西弘院(岡山市撫川1416)

本尊 不動明王

開基 昭和二十八年浅沼光善    

高僧に魅せられ農家から一念発起

 岡山市撫川は倉敷市に面している岡山市で最も西側に位置する町。その撫川を南北に流れる足守川と旧国道2号線との交差点の側にある撫川バス停留所から川沿いに西側の土手を句北上し、最初の角を左に折れ用水路沿いにしばらく進むと、田園地帯の中に西光山西光院が見えてくる。おしゃれな現代風の建築に五色の吹き流しが印象的である。
西光院は、故・浅沼光善初代住職が、衆生を救い高祖弘法大師の教えを広めるために昭和二十八年に開いた比較的新しい寺院である。光善初代住職は、戦後高野山で修行した後、昭和二十六年に撫川に戻り、祈祷所を設置。その二年後、寺院に昇格している。
 戦後、当寺撫川で農業を営んでいた光善初代住職のもとにある日、ある高僧が一夜の宿を求めて訪ねてきた。そして一晩ほど泊めてあげてその高僧の話を聞いている内に共鳴感動を覚えたという。これがきっかけとなり、一念発起して僧侶となることを志した。
 現在父親の後を受け継ぎ第二世住職となっている明香住職は、護摩祈祷を主体にして當病平癒祈願、交通安全、その他諸々の相談事などを行っている。
 西光院の本尊は不動明王。脇侍には地蔵菩薩、と観世音菩薩が安置されている。本堂に入ると一風変わった護摩壇が目に入ってくる。天蓋には紙の御幣が吊るされているが、約一時間の護摩行でも法力によって燃えることはないという。
 毎月第三日曜には、信徒ら約六十人の参拝がある。また、二月の節分、七月の夏大祭には毎年、四百人を越える参拝者で賑わう。
 西光院の近くには三万平方メートルの敷地に約二百五十品種、二万五千株の薔薇が植えられているRSKバラ園があり、シーズンになると多くの観光客が訪れている。

年中行事

2月 節分祭 7月 夏大祭、土用修行