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対話式日記




鈴木「はじめに、これは日記を対話形式にしただけで、問題をどうこうすることではなく、その主体はあくまで日記であり、また、この文章は危険」
(瑠璃)「ここまで読んできて、あなたが危険でないことを知らない人はいないでしょうに。それで、なにを話すのですか」
鈴木「私を視聴する、つまり私の映像や音声など、危険ではないのか、古くて新しい問題をとりあつかいたい」
(瑠璃)「いきなり本筋とは、余裕がないのですね」
鈴木「とくに最近は危険性が言われるのだから、あせりもする」
(瑠璃)「気持ちはわかります。余裕とやさしさと希望がないと人がたちゆかないのも確かです。けれども、あなたの希望も必ずしもやさしいとは言わないのですけれど。最近お酒の量が多いですよ」
鈴木「一日500ミリリットル、ビール一缶だけじゃないか。視聴はすぐに停止すべきではないか」
(瑠璃)「あなたは物事を決めるのが好きなのですか、進めるのが好きなのですか、希望するのが好きなのですか」
鈴木「そんな古くさい言葉はいらない。すぐになにか対策を」
(瑠璃)「確立を求めるのですね」
鈴木「そうだ」
(瑠璃)「あなたは人を無菌状態のカプセルに閉じこめておきたいのですか」
鈴木「そうは言わない。けれども危険が続くのはよくないことだ。安全を欲するのはごく自然なことではないか」
(瑠璃)「あなたは必要なものが危険だと言うのですね」
鈴木「確かに車や酒や武器になりそうなものはあり続けている。酒を禁止したアメリカでは、密売でうるおったマフィアが暴れていた。けれども、安全性を求めないでなにを求めるというのか」
(瑠璃)「切迫しているのですね」
鈴木「現実が私を休ませてくれないのだ」
(瑠璃)「現実は免罪符ではないのですよ」
鈴木「これは私が始めたことではない唯一のことだ」
(瑠璃)「音声についてはそうでしょう。けれども、それを容認してきたのも確かなことでしょう」
鈴木「これがすべて私のしたことだと言うのか」
(瑠璃)「抽象すぎて話しが見えません。あなたは責め合うためにいるのですか、話し合うためにここにいるのですか」
鈴木「話し合うためだ」
(瑠璃)「ならば、もっと整理された要点のある話しを求めるのです」
鈴木「被害は甚大だ」
(瑠璃)「あなたのパートナーは恐怖ですか」
鈴木「なにを言っているのかわからない。解決策はないのか」
(瑠璃)「あなたの言う解決策がなにか知りません。私はあなたが幸福であれば、それで満足なのですから。あなたは違うのですか」
鈴木「私は、他の人が安全で幸福であれば、別になにも望むことはない。いまの視聴だっていいと思う」
(瑠璃)「ならばいいでしょう。あなたの答えはある程度見えたように思うのです。たとえ現実がすぐにそれを隠してしまったとしても」
鈴木「そうか。もっと話しをしたい」
(瑠璃)「無理はしないものです。別の話は時間をまた作りましょう」
鈴木「そうだな、それがいいかも知れない」
(瑠璃)「あなたに幸福がありますように」
鈴木「私もそう思う」
(瑠璃)「それでは、また」












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