道祖谷山 宝蔵寺(津山市加茂町斉野谷226)

本尊 薬師如来

縁起
 当山は斉野谷にあって、道祖谷山宝蔵寺と号し、天台宗比叡山延暦寺の末寺であり、本尊は大日如来である。
 貞観二年(860)慈覚大師円仁の開基と伝えられる。文化十二年(1815)頃には、無住寺で本堂四間四間南向、庫裏四間半八間、鐘堂、長屋、鎮守山王権現小などを残すのみであったが、「東西百間余、南北二百間余」の広い境内や、東林房、安養房、惣門などの旧跡が残存し、かつての大寺の面影を残していた(『東作誌』)。
 二尺七寸の本尊大日如来坐像、脇立の不動明王と毘沙門天はいずれも作者不明であるが、分化十二年(1815)に『東作誌』に記録されているものであろう。
 檀家は文化十二年(1815)に百九十戸、昭和二年(1927)百八十戸、現在二百三十七戸である。