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『メジャー』

たかさきはやと




























1話。腕直しましょうかと医者。びっくりするごろう。再生医療ですかとごろう。そうですねと医者。投手として復活したごろうはまずは様子見として二軍の投手から始まる。昼日中「ひるひなか」練習しているごろう。おめえ新人のわりにゃえらそうだなと酒びん飲み飲みの中年はげおやじが話しかけてくる。誰だあんたとごろう。おれは新人じゃねえのとごろう。えらいんだとごろう。期待の大型新人なんだよとごろう。どっちなんだよとおやじ。あんた誰なのとごろう。おれはコーチよ。コーチのほりえじろうというのよとおやじ。酒を昼間っからなんてなーんかあやしいなとごろう。でも確かに他のコーチから出ていけといわれないね。それでなにか教えてくれるのとごろう。野球とはなんだとじろう。タウンボールが英国移民によってアメリカに持ち込まれていまの野球になったという説が有力ということかとごろう。野球とは流れを作りだすゲームだ。より幸せな流れを作りだしたほうが点をとり流れを生み出せない奴は打つ奴も投げる奴も殺される。つまりアウトだな。つまりなんだよ野球とはとごろう。つまり野球とは美くしい流れだ。美くしい流れは人を幸せにする。それを生み出すのが選手と監督やコーチだとじろう。美くしい流れを見せたほうが勝つようにルールはできてる。より幸せにしたほうが勝つとじろう。うーむいまひとつ納得しないけどもそれでどうしろってんだとごろう。描く流れはボールと塁に出た選手によって描かれる。美くしい流れをしてると自分もとても気分がいいものだ。一瞬ヒーローに変身している。後日ヒーローとして語られたりもするものだ。そのいい感覚をつかめ。その感覚をよりとぎすました姿がさらなる感動をもって幸せを生み出すんだとじろう。へーへーそうですか感覚ねとごろうは練習する。


2話。練習してるごろう。おまえは投手だなとじろう。ストライクとりたかったらどうするとじろう。かけひきかなとごろう。ストライクをとりたかったらストライクに投げることだとじろう。はー。あたりまえだろうそんなこととごろう。そんなことで助かったら苦労ないよとごろうは愚痴る。ただストライクならやばい。魔球ならどうだとじろう。魔球をいくつも覚えていくこととじろう。いくつもとごろう。長く考えろ。長く活躍したかったら長くものごとは考えること。来年や十年後の活躍を見据えて練習することとじろう。打つにはどうするとじろう。チャンスを待つかなとごろう。ただチャンス待っていてもチャンスは来ない。練習でこれをチャンスボールにしたいものをとことん練習して自分のチャンスボールをふやしていくこと。自分のチャンスボールをふやすのはテニスでもサッカーでもバスケットでもなんでもそうだ。そして一言やろうじろう。なんだとごろう。野球は2「ツー」ストライクからだとじろう。はあそうかとごろうは練習する。ひたすら練習するごろう。おいとじろう。なんだとごろう。ちょい休憩と思ったら柔軟をいろいろしておけよ。柔軟はケガの対策になるんだとじろう。へいへいよーとごろうは柔軟している。夜が暮れていく。






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