妙法山 浄泉寺(岡山市山田1163)

本尊 日蓮大菩薩

縁起
日蓮宗のお寺で、開山年代は不詳。
 開祖は大教院日受上人で浄泉ともいった。浄泉は享保二年(17171)に歿している。天和三年(1683)の建立とされ、開祖の諱をとって浄泉坊と号したが、もとは真言宗の寺院であった。近隣の他寺院と同様に支配者の圧力によって日蓮宗に改宗したものと考えられる。

 元来神仏混合時代から伍社神社の社僧であった。元禄十四年辛巳(1701)九月の伍社神社本殿再建の棟札が浄泉寺に保存されているが、その棟札に「本願当村浄泉寺」と記されている。この頃すでに寺号は浄泉寺とされていたのである。
 『備中誌』によると、「開山不詳、寛永三年中興して造立の住坊門」と記録されている。寛永三年といえば、戸川氏によって、領内寺院に対して日蓮宗への改宗を求めて圧力が加えられていた頃である。
 現在の本堂及び薬医門は安政六年(1859)の改築によるものである。改築工事を行った第十五世日海上人は、この時、門へ登る石段を構築し、手植えと伝えられる松は、現在、門前に見事な枝を拡げている。