法泉寺(岡山市国府市場984)

本尊 不動明王

縁起

不動明王を本尊とする天台宗の寺で、寺伝に「創立天平勝宝元年報恩大師、孝謙天皇勅願四十八箇寺の一なり」と見え、今は無住で安養寺が兼務しているが、古備温故秘録には天台宗法泉寺と出ており、国府市場一円に檀家をもっている。ただし四十八カ寺と伝えるが、金山寺の四十八箇寺領目録には、湯迫寺五拾石、脇田寺五拾石とあるが、法泉寺に該当するものが見えない。
しかし法泉寺のある付近から東は「古法寺」「成光寺」などの地名をのこす平地伽藍の跡で、法泉寺が奈良後期の創立を伝えるのも何かの根拠があるのであろう。
現在地は一九九坪狭められ、入母屋造本瓦葺の本堂とそれに連続した庫裡とが南面しており、東の隅に地蔵堂があって、その中には室町初期と考えられる石塔の基礎や、五輪塔などがある。