静論山 豊楽寺(御津郡建部町豊楽寺223)

 JR津山線の北200メートル。JAより山道を約2キロ行くと、真言宗の名刹静論山(せいひつさん)豊楽寺につく。
 寺伝によると、和銅年間(708〜714)に僧玄ム(げんぼう)が開山したが、その後渡来僧鑑真(がんじん)がこれを受けて一大堂塔を完成整備したという。室町時代にくだると、美作守護であった赤松氏・柏原氏・山名氏の帰依(きえ)を受け、その援助で寺運は隆昌し、23坊がたちならんでいた。
 天正年中(1573〜1591)、岡山城主宇喜多直家の日蓮宗への改宗強要に対して、反抗したため、当寺は破壊された。山外の末寺八ヶ寺・檀徒三十ヶ村を改宗させられたがために譲微したが、江戸時代のはじめ、津山藩主森忠政によって再興され、本堂もそのときのもの。本堂裏の経塚は”土仏塚”といわれ、弘法大師加持の土仏を埋めたものと伝えられる。近年そこから平安中期の小さな泥塔が多数発見され、寺に保存されている。

豊楽寺  仁王門 仁王門より本堂への階段 豊楽寺  本堂

本尊 薬師瑠璃光如来

年中行事

一月一日〜三日 修正会・檀徒年賀受
一月八日 初祈とう法会
一月二十一日 初大師供
旧二月十五日 常楽会
旧四月八日 佛生会
旧七月十五日 盆会
旧七月十八日 施餓鬼会
毎月二十一日 月並御影供

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より