覚黐山 宇南寺 遍照院(真庭市美甘1278)

本尊 金剛界大日如来

宿場町を形づくる美甘村の中心から二キロ西に行った河田部落の高台に、県内の最古建築物太平堂(本堂)をもつ宇南寺がある。

縁起
当山は迦茂の里と言われた奈良朝時代(1280年前)行基菩薩の開基当寺は雲南寺と称していた。嵯峨帝の勅願所となる。鎌倉府より寺領七十石を賜る往古二院六坊山内に有り。往古は美甘庄内神社惣別当職たり。元弘の変に後醍醐天皇隠岐の国へ御遷幸の際御幸宿せられ、天下泰平を祈願せられ御綸旨を拝領す。又随身の宝剣を奉納さる。
本堂内に名和又太郎長年の遺墨有り。境内に大永七年建立の先住十五代の供養塔あり。
本堂(県指定)は建久年中(1190〜1198)の建立で、そのほとんど全部が建立当初のものとみられ、骨組みの太さが建物全体にどっしりとした安定感がみられ、たくましさをあたえている。

年中行事

十月二十八日 昆廬化大権現祭り

寺宝・文化財

・後醍醐帝隋身宝剣(寺宝)
・宇南寺本堂 一棟 (岡山県指定文化財)
・御綸旨 壱通 (寺宝)

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より