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『ヨコハマ買い出し紀行』
たかさきはやと
ヨコハマ買い出し紀行。1
カフェアルファに少年がやってくる。あきらと少年。引っ越して来たんだとあきら。よろしくねとアルファ。しばらく店を眺めているあきら。しかし客がいないね。ちゃんとやってんのとあきら。一応店だよとアルファ。やっぱり百万は最低でも稼ぎ毎日回転させないと店じゃないよとあきら。ぼくは立派な大人になって立派な店を開くんだとあきら。そのときは遊びにいくよとアルファ。ぼくがこの店プロデュースしてやるよとあきら。闇が夜のおとずれを告げる。腹減ったなとあきら。なんか食べさせてとあきら。いくらもってるのとアルファ。小銭がじゃらじゃら。これで食べられるのはそうめんだねとアルファ。しけてる店だなとあきら。じゃよろしくとあきら。あきらの前にそうめんが出てくる。ふたつある。私も夜ごはんだよとアルファ。まったくなってない店だと。ぼくがしっかり叩き直してやるよとあきらはそうめんを食べる。うまいねとあきら。よかったとアルファ。夜はふけていく。
ヨコハマ買い出し紀行。2。
昼間にあきらがカフェアルファにやってくる。よくくるねとアルファ。この店に効率を導入してやるとあきら。効率よりもだいじなものがあるよとアルファ。そんなものないけど聞くだけ聞くよとあきら。人を幸せにすることがなによりだいじなことなんだよとアルファ。つまらない話だねとあきら。私の師匠たちはそういうこと教えてくれたのよ。そしてある日神様もそういったのよとアルファ。ありえない。神なんて話さないし商売の神様ならばもっともうけることをいうよとあきら。あなたにも神様の声が聞こえる日がくるよとアルファ。あまりぴんとこないけどもとりあえず聞いておくよ。どっちがビジネスの天下をとるか勝負しょう。きっとこっちだよとあきら。そうだといいねとアルファ。敵に塩送ってどうする気だよアルファはねじが足りないんだ。やっぱりロボットには規制が必要だよとあきら。政治家の先生に知り合いがいるのとアルファ。あんな金の亡者に知り合いはいないね。機会があれば選挙に出てもいいよとあきら。なにか政策に反映させたいことはあるかいとあきら。もっとコミュニティがあるといいなとアルファ。まかせといて。あまり政治家の仕事じゃないけどもさ、いっとくよとあきら。しばらく経つ。あーなんでこんなに時間はゆっくり流れるんだとあきら。私にはあっというまだよとアルファ。こんな退屈な世界はやっつけてやるよとあきら。ただゆっくりと生きてるだけでとても楽しいけどねとアルファ。まったくなってない。それじゃ立派な人にはなれないよとあきら。うんがんばるとアルファ。ぼくのことは先生と呼びなさいとあきら。はい先生とアルファ。なにも考えないのはいけないよとあきら。はいとアルファ。それじゃまずこれを教えるよとあきら。夜は老けていく。
三話。青空に青い風が吹く。あきらといるアルファ。またひっかかったあきらがげらげら笑う。そんなんじゃおれおれ詐欺のかもだよとあきら。そうだね。信じやすいのが難点だとアルファ。昔、人工知能が出始めの頃にね。おまえは人口知能だといううそが流行ったのよとアルファ。それで人が死んだとアルファ。いいうそはないのかねとあきら。物語とか歌はいいうそなんじゃないのとアルファ。なんだああいうのは全部うそっぱちか。くだらないんだなとあきら。見て聞いて残った幸せはほんものだよとアルファ。てきとうなこと並べるだけで金になるなんてやろうかなとあきら。ココネが入ってくる。あら新顔さんとココネ。あきらだよとあきら。ひさしぶりとステップをふむアルファ。コーヒーかなお茶かなとアルファ。じゃあ緑茶をとココネ。いすにすわるココネ。仕事はこっちでもできるから一緒に住みたいなとココネ。ごめんうそだよとココネ。いいよとアルファ。うそだけどねとアルファ。笑い出すふたり。うそついてるのに笑ってるのかとあきら。じゃあ今日からいいかなとココネ。いいようそだけどとアルファ。日は暮れていく。
四話。雨が降る昼。ココネとアルファがお茶している。昼からお茶なんていいねとアルファ。このままじゃいけませんとココネ。お客様がこないんじゃ話しになりませんとココネ。もっと魅力的な一品を追加しましょうとココネ。いやまあそうだねはははとアルファ。笑い事じゃなあーいとココネ。まったくそのとおりだねとアルファ。そうでしょうとココネ。わかっていただけますかとココネ。わかるわかりますよとアルファ。でもね。もうけって幸せの代価でしょ。いかにぜいたくしたかが幸せだと思うとアルファ。ゆったりとまったりとがぜいたくだと思うな。ぜいたくしたら自然とおさいふもゆるむ。これこそ愛よなんてねとアルファ。おじいさんが入ってくる。コーヒーだすココネ。やるねとおじいさん。カフェアルファですからとココネ。それじゃ一曲とアルファ。海の上にアルファがいる。踊る紋様の月とアルファ。自然は雲が走り雲の中からカーテンの光り。そしてアルファは歌う。にぎやかに時はふけていく。
五話。よく晴れた昼。おじいさんがやってくる。スペシャルってなんだとおじいさん。コーヒーと緑茶と牛乳をブレンドしたものですとココネ。うどんとそばを一緒にというのもありますとココネ。それじゃそれくれとおじいさん。しばらくしておじいさんが食べている。相手の話を聞くのは当然だと思うとココネ。でも自分の話題もしないと人は生きていけないよとアルファ。相手がまちがっていることははっきりいうしかないですねとココネ。そうしないと自分が生きていけませんとココネ。服洗濯しといたからねとココネ。ありがとうとアルファ。いい支えあいだなとおじいさん。まるで何十年も一緒に住んでたみたいに息ぴったりなんですとココネ。よかったよかったとアルファ。お互い様だねとココネ。まんずいいねとおじいさん。あきらが入ってくる。緑茶入れてあげるねとアルファ。ありがとうとあきら。ゆったりとした時が流れる。
六話。曇りの昼。ココネが元気がない。働きすぎだよココネの仕事とここと両方やってるから休息が必要だとアルファ。いえいえ働きます。それが自分の生き甲斐やり甲斐なんですからとココネ。休め光線発射とアルファ。休みたくなる休みたくなるココネあなたは休みたくなるよなるなるなるなるとアルファ。涙をぬぐい席に座るココネ。紅茶を入れるアルファ。お客様なにになさいますかとアルファ。それじゃ休息をとココネは笑顔になる。アルファも笑顔になった。笑いあうふたり。ゆったりと時は流れていく。
七話。晴れと少し曇りの昼。本を置くアルファ。読んでほしいからとアルファ。幸せ探しはだいじなことよとアルファ。幸せ探しが幸せよとアルファ。なにが幸せかなあとココネ。ココネと一緒にいられることとアルファ。店ができることとココネ。曲を聴けることと曲をかけるアルファ。本を読むこととココネは本を店に置く。みんなと一緒にいることとアルファ。みんなって人類とココネ。そうだよとアルファ。みんなと一緒にいられることが幸せなんだよとアルファ。いいねそういう幸せとココネは涙をぬぐう。幸せ探しという幸せはいつだって私たちを幸せにしてくれるとアルファ。そうだねとココネ。ゆったりと時は流れていく。
八話。青空だけの晴れの昼。愛とダークエレメンタラーの本を置いたらよく売れる。助かるねえとアルファ。もうけのある一品をもっととココネ。もうけじゃないよとアルファ。もうけより愛だよとアルファ。今朝夢を見たのとココネ。アルファがどこかにいってしまう夢とココネ。どこにもいかないよとアルファ。ずっとここにいるよとアルファ。どこにもいかないよ。ずっとここにいるからねとアルファ。ありがとうとココネは涙をぬぐう。幸せ探し今日も幸せ見つけたよとココネ。それはよかったねとアルファ。ゆったりと時は流れていく。
九話。雨のち晴れの昼。いい歌買ったからかけようとアルファ。店を私物化してはいけませんとココネ。いいじゃないとアルファ。幸せは作りだすものですとココネ。だからまあ会社が商品作ったりしてるんじゃないとアルファ。人は幸せを作り出せる。幸せという魔法が使えるとココネ。そうだね。幸せの魔法はいろいろあるねとアルファ。サプリ飲むと大抵の病気はだいじょうぶになりますとココネ。本を読むと魔法となるよねとアルファ。いろんな幸せが人を彩っているとココネ。ココネは幸せ。私は幸せ。幸せと幸せが出会ってカフェアルファのいまとなったとアルファ。それも幸せの魔法だねとココネ。幸せだねとアルファ。いいことしてきたから神様がごほうびくれたんだねとココネ。そうだねとアルファ。いつもありがとうとココネ。いつもありがとうとアルファ。ふたりは笑いあう。ゆったりと時は流れていく。
十話。一日曇りの昼。なんとなくすごす時はとてもいいとアルファ。なんとなくな時の流れは幸せですねとココネ。ゆったり時がすぎていくのを感じているときはいいねとアルファ。そのゆったりさ加減がぜいたくですねとココネ。鼻歌を歌うアルファ。絶好調ですねとココネ。幸せでなかったら生きないが時世の句なのよとアルファ。なんててきとうな句でしょうとココネ。ココネは希望なんて感じるかなとアルファ。トモシビが見えなくてさまよった日々。そのときにアルファさんと出会った。トモシビ見つけたよとココネ。それはいいねとアルファ。あきらが入ってくる。にぎやかにゆったりと時は流れていく。
十一話。雨の昼。お好み焼きを作りふたりで食べる。幸せすぎるねえとアルファ。こんなに幸せでいいのかしらとココネ。いいのいいのとアルファ。こんな幸せなら永遠に続いてほしいなとココネ。そうだねとアルファ。風がもうあたたかいねとココネ。季節風かなとアルファ。雨のときはさむいよねとココネ。暖房入れようかとアルファ。ほんとうに幸せだなあとココネ。幸せは奇跡なんだよとアルファ。いい奇跡だねとココネ。子供が生まれるというのも奇跡だよねとアルファ。私たちも生まれた奇跡のなかで生きるとアルファ。奇跡を抱えながら人は生きるんだねとココネ。生み出された奇跡を神様に感謝しながら生きるとアルファ。おじいさんが入ってくる。なにがいいかなとアルファ。にぎやかに時は流れていく。
ヨコハマ買い出し紀行はすべてアニメ化して流したいテレビ局すべてで流してください。歌はあるもので。
十二話。曇りの昼。カフェアルファにてふたりはすごす。幸せの時代だねとココネ。幸せの奇跡が時と流れるとアルファ。この時が永遠に流れればいいのにとココネ。もうすでにそうなってるのかもよとアルファ。そうかもねとココネ。幸せの疾風が心の中を流れていくとアルファ。ここは幸せの旋風が吹いているとココネ。願いは幸せになってほしいんだとアルファ。それはここが幸せの場所なんだねとココネ。幸せの魔法かけちゃうぞとアルファ。幸せの魔法にかかってしまえかかってしまえーとアルファ。幸せの魔法にかかったよとココネ。幸せだねえとアルファ。幸せだねえとココネ。コーヒーでも飲まないとアルファ。うん飲むとココネ。おだやかに時は流れていく。
十三話。晴れのち雨の昼。ゆったりと生きていくとアルファ。そのゆったりさが幸せなのかも知れないとココネ。ゆったり過ごす幸せは最高のぜいたくだからねとアルファ。幸せの流れがゆったりと心の中を流れてゆくとココネ。幸せの流れはここにゆったりと流れているとアルファ。心の中が幸せの流れに満たされてゆくとココネ。心は幸せの流れに永遠に無限にゆったり流れてゆくとアルファ。その言葉と幸せのイラストが。今日は昼になにを食べようかなとココネ。どこにいてもいいとアルファ。悩んでいてもいい。ココネはココネでいいんだよとアルファ。アルファさんがいてよかったとココネ。私もココネがいてよかったよとアルファ。おだやかに時は流れていく。
十四話。曇りのち曇りの昼。アルファは歌を歌う。
幸せは風にある。幸せは心にある。幸せは言葉にある。
幸せは人にある。幸せは歩く先にある。幸せはあしたにある。
幸せはテレビにある。幸せはラジオにある。幸せは本にある。幸せはネットにある。
幸せは会話にある。幸せは輝きにある。幸せは音楽にある。
幸せは歌にある。幸せはゆっくりにある。幸せはティータイムにある。
幸せはお茶にある。幸せはコーヒーにある。幸せは私にある。
幸せはあなたにある。幸せは家族にある。幸せはふれあいにある。
幸せは子供にある。幸せは未来にある。幸せはいまここにある。
幸せは涙にある。幸せはぬくもりにある。幸せは流れにある。
幸せは愛にある。幸せは人にある。幸せは雨にある。
幸せは太陽にある。幸せは海にある。幸せは山にある。
幸せは物語にある。幸せは広がり続けている。幸せは自分とつながっている。
幸せは笑顔にある。幸せは生まれ変わる。幸せは豊かさにある。
幸せは託す人にある。幸せは自分にある。幸せはみんなにある。
幸せは満足にある。幸せはありがとうにある。幸せは感謝にある。
幸せは離れたと思うと近づいてくるもの。幸せは忘れた頃にある。
幸せは思い出。幸せはゆっくりと流れる思いの歌だからさ。
楽曲 幸せはあなたの笑顔。
おじいさんもあきらもココネも大喝采である。時はゆっくりと流れていく。
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