神村山 神林寺(真庭市神66)

本尊 千手観世音菩薩

縁起

当寺は、和銅二年山麓の猟師兄弟が山中で一寸八分の金の千手観音を発見し、草堂に安置して熱心にこれをまつったことにはじまり、以後、入唐沙門円誉上人が唐より仏舎利や経像を持ち来たって神林寺として開山したと記録されている。
後白川法皇の寄進や、源頼朝が梶原景時を奉行として堂塔を建立したなどの事蹟もある作州での山上伽藍として最古の歴史をもつ寺院である。
しかし、深山の中で無住となって荒廃が甚だしく、今では南山麓の善福寺の境内に神林寺仮堂をたて、諸仏を安置し、仏具、古文書類もここに保管されており、旧地には、本堂、仁王門、丁石、石地蔵が残るのみである。
なお、本尊は安産の霊験あらたかであります。

高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場会発行『高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場』より