室谷山 金剛頂寺(瀬戸内市牛窓町牛窓4032)

本尊 十一面観音 

縁起

 高野山真言宗に属し、地元では西寺と呼び、高野山金剛頂寺の寺末である。寺伝によると、天平勝宝年間(749−757)、報恩大師が創建した備前四十八カ寺の一つ。現在の本堂(町重文)は文化元年(1804)の再建。安置している千手観音立像(町重文)は、治承三年(1179)に建立された旧本堂の本尊。大日如来坐像(町重文)は旧多宝塔の本尊である。盛時は僧坊十一を数えたという。本尊十一面観音は聖徳太子の作、脇士不動明王は智證大師の作、多聞天王は弘法大師の作と傳う。岡山藩が強行した寛文六年(1666)に法灯を回復、本堂などの寺観が整備された。境内からの眺望がすばらしく、かつては牛窓の風帆、黒島の茂樹、小豆島の漁火など八景が評判だった。