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『生きて』
たかさきはやと
第一話。初めての生きて、いま生き残る道。
自分「もう死にたい」
ミラル「あなたとの時間を待っている人がいます。死なないでください」
エルフィール「勝てばいいんだ。生きればそれでいいんだ」
自分「エルフィールはそう言うが強い人だけが生き残る世界じゃないか」
エルフィール「文句いうな。いままで生き残れたこと自体がおまえが強いからじゃないか。生きればいいんだ。痛くて苦しいのが人生だ。さらに強くなれ」
ミラル「生きたくても生きれない人もいます。大事な時間なのですよ」
エルフィール「生き残って笑ってやろうぜ。生き残って寿命で死のうぜ。生き残って幸福になろうぜ。死んでも生きろ。次に死ぬと言ったら叩き斬る」
自分「ありがとうエルフィール。気持ちだけ嬉しくもらっとくよ」
エルフィール「そうだよ自分にとことんてこ入れしてみようぜ」
フィル「あなたが望むのなら死んでもいい。けれども生きるという道もあるでしょう。自分を助けるのは最後には自分しかいない。また一緒に旅をしましょう」
自分「ありがとうフィル。それじゃまた」
第二話。ふたつめの生きて、生きてなんぼ。
自分「もうだめだ」
エルフィール「おまえも面倒な奴だな。生きればいいんだよ。生きることは正義だ。おまえも正義のヒーローになれ」
自分「悪役でいいからひと思いに殺してほしい」
ミラル「なにが正しいか迷うことはある。けれども生きることは無条件に正しいことだとそう思うのです」
エルフィール「死んだら金が儲かるっていうのか。死んだら誰か幸福になるっていうのか。自分勝手なこと言ってんじゃねえぞ」
自分「生きろ生きろというけれど、この人生をどうしのげばいいんだよ」
エルフィール「狩りや魚釣ってくればしのげるんじゃねえの」
ミラル「趣味とか仕事とか困ったら役所に言ってしのぐとか」
自分「世の中が死ねと言わんばかりなんだよ」
エルフィール「だったら世の中と戦えよ。逃げ帰る場所が天国だと思うなよ。おまえの気持ちがぬるいんだよ。死ねと言ってるのはおまえ自身じゃねえか」
フィル「人生は自分との戦いです。それに勝利した者だけがそのいただきにたどりつくことが出来るのです。そこはえもいわれぬ世界です。私たちと一緒に旅に出てみませんか」
自分「分かったよ。ありがとう。それじゃまた」
第三話。みっめの生きて、生きてから。
自分「もう一生分働いたよ。死んでもいいだろう」
エルフィール「そんなこと言うおまえの心は醜いこと見れたもんじゃねえな」
自分「なんだとこのやろ、痛ててて」
エルフィール「馬鹿か。ドラゴンの爪砕く私に勝てるはずねーだろ」
ミラル「あなたは世界にひとつだけの花。大事な花なのですよ」
自分「こんな死にぞこない、世界は必要としてねえよ」
エルフィール「自分で自分を必要としろ。世界になにか言えるご身分か。寝言は寝て言えよ」
自分「世界に勝手に生み出しておいて幸福になれとか無茶苦茶なんだよ。こんな人生が努力の報いか」
エルフィール「世界が無茶苦茶ならその世界に一矢報いてやろうぜ。お前が自分の人生に報いれよ」
フィル「報いとはあなたの気持ちが幸福になること。生きることに感動することです。死ぬ道が単調であるならば生きる道はどれだけ多様なものであることでしょうか。死ぬのはいつでも出来ます。いまは生きてみませんか。いましか出来ないことを楽しみましょうではありませんか。生きることとは道を歩くこと。旅をすることです。一緒に旅をしてみませんか」
ミラル「限界な時は無理せず寝込んでみたらどうですか」
自分「ありがとう。分かったよ。それじゃまた」
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