2004年カンボジア(アンコールトム)
ごはんがうまい。アジアは辛いイメージが強いが、カンボジアは辛さはほどほどに、甘さを上手に使っている印象である。そのかけらをテーブルの下に落とすと、食堂の猫がすぐにそれをさらった。それから、うちのテーブルから動かなくなり、切ない瞳でじっとこちらを見つめるのである。
小さい頃に、まだその頃はめずらしいカンボジア料理の店に連れて行ってもらったことがあった。もう味はあまり覚えていないが、子供心にもおいしい料理だったという印象だけが残っている。こういう味だったんだなぁと再確認する。そして、その時は飲まなかった(はずである)よく冷えたアンコールビールがあるヨロコビ。これがまた、日本で売られていないのが不思議なくらいにうまいのである。コクがあるのにキレがある・・・、という宣伝をしてはいないと思うが、本当に味わい深いビールで、カンボジアめしにもよく合う。
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昔行ったその店の名はアンコールトムと言った。アンコールトムとはアンコールワットのように遺跡の名前ではなく、街の名前だと教えられる。その顔が四つ付いた城門をくぐり、ここのことなのかと、また再確認。
この街のいたるところに遺跡がある。この遺跡、他の国で言えば城であったり寺院にあたると思うが、結構自由によじ登ったりできてしまうところが大らかだ。日本の城の石垣によじ登ったりしたら、どうなることやら。まぁ、これから観光客が増加して、遺跡を傷める人や落ちて怪我をする人が出てくると、タイガーロープで囲まれ、遠くからオペラグラスで眺めるようになるのかもしれない。
日本は「アメリカではこうだ」「ヨーロッパではどうだ」というのに滅法弱い。だから「なにか気に入らなければ訴訟を起こす」という欧米的な考え方が随分はびこってきた。そして、日本はどんどんつまらない国になっていっている。どんな小さなため池でも金網に囲まれているし、屋上には鍵が掛かっている。手続きはどんどん煩雑になり、便利なものはどんどん不便になっていく。アジアはそうなって欲しくないが、韓国は完全に同じ袋小路に入ってしまったし、その後ろに中国がついてきているのが見える。この国はこれからどうなっていくのだろう。
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