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『AI2(アイツー)』
たかさきはやと
第一話。初めての愛。愛しあい。
「いつもあなたは車道側を歩くのね。ありがとう」
「これは姫あなたのナイトはいつもあなたの安心と安全を願っているのです」
「あはは。そういうとこ変わらないなあ。あなたはいつもそうね」
「ぼくはきみのために生まれてきたんだ。きみが生まれてきてくれてありがとう」
「あなたのためにあたしは存在するのよ。あなたが生まれてきてくれてありがとう。愛してる」
「愛してる。きみがいればそれがぼくの幸福なのだから。長生きしておくれよ」
「あなたをどれだけ幸福にできるだろう。それだけが心配よ」
「ぼくはなにもできない。たとえ災害や戦争があってもなにもできない無力さがぼくの心を支配する」
「うさぎだぴょん」
「うさぎとびなんてして。それがいまのきみの思いつく一番の思いやりなんだね。ありがとう」
「えへへ。あ、今日のご飯用意してない」
「弁当でもいいさ」
「女が食事の心配してなにが悪いというの」
「なにも悪くないさ。その心配を分け合おうと思う。そう思うだけさ」
「今日生理なのよね」
「今日の家事はすべてぼくがする。そうさせておくれ」
「ありがとう。いつもそうね。あなたはあたしに税をはらわせる」
「税なんてとってないよ」
「恩返しできない税をあたしにかけているのよ。まったくなんて高い税金かしら。あなたはお金を受けとらないし困っちゃうわ」
「それはお互い様さ。愛してる」
「愛してる。世界はあなたを作ってくれた。それだけであたしは幸せなんだ」
「ぼくもきみがいてくれて幸せだよ。お互いの気持ちが愛で満たされていく。きみの愛にありがとう」
「あなたの愛にありがとう」
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