岩根山 大然寺(岡山市大安寺西町8-8)

本尊 釈迦、多宝

縁起

日蓮宗の寺院で、このところに古くから禅寺の寺があり、永禄四年(1561)に日蓮宗に改め、当寺の住職日蕘を開祖としている。松田元輝が金川城主であったときで、この地の富山城も松田氏の傘下にあったから、その城主の庇護による改宗であろう。
建物に本堂・庫裡・客殿・鐘楼・山門・帝釈堂がある。このうち本堂は永禄の改宗にあたり建築したものと伝えられるが、どちらも後世の再建である。
本堂は江戸中末期に建てたもののようで、桁行六間、梁間七間、入母屋造本瓦葺の南面した堅固な建物。客殿は昭和三年の改築、鐘楼は明治二十七年の再建、もとの鐘楼を戦時中に供出し、現在の鐘は昭和二十三年の新鋳である。帝釈堂は本堂背後の山腹にあり、前面に平野を見晴らした景勝の祠堂で、文政年間の創立である。