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猫の町 京の変









猫の町 黄金の都





妖艶なる猫がいる。
夜暗い道にきみがいる。
月が草道ときみを照らしている。
ぼくはきみと歩いている。
ぼくはきみのことを綺麗だと言う。
きみははにかんだように笑う。
風はきみを過ぎて、ぼくにほのかな臭いをそよぐ。
梟がほーほーと鳴いている。
雲が淡い月の光にゆらゆらと輝いている。
きみはくすくすと笑う。
この月夜が楽しいのだと笑う。
ぼくはそんなきみを見ていることに、ゅっくりと笑顔になる。
木々の葉は夜の曲を奏でる。
なんて自然は騒々しく、静かなのだろう。
ススキの原っぱの前で、きみをぼくは抱きしめた。
猫がにゃあと鳴いた。







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