鷲林山 妙善寺(岡山市津島本町7-1)

この寺は鷲林山妙善寺といい、法華本門久遠実成釈迦牟尼仏を本尊とする日蓮宗不受不施派の寺である。もとこの地に、弘法大師の開基と伝える福輪寺という真言宗の寺院であったが、正慶五年(1336)四月、京都妙顕字二世妙実(大覚大僧正)がやってきて、ときの住職良遊は法論のすえ、妙実に帰依し、日蓮宗に改宗、寺号を妙善寺とした。江戸時代の寛文五年(1665)不受不施派禁制で無住寺となり、宝永五年(1755)いっさいの堂宇を廃棄した。明治九年釈日正の請願により再興の日を迎え、明治三十年妙善寺の再建が行われた。不受不施派の数少ない寺院の有力な寺として、岡山市一帯の信者をもつ。

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より