玉泉院 天台寺(岡山市円山1067)

本尊 薬師如来

縁起

玉泉院天台寺は薬師如来を本尊とする天台宗の寺で、もと池田家の菩提寺曹源寺の塔頭として営まれた、寺伝によると元禄十一年(註、曹源寺の創立が元禄十一年)備前国主池田綱政が承和和尚を開基とし、津高郡円城村円城寺の寺中東楽坊の旧跡を移して創立し、越えて元禄十三年三月九日寺領二十石を寄付して池田家累世の菩提を弔わしめた。開基の了応和尚は津高郡上加茂村(御津郡加茂川町上加茂)の出身で、享保十七年七月廿日に入寂している。また天台寺と号したのは終戦後本寺を離れてからである。ここで注意すべきは臨済宗の曹源寺の塔頭として天台宗の寺院が建てられたことである。これは池田家が備前一国の領主であるから、その菩提寺である曹源寺の寺中には他宗の寺院をひろく抱擁し、祈念をさせるという政治的意図からで、別項大光院の場合も同様である。