黒見山 寳聚院 觀音寺(美作市万善261)

本尊 十一面観世音菩薩

縁起
聖武天皇の御代天平十年(738)行基菩薩、当地を巡錫の砌り、山中に黒肉色燦然と輝くものが目にとまり、不思議に思って近寄って見ると幾千年を経た大古木でした。即ち、菩薩はこの霊木をもって、自ら一刀三礼して十一面観世音菩薩を刻み、一宇を建立してこれを安置したので、この山を黒見山と呼ぶようになりました。のち、堂宇を焼失したので、霊木発見の地と思われる山麓の現在地に伽藍を再建して観音寺と合し、黒見山を奥の院と定めました。天正七年再び兵火に罹り一山が衰微しましたが、慶長年中に寛龍上人が入寺し再興。次いで享保年間に諦範上人が中興しました。大正八年には末寺の観楽寺と幸福寺を合併して益々興隆し、爾来法燈連綿として香煙の絶え間がありません。なお、昭和四十一年には自動車参道を開設し、高野山館長津田實雄大僧正猊下のご親教をうけて、三十三年目に一回の本尊開扉大法会が奉修されました。

年中行事

1月2日 初祈祷法会
4月第3日曜日 大師講法会
4月8日 花まつり
8月第3日曜日 観音まつり

寺宝・文化財

・観音寺の森(天然記念物)
・木造えんま庁座像 十五体
・木造阿弥陀如来立像 一体
・大型一石五輪塔 一基

高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場会発行『高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場』より