無量山 極楽寺(津山市加茂町宇野954)

本尊 阿弥陀如来(無量寿如来)

縁起
 当山は宇野にあって、無量山極楽寺と号し真言宗古義派高野山理性院の末寺で、阿弥陀如来を本尊とする。
 開山は行基(668〜749)と伝えられる。もと字寺内一二九番地にあって寺内法幢寺と号していたが、元禄年中(1688〜1703)に現在地宇野に移り新御堂山極楽寺と改め、のちさらに無量山と山号を改めた。
 本尊阿弥陀如来像は、文政十二年(1829)に平城京真浄和上を開眼導師とし、妙法院(京都、三千院-筆者)宮御内花房兵衛を供養檀主として再興奉献されたもので、木造仏であり、三十三年毎開扉の秘仏である。また、慧心筆、三尊弥陀画幅は、古絹に三尊来迎図を描いたもので、京都、三千院来迎仏にそっくりの名作である。また境内には直径四・六メートル、樹齢三百年のカヤの木がある。檀家は現在百五十戸であり、このうち黒木二十戸である。檀家は寺の年中行事として正月二月三日に年始に参詣し、寺からは祈祷腑礼をもつて檀家各戸を廻る。また盆会に寺は柵経に檀家廻りをする。檀家は、十四日から十五日のいずれかに礼に参詣する。また黒木二十戸の檀家は二月一日に全戸家族が当番の家に集まり、寺からそこへ出かけて行って祈祷をしている。

高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場会発行『高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場』より