花用山 妙竜寺(岡山市竹田39)

本尊 法華首題釈迦多宝本化四菩薩

縁起

妙竜寺は蓮昌寺系の日蓮宗の寺院で、法華首題釈迦多宝本化四菩薩を本尊とする。創立は慶長年間らしく、武田氏に由縁の寺と云われる。同寺の由緒に、武田信玄晴信の弟武田孫六左衛門秀義此地に居住す、故に武田村と云ふ。往古は三野郡弘西南方の内北村と有、嫡男九郎左衛門、同人の子九郎左衛門、同人の子秀行宇喜多家に仕へ候節は武田三十郎と云ふ。秀行嫡女子早世、花用院竜月端菩提の為め一寺を建立す、右戒名を以て花用山妙竜寺と号す。
池田家留帳元禄十一年六月十八日の条、蓮昌寺書付にある同寺取締り二十ヶ寺の内に「蓮昌寺末寺御野郡竹田村妙竜寺」と見え、吉備温故秘録の御野h郡竹田村の項にも花用山妙竜寺と出ている。岡山が空襲を受けたとき、この付近へも焼夷弾が落下したが、同寺は無事であった。
寺は旭川左岸の沃野に寺域をひろげ、南面した構え、本堂は入母屋造本瓦葺の建物で、これに庫裡がつづき、姿のよい山門(薬医門)が南にたっている。境内には流造本瓦葺とした鬼子母神堂があり、寺庭には一株の大銀杏がこの寺の目印しとなっている。