蘭沁大酒店

蘭沁大酒店

 

2007年1月2日

■ミッション11 上海でアートスペースへ行く

 明日は朝の飛行機で帰国なので、実質今日が最終日である。ホテルが変わるので荷物を担いで行動しなければならない。まず退房(チェックアウト)の手続き。ついでに如家酒店オリジナルトランプを買う。こんなものを買う人は珍しいのだろう。フロントのお兄さんはちょっと苦笑いした。 ホテルの前でタクシーを捕まえ、「莫干山路!」と行き先を告げ地図を指す。運ちゃんは何番地へ行きたいのか聞いたようだが、M50号というメモを見つけ納得して走り出した。やがて殺風景な通りに入ると運ちゃんは「この道が莫干山路だ」と言い、正確に入口まで運んでくれた。ここは古い工廠に芸術家達が住み着いたアートスペース。 それ程規模も大きくなく人も少ないので、今一つ盛り上がりに欠ける感じだが、それでも中国にこんな場所ができたというのは、変わったなぁと思う。いずれ定番観光ルートの一つになるだろう。荷物を担いでいる上に雨なので、あまり沢山見ることも出来ず退散。 またも永和大王を探すが見つからず。普通の小吃に入る。蕃茄蛋炒というのがあったので注文してみる。これは中国の定番家庭料理で、かの谷村新司氏も推奨していたので食べてみたかったのだ。これは大当たりだった。このどこにでもありそうな料理が本当にうまい。

 
アートな空間
谷村氏推奨トマトと卵の炒め物

 

 このあたりはバスが拾いにくい場所で、荷物も重いのでまたもタクシーを捕まえる。「南京路外灘まで。」さすがにこれは一発で通じる。高架の道を快適に飛ばし、あっという間に外灘だ。この交通カードは、ボードゲームのワープカードのようだ。

 雨だが外灘は賑わっている。この旅で初めて観光地らしいところに来た。雨に霞む浦東はやはり上海らしい。串に赤い実を6〜8個団子のように挿して売っているサンチャー(さんざし)というものがある。中国国内どこへ行っても売られている。しかし見た目は面白いがあまりおいしそうとも思えず、また食べきれないような気がして手を出せずにいたが今回意を決して買ってみることに。小さなリンゴを飴で包んであるような感じで、思ったよりおいしい。 そのまま南京路に流れ、なぜかジンギスカンが流れている土産物屋を冷やかす。まさか上海で聞くとは思わなかった。そしてようやく見つけた永和大王に入る。しかし看板にはチキンが食べたくなるようないつものオジサンの顔は無い。豆漿を注文して二階の席に落ち着く。西洋人が8列横帯で座っている。後ろの席は日本人の若い男で、しきりに上海女を口説いているのだが、旅先でよくいる典型的な駄目男といった風情だ。「豆漿は本当は冷たい方がおいしいんだけど」というどうでもいいような話を何度も何度も繰り返している。なら冷たいのを頼めばいいのに。うまく頼めなくて冬だからホットが来てしまったのだろうなぁ。中国人女性相手に全部日本語だもんなぁ。異国でどうでもいい男の日本語が聞こえてくる状況はかなり不快である。しかも、内容がなんか幼稚で嫌悪感を覚える。早く退散してもらって落ち着きたいのであるが、向こうも長々と居座るのでこちらの豆漿も底をつき、結局先に出る羽目になる。

 もう少し歩いて第一医薬店へ。ガイドブックにも載っているような店で、1階は冬虫夏草などの高級漢方薬や真珠粉クリームなどのお土産、上は化粧品などを売っている。でも、ワトソンズのほうが品揃えが豊富で面白い。

 地下鉄で龍陽路へ。リニアモーターカーの博物館があると聞いていたが、改装中で見られない。仕方なくリニアへ乗り込む。再び時速430km7分半の旅。タイムマシンで現世へ帰るようなものだ。

 

■最終ミッション オーシャンビューのホテルを堪能する

 さて、これからシャトルバスでオーシャンビューの素晴らしいホテルへ行くわけだ。だが、約束の19:00ちょうど空港の指定された場所へ行くが、誰もいない。藤岡琢也も姿が見当たらない。仕方なく同業他社と思われる他のブースのお姉さんに事情を話すと、携帯でどこか連絡してから、そこでしばらく待ちなさいという。しばらく待つと角刈りの兄ちゃんが現れ荷物を持っていく。この人についていけばいいらしい。

 シャトルバス・・・は明らかにくたびれたサンタナであるが、気にしてはいけない。これに乗って夜の高速道路を走ってゆく。男は何も喋らない。ジャンクションの光の帯が幻想的で、その中をリニアが走り抜けてゆく。SFの世界をちょっと暗くした未来都市だ。途中で高速を降りると完全な闇の中を進んでゆく。夕食を食べていなかったが、とてもありつけなさそうな場所である。6〜7分という話と随分違うが不動産屋だと思えばいい。

 一応宿に到着したらしい。まぁまぁ新しい感じの部屋だ。ただ、浴槽が無くシャワーのみだった。これを確認しておかなかったのは失敗だったがまぁ仕方ない。暖房もよく効くし、窓も二重窓でよく閉まる。しかし、洗面所のお湯が出ない!だが、ここで慌ててはいけない。落ち着いてカランを冷水の方へ回そう。ほうら暖かい湯が出てきた。テレビだってちゃんと東芝だ。ん?ちょっと待て。

 
TOZHIBAって書いてある・・・

 

 サザエさんもびっくりである。しかも、起動画面に赤いダブルハピネスが表示されるちょっとシュールなテレビだ。 とりあえず、駄目元で食堂を探しに外へ出る。海浜漁村という食堂の看板があるが、閉まっている。しかし、こんな場所だが超市がある。雑貨屋に限りなく近い超市だが、結構品揃えは豊富で値段も安い、なかかな使える店だった。結局ここで怪しいカップラーメンなどを買っていくことにした。今麦郎というのを買ってみる。パッケージには神田川風の鉄人が三人並んで写っていて、なぜかおまけにザーサイパックが付いている。それとコマーシャルでやっている康師傳の香辣牛肉面。それから、とうもろこし入りソーセージや三得利ビールも買い込む。ささやかで、でもちょっとうれしい夕食である。部屋に戻りカップラーメンにお湯を注ぐ。中からフォークが出てくる中国カップラーメンはやはり便利だ。しかも、カップラーメンはプラスチックの小さなフォークで食べるとおいしい。香辣牛肉面はそのままでも結構辛いが、さらに激辛粉が付いていて、更に高いステージへと進めるようになっている。
起動ロゴが表示される
外観はこんな感じ

 

 

2007年1月3日

 昨日は夜だったので外は見えなかったが、朝には窓の外にオーシャンビューが広がっているはずである。カーテンをオープン。

 
見なかったことにしよう

 

 7:30にフロントから電話が掛かってきて、下へ降りる。しかし、車はなかなか出ない。角刈りの兄ちゃんと話をする。片言が話せることが好印象だったらしく、笑顔が見える。どこへ行った?何日間だ?旅行か仕事か?というような事を話す。

 角刈りの兄ちゃんが日本人のおっさんに話しかけられて困っている。この人もどうやら空港で藤岡氏に捕まり、ここまで拉致されてきたらしい。で、いったいどこにいるのかということを、ほぼ日本語で話し掛けている。「日本人ですか?」と話しかけると、一瞬驚き、それから安堵した表情に。

 8:00、バンに人と荷物を詰め込んで、空港へ向け出発。運転はやはり角刈りの兄ちゃん。高速を走って空港に横付け。別れるとき角刈り兄ちゃんががっちり握手を求めてきた。さわやかでいい笑顔だ。チェックインを済ませ最後のお土産を買って乗り込む。滑走路が混んでいるということで、30分ほど待って離陸。隣が空席なので快適なフライト。機内食もうなぎなんかが出てちゃんとおいしい。

 なぜかまたも定刻に着陸。暖冬で雪は無い。空港の第四銀行は正月から開いていたので、元を円に戻す。これまたレートが良くない。どうせまた行くのだし、元のままとっておけばよいのだが、帰りの高速代が無いので換えざるを得ない。駐車場は国際線の航空券で割引になると聞いていたので、航空券を差し出すが、そんな制度はないと言われる。日本に戻ってまで「没有」かと思う。