フラットな休憩ポイントがありそこでランチとなった。今回は12人の予定だったので、一番大きなタープを持ってきた(雨がサイドから降り込まない様にポールも低い物を持参)。

5分ほどで張り上げ、早速食事にかかる。本来なら、雨のなか傘さしてそそくさと食べないといけないが、この偉大なるタープのお陰でゆっくり雨に濡れずランチを楽しめた。ぼくはこれは相当な価値があるな、一人1000円もらってもいいな、と思った。

さらに、藤さんがビニールシートを持参しておりそれを真ん中に敷き、食料を広げることもできた。
藤さんがワインを持ってきており、イネがそれについて一言講釈たれて、昼食開始。ぼくは今日はエバも秀もいないので泡ないなー、と思っていたら、ヤヤが自らジミーあげると言ってくれたが、温度が低いため解けきれずにフローズンビールであった。

金子さんは、途中温度調整に失敗したのか相当な発汗と合羽の防水状態(合羽でなくウインドウブレーカーだった)が悪くびしょ濡れで身体が冷え切っていたようだったので、ぼくのレインジャケットを着させて、マサがお湯を沸かしスープを飲ませてやり次第に暖まってきたようだった。

金田さんはとても元気で、雨の中お花摘みに出かけていった。タープの窪みに溜まった水を飲料にしようと思っていたのだが、金田さんは花摘んだあと、それで手を洗ったというのでやめた。

13:40 撤収、濡れたタープの担当は賢と相場は決まっているのにいないので、またぼくのリュックに収納した。当然私が持ちますよ、と声をかけてくれるやさしい人はいない。

そこから急な登りを10分弱で生藤山の頂上についた。また、三国峠に戻り下山の路についた。
途中、ヘビともミミズともつかぬ不思議な生物に遭遇したが、これはコウガイビルという奴。(頭部が平たく、髪を結う時に使うコウガイ(笄)に似ているのでその名がついた) また大きなカエルも登場し道中を楽しませてくれた。

15:10 途中、芝桜やつつじと色とりどりの庭先のある、山村風景をよく残した集落を通り、石楯尾神社バス停に到着

15:28 バスが来て、上野原駅に向かった(15分ほど乗車)。
これまたタイミングよく10分ほど待って電車が到着、全員向かい合いに座れて帰路についた。泡を買おうとするとさゆりさんが山で飲まなかったとくれた、藤さんはまたウイスキーを舐め出し、レンジファインダー(*)のトラッドなカメラを見せてくれたところで(なぜ、もっと早く見せてくれなかったのですか!!)、ちょうど立川に着きぼくだけ下車した。

(*)一眼レフは、直接レンズを通ってきた被写体がファインダーに映る仕組みだが、これはファインダーの被写体は直接の被写体そのもの(つまり普通のコンパクトカメラと同じ原理だが、敢えてレンジファインダーカメラと称する場合は高級なものでレンズ交換も可能なものを言う)、特にライカは有名だが、コンタックスなら一般店頭でも置いてあるので、どういうものか一度カメラ屋に行ったときにでも見るとよい。

(トピックス)

(山の豆知識)

(総括)
久々の雨山行(蓼科以来)であったが、相変わらず楽しい山行であった。旧会員は装備も充実し雨の経験もあることからほとんど問題ではなかったかと思う。

金子さん、金田さんにとってはNSA山行(XC、BBQは有り)は始めてで雨なので少ししんどかったのではないだろうか、でも山は雨でも楽しい、晴れれば2倍楽しい、温泉あれば3倍楽しいもんでやっぱり雨でも楽しい。

苦労が多い分、タープ(テント)に入ってほっとする瞬間、雨が上がりレインスーツを脱ぐ時のさわやかさ、駅に着いてほっとする瞬間、すべては思い出深い山行となるのも雨山行。
知恵と装備で雨対策を怠らず、雨天歩きを楽しみましょう。

おしまい