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ダークエレメンタラー 









トゥルトゥル第七十二話。


エピソード1
 一行は旅をする。がいこつたちと戦うエルフィールたち。応戦する。「いちぬけた」とエルフィールは逃げてゆく。「おまえというやつはあーっ」とミラル。「いいからここはなんとかしょう」とジョルディー。「さすが。たよりになる」とミラル。草原でねそべるエルフィール。「あんたというやつは真っ先に逃げやがって。なんてやつだ」とミラル。「見つけたよ」とエルフィール。エルフィールの手には光るものがある。「なにそれ」とミラル。「希望と絶望だ」とエルフィール。「いまでは貴重かもね」とミラル。ポケットにしまうエルフィール。「いくつかの文化は流れをやめた」とエルフィール。「おちこんでない」とミラル。「まあね」とエルフィール。草原は光りに輝く。「それもいいさ」とエルフィール。「あなたはあいかわらずね」とミラル。「なんにも気にしないのがいいのさ」とエルフィール。「あなたらしいわ」とミラル。「しあわせは儚はかないから」とフィル。「そうかもね」とエルフィール。「いつものまま」とジョルディー。「さあ旅だ。旅がしたい」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード2
一行は旅をする。遠くに人波がある。「流浪の旅人たちだわ」とミラル。「旅する民族か」とエルフィール。「あんたらも旅人か」と老人。「なんかおごってちょうだいよ」とエルフィール。「あんた誰だ」と老人。「他人におごってもらうなんて」とミラル。「いいじゃないの」とエルフィール。「まあいい。牛もいるからミルクをやろう」と老人。「いいねえ」とうちとけているエルフィール。「いいやつだなあんた。これも食え」と老人。「いいねえ。いやあありがたい」とエルフィール。「あんたというやつは」とミラル。男女が踊る。「かれらは結婚だ」と老人。いっしょに踊るエルフィール。「そういうことすると婚期が遅れるよ」と老人。「あっはっはっ」とエルフィール。「聞いちゃいないばかだから」とミラル。天使がやってきてエルフィールにコブラツイストする。「あうち」とエルフィール。「いわんこっちゃない」とミラル。ひとりころげまわって笑っているエルフィール。「いやあいい日だ」とエルフィール。「あほには負けるわ」とミラル。しばらくいっしょに旅をしたエルフィールたち。食事も楽しみ旅の話もお互いもりあがった。子供たちとも仲良くなった。「ねえいかないで」と子供たち。「いつもいっしょさ」とエルフィール。「ありがとう」とミラル。「いつでも呼んでください」とフィル。「楽しかった」とジョルディー。「みんな太陽のしたにいるよ」とエルフィール。泣き出す子もいる。「おおきくなれよ」とエルフィール。「さあ旅だ旅がしたい」と一行は旅立つ。


エピソード3
草原にドラゴンがいる。「いやあどうも」とエルフィール。「あわわわバリュウス。レッドドラゴン。出番よおおおお」とミラル。「知らん」とレッドドラゴン。「あねさんおちついて」とバリュウス。「ふむ人の子よ。なにかようか」とドラゴン。「いやあなんでかなあ。あのさ。あんただあれ」とエルフィール。「我はドラゴンレギュードーゴーン。ただのさんぽよ」とドラゴン。「ひまならダンスでもするかい」とエルフィール。「なにいってんの。ここは金がいやそれよりもあのそのもってるものだしなさい」とミラルはあたふたしてる。「ドラゴンていうのは長く生きるだろう。だからって人生楽しまなくちゃそんそん」とエルフィール。「ふむぐたいてきには」とドラゴン。「鼻ほじるとか」とエルフィール。「なにいってるでやすか」とバリュウス。「ふむおもしろい」とレッドドラゴン。「おもしろいんかい」とミラル。「お楽しみはここからさ」とエルフィール。「さすがに黎明の騎士というのはなにかあるのかな」とドラゴン。「私は黎明の騎士ではない。一緒にしないでもらおう」とレッドドラゴン。「いつもいっしょじゃないの。いけずう」とエルフィール。「あまえてもだめだ」とレッドドラゴン。エルフィールの手が光る。ジョルディーと光りで斬る。幾千の旅の果て。それはいつか見た幾千年の大地。その果てにエルフィールたちの見た風景。「幾千万の風景が舞い踊る。なんと美くしいなんと楽しい。すばらしいな。おまえたちの旅は見事だ」とドラゴン。「いやあそれほどでもないよ。あんたもずいぶん旅してきたんだろう」とエルフィール。「そうだな何億年という旅であった。いいだろう。人の子よ。いつでも我を呼ぶがいい。おまえの人生その姿見事だ」とドラゴン。「ありがとさん」とエルフィール。「人にはよく好かれるのよねえ。なんでかしら。エルフィール。あんたは不思議な人よね」とミラル。「そういう道もあるということなのです」とフィル。「エルフィールのままに」とジョルディー。「人生はつらいものだ。けれどもふりかえった歴史はときにあたたかい」とらいでん。「すべて神のままに」とハイベル。「音楽はすべてつつみ流れゆく」とダミエールは弾く。「そんなところが我もいやまあいい。ゆこう」とレッドドラゴン。「そうでやすそうでやす」とバリュウス。「さすがでやすね。でもまた金がもうからない。それは残念でやすよ」とバルディ。小鳥が鳴きまわる。「さあ旅だ。旅がしたい。いま旅立ちのとき」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード4
それは現代のこと。カラオケで歌いまくるエルフィール。「ちょっとちょっとエルフィールさんよお」とミラル。「なにどうした。はもりたいのか」とエルフィール。「のんきにカラオケじゃねーよ。私はねわらしわねえ。ひっくういー」とミラル。「できあがってらっしゃる。ははは」とエルフィール。夜の歓楽街を歩くふたり。「ジョルディー先輩みたいな人と結婚できたらなあー」とミラル。「そんな夢みたいなこといったってしょうがないでしょ。子供でもほしいのか」とエルフィール。「私ばかだし。子供なんて不幸にするでしょ。わかりきってるでしょ」とミラルは嘆く。女の子がひとり歩いている。「どうした。親はどこだ。おーいおやー」とミラル。「迷子か」とエルフィール。「わかんない」と女の子。「迷子なのはこっちだよ」とミラル。「トイレだいじょうぶか。腹すいてないか」とエルフィール。「こんなのやってられっか」とミラル。ふいに女の子はミラルの手をにぎっている。「だ。だいじょうぶだよ。なんとかなるよ。私にまかせておけ」とミラル。ミラルの足はふるえていた。「ねえ。どこいくの。みちくらいよ」と女の子。「だいじょうぶだよ。なんとかなる」とミラル。いろいろ店をまわったり交番にて女の子は母親と会うことができた。「ありがとうは」と母親。「ありがとう」と女の子。親子と別れる。「どうしたミラル」とエルフィール。「できなくはないな」とミラル。「あしたもはたらくぞー」とミラル。「いよっミラルさま」とエルフィール。ふたりは夜道を歩きだした。


エピソード5
夜空が広がる。「星が降りそうな夜だから」とミラル。流れ星。「願いごとは願いごとは」とエルフィールたちはあたふたと。と流れ星はどんどん大きくなりエルフィールにぶつかる。「むぎゃーっ」とエルフィール。「いたいじゃないか」と星は少年であった。光っている。「なんだいあんたは」とエルフィール。「星の子だよ」と星の子。「夢があったんだ。たくさんの夢が」と星の子はうれしそうだ。「でもものごころついたらなくなっちゃった。あんなに広大な夢も現実のまえでは無力だったよ」と星の子。「それは誰もが通る道さ」とエルフィール。「どうしてみんなそうなの」と星の子。「子供は質問ばかりね」とミラル。「質問とはつまりは未来の流れ。子供の言葉はすべて未来なんだ」とエルフィール。「子供の言葉に大人も気づくこと。それが未来に気づくということ」とフィル。「子供と会話すること。それはつまり未来とひとつになること。そうやって人は歴史をかさねてきたんだ」とエルフィール。「深いのかなあ。ふーむ。そんなものかあ」とミラル。「どんなふうに生きればいいかなあ」と星の子。「子供の歩く道というのはまさに未来の道そのもの。それは希望の道」とエルフィール。「子供の道をいっしょに見つけてあげること。その道は希望であり親もみたされるのです」とフィル。「星の子ありがとう」とミラル。「ぼくなんにもしてないよ」と星の子。「ありがとう」とミラル。「へんなの」と星の子は笑う。すっかりなじんだ夜の会。「それじゃ星へ帰るよ」と星の子は飛んでゆく。「ありがとう」とミラル。「ずいぶん楽しそうだな」とエルフィール。「そうかもね」とミラルは笑った。一行は焚き火にあたる。夜はふけてゆく。


エピソード6
一行は遺跡発掘に参加してる。魔物をたおしたりしながら進む。同行する発掘学者の老人は興味深々だ。「この柱はハーツ様式だな。この遺跡は二千年前のもののようだ」と老人。がいこつたちをたおす。ぜえぜえ息をしてるエルフィールたち。「これは発見だ」と老人。「感謝もなしかい」とエルフィール。「ライティング」とミラル。魔法の光りは壁面をてらす。そこには巨大な壁画がある。「世界は破滅するが救世主があらわれたりけり。教典だな。二千年先の世界とある」と老人。「二千年前の人たちはこんな未来を見たのね」とミラル。「二千年先つまり私たちはどうかしら」とミラル。「まあそこそこかな」とエルフィール。「夢見た二千年」とフィル。「私たちは二千年後どうなってるかな」とミラル。「おーい二千年後のみんな。そこそこやってるかーい」とエルフィール。声は遺跡の中をこだまする。「きっとそこそこやってるだろうさ」とエルフィール。「そうね」とミラルは涙をぬぐった。「さあ旅だ。旅をしょう。そんな旅をしょう」とエルフィール。「あなたらしいわ」とミラル。「いいですね。それは道そのもの」とフィル。「まだまだこれからさ」とジョルディー。「金がもうかるでやすよ」とバルディ。小鳥が鳴き舞う。「なるようになる」と人の姿のレッドドラゴン。「すべて我らの力。心せよ」と透明なドラゴンの姿のレッドドラゴン。「歴史はいつも旅のなかに」とらいでん。「救済はいつもあるのです」とハイベル。「いつも流れとともに」とダミエール。「魔法はいつも心をうたいます」とアドルテア。「てなもんやわんやかんやでやんす」とバリュウス。「さあいこう」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード7
真っ暗闇のなかをエルフィールは歩く。「みんなどこだ」とエルフィール。「エルフィールがんばって」とミラルの声。「どこにいるんだい。どこだここは」とエルフィール。闇は永遠をうたう。一歩ずつ確かめながら歩くエルフィール。暗闇が続く。「どこへゆくというのか」とエルフィール。「こたえなどないのですよ」とフィルの声。「どこだいみんな。ここはどこなんだ」とエルフィール。「どこへゆくか。それはわからないから」とジョルディーの声。「どこだいみんな。どこだここは」とエルフィール。暗闇を歩くエルフィール。「ゆきなさい」と不思議な女性の声が響く。「誰だあんた。どこへゆくというのか。ここはどこなんだ」とエルフィール。「ゆきなさい」と不思議な女性の声が響く。「いったいなにがなんだかわからない」とエルフィール。「しんじなさい」と不思議な女性の声。「なにを」とエルフィール。「未来を信じなさい」と不思議な女性の声。「どこまでだ。なにがだ」とエルフィール。「しんじなさい」と不思議な女性の声。「そうだな」とエルフィール。道はすべててらされ夜明けは訪れる。みんな仲間もいた。「ひさしぶりい」とエルフィール。「ずっといっしょにいたでしょ」とミラル。「いいねえそれも」とエルフィール。 「まったくあんたというやつは」とミラル。「さあ旅だ。旅がしたい。旅立とう」とエルフィール。一行はにぎやかに旅立つ。


エピソード8
一行は焚き火にあたる。「会いたいなあ。ああいいなあ」とミラル。「しあわせな人はすくない。まだいい日々まで道なかばなのさ」とエルフィール。「会いたいなあ」とミラル。「私の思いはすべて書いてある。なんどでも読み直せ。それも会うことさ」とエルフィール。「そうね」とミラル。「わかったけん」と小桜。一行は焚き火にあたる。


エピソード9
一行は焚き火にあたる。「つかれたよ」とミラル。「若いというのはつい力まかせになってしまう。老いをうけいれるということはほどほどしかもたないこと」とエルフィール。「あさってはこうだ。その次の日はこうだ」とミラル。「私の師匠の言葉なんだけれども。今日一日だけ。今日一日だけ精一杯やりきること。それいがいしないこと」とエルフィール。「まあなるようになるか。読むことは会うこと。読み直して会うのもいいわね」とミラル。「わかったけん」と小桜。一行は焚き火にあたる。


エピソード10
一行は焚き火にあたる。「どうして楽にならないのよ」とミラル。「楽になろう楽になろうとすると人はこわれてしまう。苦しもうとする道であること。それがちょうどいいんだ。つまりは生きることは修行なんだ」とエルフィール。「私坊さんになんてなってないわよ」とミラル。「なればいいじゃないのよ」とエルフィール。「ふざけんな。金がほしい。使用人がほしい。なにがいけない」とミラル。「煩悩よ」とエルフィール。「ふざけんな。やってられっかこんなの」とミラル。「生きることは修行なのさ」とエルフィール。「私に修行なんてできるかしら」とミラル。「ためしてみればいいんじゃないの」とエルフィール。「それもいいかもね」とミラルはお茶を飲む。「あんたときどきいいこと言うわ」とミラル。「そらどうも」とエルフィール。一行は焚き火にあたる。


エピソード11
一行は焚き火にあたる。「私は最低のだめなやつだ」とミラル。「最低なのは時代さ。ならばなぜみんなやらない。つまりはそういうことさ」とエルフィール。「みんなといるときは楽しいけどひとりになるとさみしいなあ」とミラル。「人はひとりさ。死ぬときもひとり。生きるのもひとりなのさ。ひとりであることをうけいれられたときにまたひとつ成長する。そしてまたひとつ一歩進むのさ」とエルフィール。「ひとりこそが生きることなのね」とミラル。「そうゆうことさ。まあてきとうにいこう」とエルフィール。「あんたときどきいいこというわね」とミラル。「そらどうも」とエルフィール。「読み直すことは会うこと。あんたに会いますか」とミラル。一行は焚き火にあたる。


エピソード12
一行は旅をする。肩がぶつかった旅人がエルフィールに殴りかかってくる。なんとか離れるエルフィール。「そっちがいけないんだろう」と男。「そういらつくな。なにがそんなにいらつくんだ」とエルフィール。「私はダンテ。ここいらに住んでいる。もうはたちになるのに自分の道が見つからない。どうしたらいい。もやもやしたものや悩みや不安でいっぱいだ」とダンテ。「道が見えれば不安や悩みはなくなる。経験こそが道だ。経験だけが道を示す。本や漫画を読み漁るのもいい。いろんな旅するのもいい。人ととにかく話すのもいい。経験だけがいつでも道を示し歩くべき道を見せるだろう」とエルフィール。ダンテは剣をぬきエルフィールに向ける。「とりあえずはありがとうと言おう」とそう言ってダンテは去ってゆく。「なによあれ。まいるわね」とミラル。「若いというのはすばらしい。そういう時代はなつかしいものさ」とエルフィール。「若き日はそんなものさ」とジョルディー。「さあ旅をしょう」と一行は旅立つ。


エピソード13
一行は焚き火にあたる。「支えあいってなに」とミラル。「支えあいとはいっしょにいて話し合うこと。腹がすいてればおにぎりでも麺類でも作って一緒に食べることかな」とエルフィール。「退屈だよ。ひまだなあ」とミラル。「さんぽでもすればいいんじゃない」とエルフィール。一行はシカに食らいつく。「あしたはどうなるかなあ」とミラル。「あしたはあしたの風が吹く。あしたになったらわかるさ」とエルフィール。「答えになってないよ」とミラル。「ははは。そうかもね」とエルフィール。「それもいいけん」と小桜。一行は焚き火にあたる。


エピソード14
一行は焚き火にあたる。「未来は不安よ」とミラル。「未来はいつもファンタジー。お楽しみがいっぱいの宝箱さ」とエルフィール。「人はなぜわかりあえないのかしら」とミラル。「人はファンタジーだからね。人は科学とか合理的ではわりきれない。人は矛盾のかたまり。人はわけわからないファンタジーのかたまり。でもそういうのわかってくると人生楽しくなるよ」とエルフィール。「人がみんなファンタジーならばこの世界はファンタジーだってこと」とミラル。「そういうことだね」とエルフィール。「ああなんかしたいなあ。あせるなあ」とミラル。「あわてない。あわてない。ひとやすみひとやすみ」とエルフィール。「いまどき一休さんかよ」とミラル。「いい季節だ」とエルフィール。「読むことは会うこと。読み直して会いますか」とミラル。一行は焚き火にあたる。


エピソード15
一行は魔王ゾルダックラーグナードルと戦っている。エルフィールの手が光る。ジョデルディーと光りで斬る。女神があらわれる。「我は女神カーナルティーアティーア。望みは倒すことか」と女神。「そうだ」とエルフィール。魔王は封印された。「やったやった。やったあ」とエルフィール。「おいこら」と女神。「あらまだいたの。いーよかえってくれ」とエルフィール。「望みはみっつだ」と女神。「それじゃ金をくれ」とエルフィール。「そういう抽象的なのはいかん。神話に反することよ」と女神。「じゃあめし」とエルフィール。「そんな貧乏くさいのはいやだな」と女神。「いーからかえれよ」とエルフィール。「だめじゃ。みっつじゃよ」と女神。「このやろう」とエルフィール。「はやくいえーはやくいえー」と女神。「おーいうるさいよ。どうする願い」とエルフィール。みんないろいろ言うがことわられる。「どうしたどうしたどうしたの」と女神はエルフィールをこづく。「おいおいおい。かえれよ」とエルフィール。「我はいらないのか」と女神。「いやまあその。そういうことじゃないんだ。必要だよ。あんたは必要さ」とエルフィール。「ありがとう」と涙をぬぐう女神。「いつかめぐり逢う日のために」とフィル。「我々はいつもいっしょにいる。さあゆこうか」と女神。エルフィールの手が光る。ジョルディーと光りで斬る。天国に歩いてゆく女神。「またな」と女神。「ありがとさん」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード16
一行は焚き火にあたる。「あんたはふざけんなよ」とミラル。「人は矛盾のかたまりじゃないか。いいじゃないか」とエルフィール。「ふざけんな」とミラル。しこたま怒られるエルフィール。一行はある老人と老婆の家にゆく。「ありがとう。助かったよ」と老人。「あははは。ちょうちょ」と老婆。「妻はまっすぐな性格だった。人の矛盾にはだめだった」と老人。一行は歩き出す。「なにがこれからの道かしら。私はわからないわ」とミラル。「あしたが道さ。決まっている」とエルフィール。「あんたらしいわ」とミラル。一行は旅立つ。


エピソード17
一行は焚き火にあたる。「ああいまいちな人生よ」とミラル。「なにも気にしない。そしてなにもかも楽しめ」とエルフィール。「どうして生まれたのかしら」とミラル。「まあ必要だったからだろ。存在理由なんてわからないさ。なんかそんなもんさ」とエルフィール。「どこまでゆけばいいの」とミラル。「それはまあてきとうじゃない」とエルフィール。「もっとなんかあるといいのに」とミラル。「それはまあなにかあるからまだ道があるかな」とエルフィール。「まあ読むことは会うことかな」とミラル。「それもいいけん」と小桜。一行は焚き火にあたる。


エピソード18
一行は旅をする。「おまえにせものだろ。ぜんぜん最近たいしたことないぜ」と男は言って去ってゆく。「なにあれ。気にしないでエルフィール」とミラル。「若いときはがむしゃらにがんばった。いい年になってきて少し立ち止まることがおおくなった。なんか少し考えてしまう自分がいる。時を重ね見えてきたものがある。それはゆっくりと見せていけたらなと思う」とエルフィール。「生きるとはそういうものです」とフィル。「あんたも年とったわね」とミラル。老人が歩いてくる。「やあこんにちわ」と老人。「知り合いだったかな」とエルフィール。「ずっときみを見てきたよ」と老人。「なんだなんだ」とエルフィール。「私はきみの道さ」と老人。「それはどうも。これからどこへゆけばいいかな」とエルフィール。「店屋にいきたいとか誰かに会いたいとか。それはすなわち道なのさ。神様に会いたいとかね。なにかほしいとかなにか見たいとか。それはすなわち道なのだよ」と老人。「ありがたいもんだ。どもどもありがとう」とエルフィール。エルフィールの手が光る。ジョルディーと光りで斬る。「さあゆこう。その思いのままに。ありのままに。道のままに進めばいいさ」と老人の声。老人は光りの道となった。「さあ歩こう」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード19
一行は旅をする。老人が座っている。「どうしたいじいさん」とエルフィール。「ちょっとエルフィール」とミラル。「私はどこにいけばいいかな。途方に暮れる」と老人。「ちょっとエルフィール。私たちには人助けなんて余裕はないのよ」とミラル。「そうだな方向としてはあっちいけ」とエルフィール。「またてきとうなことを」とミラル。「きみには未来が見えるのか」と老人。「見えないよ。でもさなんかてきとうにやってるとなんか見えてくるような気がするんだよ」とエルフィール。「気がするだけでしょ。そんなのなんなのよ」とミラル。「私はどこにゆけばいい」と老人。「あっちさ」とエルフィールはあさっての方向をさす。「またてきとうなことを」とミラル。「そうか。そうしょうか」と老人はあさっての方向に空飛んでゆく。老人は太陽になった。「ありがとう。それもいい」と老人の声が響く。「いつもてかてかありがとさん」とエルフィール。「いつもありがとう太陽」とミラル。一行は旅立つ。


エピソード20
エルフィールは真っ暗闇を歩く。いくつもの流星が流れてゆく。「ごめんなさい」と女性の声。「誰だ。なぜこんなにも」とエルフィール。「流れのままに」と女性の声。流星の流れにあわせて歩く。「どこへゆく。どこへゆけばいい」とエルフィール。「ごめんなさい。未来はわからない。けれども命にはしあわせになる可能性があるのです」と女性の声。エルフィールの手にぬくもりがある。光りで斬る。空が大地が広「ひら」ける。「すべて丸くおさまるでしょう。信じる者は救われます」と女性の声。「ありがとさん」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード21
どこにゆけばいいのかしらとミラルは思う。と道に翼が落ちてる。ひろうと翼を得たミラルは大空を飛ぶ。雲を越え雷雨のなかを舞い踊る。「いやああああああっっ」とミラル。失速して落ちてゆく。「もうだめええええ」とミラル。翼は光りとなってミラルをやさしくつつんだ。大地に降りるミラル。「すまない。つい楽しくてね」と男の声。「誰なの」とミラル。「きみの翼さ」と声。「だったら私はどこへゆけばいいの」とミラル。「翼とはたとえばなにかをすること。たとえば料理をすればそれはみたされる。誰に作ってもいい。そうやって進んだ道。歩いた道だけが翼となって心を自由にする翼たりうるのだ。さあゆこうか」と声。翼は光りとなりミラルとひとつになる。歩いてエルフィールたちと合流する。「さあゆきましょう」とミラル。「なんかいつもと違うな。へんなもんでも食べたか」とエルフィール。「さあ道はずっと続いているわよ」とミラルは歩いてゆく。「へいへいゆこか」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード22
ジョルディーは単独の依頼を終えた。だがエルフィールたちとははぐれていてどこにいるのかわからない。どうしたものか。ジョルディーは途方に暮れる。馬が一頭来る。ジョルディーは馬に乗る。馬まかせで馬で走るジョルディー。馬は走る。ジョルディーが休むときは馬も休む。馬に乗り馬は走る。雨が降ってきた。ジョルディーは馬からころげおちる。馬は戻ってきてジョルディーの前でとことこ歩く。また馬に乗り馬で走る。ふたつの町を越えたところでエルフィールたちと合流する。「ありがとう」とジョルディー。馬はいなないて消える。「あなたのためなら」とアーティニーの声がする。「そうだな」とジョルディー。一行は旅立つ。


エピソード23
一行は焚火にあたる。「ひまだなあ」とミラル。「それは休息と見ることもできる。ぜいたく求めたってしあわせにはならないよ。私はそれを聞いたよ」とエルフィール。「人はどこへゆくの」とミラル。「さあね。なにかあるんだろたぶんね」とエルフィール。「思いが」とミラル。「そんなときもあるさ」とエルフィール。「もういやよ」とミラル。「そうか。そうかもな」とエルフィール。一行は焚火にあたる。


エピソード24
ダミエールは依頼を受けた。「この広場にドラゴンが住み着いてしまった。なんとかしてくれ」と村人。ダミエールはドラゴンの前でギターを弾く。エルフィールたちはひんぱんに会いにくる。ダミエールは十年弾き続けた。「そうか。なにかようか人の子よ」とドラゴン。ダミエールは話す。「わかった。この広場が必要なのだな」とドラゴンは飛んでゆく。「おまえの方法は退屈だな」とエルフィール。「それもいい」とジョルディー。一行は旅立つ。


エピソード25
一行は山脈の前に来る。かなり長く険「けわ」しい山々である。「どうすればいいかしら。レッドドラゴンやバリュウスはドラゴンの会でいないわよ」とミラル。巨人の老婆が歩いてくる。「手にとげがささってしまった」と巨人の老婆。みんなでロープをとげに巻いてみんなでひく。「よーそれよーそれよいしょっ」とエルフィールたち。とげはぬけてエルフィールたちのほうへころがってくる。逃げるエルフィールたち。雪崩「なだれ」もくる。「ひーうあああああ」とエルフィールたち。エルフィールの手が光る。ジョルディーと光りで斬る。とげとなだれは花束になった。「山々も花にしてよ」とミラル。「自然だろ」とエルフィール。巨人の老婆が「ありがとう」とエルフィールたちを山を越えさせてくれる。もちあげてひょいである。「ありがとさん」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード26
一行は洞窟で迷っていた。たいまつも魔力も尽きた。真っ暗の洞窟でどこへゆけばいいのかわからない。「もうおしまいよ」とミラル。「いいんじゃないの。楽しめよ」とエルフィール。「ふざけんな。ちきしょう」と叫ぶミラル。「あしたはあしたさはっはん」とエルフィールはでたらめに歌いだす。ミラルがエルフィールをふんづける。それでも歌う。何時間たっただろうか。灯火「ともしび」が灯る。それを辿「たど」って外に出られた一行。「それもいいか」とミラルはため息つく。「さあ旅しょう」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード27
エルフィールはなにか光りになる。暗闇を飛ぶ。幾つかの光りが集まってくる。それは無数の光りの流れ。光りのうずよ。「あたたかい」とエルフィール。「なんてひろいんだ。なんて自由なんだ」とエルフィール。たゆたうものよ。「エルフィール。朝よ行くわよ」とミラル。みんないた。「さあ旅だ。旅がしたい。ゆこうぜ」とエルフィール。一行は旅立つ。


エピソード28
一行は川の前で休憩している。「もうだめよ」とミラル。エルフィールがミラルを川におとす。「なにすんだてめえ」とミラル。「あかるくいこうぜ」とエルフィール。ミラルは空を見た。太陽が輝く。「ふっふっふっ。あっはっはっはっはっ」とミラルは笑う。空から翼がたくさんふってくる。それを着けた一行。「いやっほおい」とミラルたちは空を飛ぶ。一行は旅立った。