蘇命山 宝室寺(新見市大佐布瀬452)
本尊 薬師如来
開基 大同二年弘法大師
中興 建保三年玄開僧都
頭にご利益あり、参拝が絶えない地蔵尊
新見市からだと美穀湖の近くにある東前寺へ行く県道422号を北東に向かって走るか、国道313が走る旧北房町から旧大佐町方面に向かい、布瀬という地に蘇命山宝室寺がある。詳しい寺歴は不明だが、弘法大師開基の古刹として、信仰を集めている。
同寺は中国山地の南面に位置し、小坂部川が北から南に縦断している細長い町の旧大佐町のほぼ中央にある。周辺には千メートルの山々が連なり、ここも豊かな自然に恵まれた寺院である。
開基は大同二年(807)、弘法大師となっている。何度か火災に遭い、堂塔伽藍を焼失していることから、詳しい記録は残されていない。しかし、新見市豊永赤馬にある三尾寺の縁起に登場することから、開基年代はほほ間違いないであろう。
建保三年(1215)、布施下野守忠政公は大山の地に大山城を築き、紀伊国(和歌山県)から玄開僧都を聘し、宝室寺を再興し、菩提寺とした。
ところが、享保二年(1717)七月、一山を焼失し、近くの御崎神社の寺有地に移ったが、ここも罹災して千草の地に移転し現在に至っている。
大山の山腹にある寺屋敷というところには、地蔵堂があって、地蔵菩薩と五輪塔が完全な形で残っており、その由緒を伝えている。また、この地蔵尊は頭の痛いのにご利益があり、今も参拝者が絶えない。
年中行事
1月 | 年頭護摩祈祷 | 9月 | 秋期彼岸会 |
3月 | 春期彼岸会 | 12月 | 家浄 |
8月 | 施餓鬼供養・水子供養 |
『高野山真言宗備中寺院めぐり』より